白倉林道隧道群

三重県


第一部

   


第二部 第三部

 来てみて初めて分かる、紀伊半島屈指の秘境
地帯。。。
 三重県は紀北町海山区、国道42号線から県道760号
(南浦海山線)に入り銚子川沿いに西進します。
 県道が銚子川本流から逸れ、支流の又口川に沿って
国道425号線に合流するのに対し、県道に代わって
本流のお供をするのが、白倉林道になります。
 この一帯は、かつて森林鉄道網が張り巡らされて
いたそうで、「林鉄の軌跡」(伊藤誠一氏著、ないねん
出版)によれば、この白倉林道と、銚子川沿いの県道
760号線はもともと相賀森林鉄道(9,999m)の軌道が
通されていたそうです。
 他にも、県道760号線の又口川沿いを走る部分は
相賀林鉄の魚飛支線であり、現在の改修され、新しく
なった魚飛隧道も林鉄隧道であったと思われます。
 あとは、古和谷林鉄(7,110m)、二ノ俣林鉄(3,666m)
などなど多数存在したそうです。
 相賀林鉄だけで言えば、開設は1951年(昭和26年)
で、廃止は1961年(昭和36年)であり、10年しか活躍
しなかったようです。それからすぐ林道に転用された
とすれば、48年も前の林鉄跡ということになります。
 果たして、林鉄の遺構など存在するのでしょうか。
 まあ、私の目標は隧道を残らず発見することですの
で、遺構がなくてもまあOKではありますが。。。
 今回のレポは長くなる予感がします。。。
 ここは、銚子川第二発電所前の木製(!?)吊橋。
この吊橋で銚子川を渡れば発電所の敷地内(核心
部分には当然入れませんが)になります。
 この桁が木製の吊橋、相当老朽化しています。
 当然のようにトラロープが張られ、張り紙みしてあり、
そらもっともなことが書かれているな、と思ったのです
が。。。

 「老化しているため、
通行注意

 !!!?通行止めではないのか?普通。。。
 ぢゃあ、通行に注意して渡ってやるさ。。。
 。。。なんとか渡りきりました。。。

 揺れるし、なんかみしみしゆってる感じもするし、
下は青く澄んだ大量の水流が、落ちたら死んじゃうこ
とを本能的に悟らせてくれます。。。
 渡った先には改修記念碑が。昭和63年ですか、結構
新しい。。。吊橋も補修したらどうっすか?

 他にもなんか面白いものが展示されています。
 見たこと無い物体です。
 発電所の沿革が記されています。
 詳細は読んで頂ければ。。。

 。。。初ってから脱線しすぎですな。白倉林道に
戻ります!
 。。。ここはどこだ?

 まごう事なく白倉林道ですが、あまりに酷くないです
か???
 発電所まではラクではありませんが、うちのアテンザ
でもダート道進んで来れました。
 問題はそこから。。。あっという間に廃道状態!
 こ。。。これが現実なのか。。。
 発電所から、地図で確認できる隧道までは約3km
と踏んでいます。初っ端から不安が募る道のりです。
 半端ではない抉れ方。
 雨天時の水量の多さを物語ります。
 冬場(雪)とか、雨天時とか絶対にこれないな。。。
 時折舗装路が復活します。
 ガレ路がもともとダートだったのか、舗装ごと流された
のかは不明です。。。

 それはそうと前述の著書では、二ノ俣林鉄がそろそ
ろ銚子川を渡るはずなのですが。。。40年以上も前
ですから遺構なんてないかな、と思いきや。。。
 うを!!!!

 なんかある!あれはまさしく廃橋梁ではないのか? 
 角度を変えて撮影。
 すごい。。。橋に関しては今まで殆どノータッチでした
が、これはすごい。。。よくこの環境下で残っています
ねえ。。。
 橋上には植物が生い茂り、なんと松?の木まで生え
ています。完全に自然と一体化しています。

 しかしここから見る分では、林鉄橋ではなさげです。
林鉄廃止後に付け替えられたのかも知れません。
 しかしながら。。。対岸方面を見てみますと。。。
 うををを。。。
 橋脚が3分の2ぐらい崩れてしまっとる。。。
 辛うじて橋梁の桁と残った橋脚、そして支柱によって
崩れずに残っている感じです。。。

 取りあえず接近を試みましたが、あの橋梁への取り
付き道は完全に失われており、林道からの高低差も
かなりあり、相当困難が予想されます。
 今回は、先も長いので断念しました。次回は対岸の
林鉄跡探索とセットで攻略してみたいと思います。
 林道探索再開します。

 それはそうと、前述の著書では林鉄のコースから
この道は外れているようです。
 第二発電所を抜け、あの廃橋梁を渡って対岸に
移り、銚子側沿いに進むのが正しいようです。よって
廃橋梁から先の白倉林道は、純粋な林道ということ
になるようです。先に発見する隧道群も、純粋な林道
隧道なのかも知れません。
 。。。えらいこっちゃ。。。

 これ、まっすぐ道が続いているんですが、この崩落
量は半端ではないです。
 かと思えばこのような平穏な場所もあります。(ミラー
の首が取れていますが。。。)
 少し前までは普通に通行できていた証でしょうか。
 もうこんなのは日常茶飯事です。この林道に限って
は。。。
 まだ通りやすいですよ、この程度なら。。。
 こういう縁石は、車道用ですよねえ。
 落石を避けてよく残っています。
 切り通しもあります。
 舗装がサイドが削れてなくなってますねえ。

 さあ、まだ序盤という感じですが、想定以上の荒
れっぷり。思わぬ時間ロスを強いられます。
 果たしてどこまで進むことが可能なのか。。。

 以降、 
その2 へ!