2014年9月訪問
2014年9月。かねてよりパパンさんからお誘いを受けていた、遠州オフ。 とはいえ当方は未だ名古屋以東も満足に探索していない身。当初は愛知県東部から浜名湖周辺にかけての 探索を模索しておりました。しかし!遠州に面白い物件が多数あることを聞かされ、どうせなら遠州ブランドの物件 を見てみたい!という風に思い始め、ちょっと未探索地域を飛ばして掛川市周辺にまで足を伸ばしました。 これは日曜日の居酒屋時に撮影しました。 左の車から。この居酒屋から祝日探索にかけてご一緒したペッカーさん。居酒屋に参加頂いたでこぴんさん。 我らが教授、お馴染みおろろんさん。私の車の奥に、今回の案内人パパンさん。 以上が今回探索の参加者です。遠方であるため、やはり関西方面からの参加は厳しいものがありました。 |
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さて。。。本日は日曜日、明日は月曜日ながら祝日で世の中は三連休。私は土曜日仕事だったんですが、 終わって早々に箕面から掛川に向かって出発。付近のコンビニで一泊させてもらいました。 名古屋からでも遠方の地域。やはり皆が揃うには時間がかかるため、私は一人朝練を行いました。 狙いは東海道本線の煉瓦アーチ橋梁。事前に宮様の石橋様情報を把握していたおかげで、4時間足らずで 9本の煉瓦アーチを確認。これは煉瓦みちで別途掲載致します。 11時。パパンさんが到着し、おろろんさんと3人で私の車に便乗し、遠州ブランドの隧道に挑みます! |
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3人3様でネタを出し合い、まずは菊川市の物件から攻めることに。 まずは。。。牛渕隧道! 。。。???な、なんだこりゃあ〜〜〜??? 初っ端からえらい騒ぎになっています。こ、こんなに植生酷いの!? 因みに西側から突入しております。 |
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場所はここ。 県別マップル2014年版でも表記がありますが、廃隧道という ことです。 ゼンリン電子地図では表記ありませんねえ。 |
振り返り。 左側の茶畑の方が使うのか、ここまでは轍があります。 |
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植生を少しがさごそ。。。おお!すぐ見えた! よかった。このぐらいなら何とか。 |
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出ました!静岡県内、当方第一号隧道!の西側坑門。 牛渕隧道 隧道データベースや全国道路トンネルリストにも掲載のない謎に満ちた忘れられし廃隧道。 当然スペックは不明。しかし竣工年は判明。それは後ほど。 |
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扁額が掲げられています。 …これだけ見れば牛…?なんだろ?って感じです。 坑門の様子は東側で。 とりあえず内部に潜入します。 |
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結構な広さを有しています。普通車の片側通行であれば十分な広さに感じます。 |
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そして天井アーチはコンクリートブロック製です。 コンクリブロック車道隧道は関西では和歌山県の水呑隧道 がありますが部分的であり、非常に数が限られています。 |
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西側坑口を振り返り。 植生はまだまだ濃い季節ということを思い知らされます。 |
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一面のコンクリブロック!そのブロックの個別剥離が目立ちます。 こういった状況が廃化の一因になったのかも知れません。 |
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そして東側へ。 ありゃ?車の音がすぐそこから聞こえます。 どうやら目の前が現道のようです。 …こっちから来たらよかったですね〜(笑) |
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東側から洞内の様子。モルタル補修をすれば再利用できそうな雰囲気です。 ぜひ人道で。。。 |
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牛渕隧道の東側坑門。こちらのほうが植生が抑え目で、坑門の様子をじっくり観察することができます。 全面コンクリート隧道で、洞内アーチがコンクリートブロック二層巻きとなっております。 内側の層は補強として後年増設されたもののように感じましたが、下部の迫受石の組成状態からもともと二層で組まれたものと 推察します。 |
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そして、東側坑門の扁額! こちらの方がはっきりと名前が読み取れます。 そして…左隅に重要な情報が。 |
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昭和六年 十二月竣功 の文字が! 思いのほか古い! 1931年(昭和6年)12月竣工 で間違いないでしょう。 2014年12月に83歳を迎える古隧道です。 |
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こちらが現在の市道です。それほど大規模に開削したようには見えませんねえ。 隧道そのものを開削しなかったことが我々にとっては救いです。 …で、関西では有り得ない驚愕の事実が。ナント、この廃コンクリブロック隧道の真上に素掘りの隧道が眠っている? という!?話である………なに〜!? |
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早速我々は植生の勢いを未だ保つ藪の中に突入します。 ※レンズの汚れ(謝) うっすらと踏み分けができてますが、これは我々が登り降り した後の状態です。最初はそんなものありませんでした。 ここはきつかった(泣) |
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………どないもならん状態に……… どうも最近斜面上の竹藪を整備したらしく、切った竹を揃え てこの旧旧道の道筋に集積した模様です。 やや掘割になる旧旧道の道筋には目一杯の竹が並べ沈め られ、夏場の植生に覆われています。 先人様のサイトによるとこちら側の方がより大きく開口して いた模様ですが…うむむ…これはどないもならん。 撤退〜 |
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改めて西側坑口方面より。 遠目で見るともう何が何だか分かりません。 同サイト様によると、こちら側も僅かながら開口していると いう。 しかし、季節が悪すぎるな… 後も控えているだけにここに大幅な時間を割くわけには 参りません… 後ろ髪を引かれつつ…ここは撤退〜 いずれリベンジするぞ! …てなわけで次の現場へGO! |
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菊川市中内田というところにも、一本の廃隧道があるとい います。 ここは大概の地図に記載のある物件ですが、果たして… |
七曲池傍の駐車場に車を停め、再び西側からのアプローチ に挑みます。 左の道がそれです。 |
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駐車場までは整備されていたアスファルト道ですが、そこか ら先は…怪しくなります。 |
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数m先で背丈並の植生が待ち構えています… ぞぞぞ…またこれか〜orz |
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十数mではありましたが猛烈な藪を掻き分け、ようやく植生 が落ち着きます…ふ〜やれやれ。 道らしい感じになってきましたねえ。 |
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!きました!隧道発見! コンクリートの簡素な隧道ではありますが、いい廃感を醸し出しています。 |
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振り返り。 …うーむ、えらいことになってますなあ。 こんなところをやってきたんですな… |
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改めて、西側の坑門です。 うーむ、現役でもなんの疑いも持たない程の安定感です。 |
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ニシノヤ 西之谷隧道 全国道路トンネルリストより 1966年(昭和41年)竣工 延長63m 高さ2.9m 幅員3.6m となっております。 2014年の今年、48歳となります。働き盛りでのお役御免は 厳しいですね… |
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洞内です。 うーむ。何の不安も感じない立派なコンクリ隧道です。 勿体ないっすねえ。 |
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お約束の振り返り。 隧道は元気そうなのに、取り付きの道がねえ… |
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延長63m、あっという間に東側坑口に到着。 …うん?ここも車の音がすぐそこに… |
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…ありゃりゃ。 こっち側からだとすんなりアプローチできましたな… まあ、駐車場はあっちにあったし、ね。 |
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西之谷隧道東側坑口です。 うむ。問題は感じませんな。 こちら側に竣工年の銘板がありました。 3月竣功という新たな情報を得ることができました。 |
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現道から。こうして見ると、ガチの廃隧道ですなあ。99%植生の影響って感じですが。 ところで、道端にこのような案内ポールが。 「内田名所人物100選 西之谷隊道(トンネル)70」と書いてあります。隧道なんですが、隊ですねえ。墜道って表記のある場合も ありますが、隊道は初めてです。 因みに、この100選、菊川市立内田小学校のホームページにリストが出ておりました。よく100件もあったものです。 このリストで気になったのが、29法然山隧道ですな。素掘りの後、煉瓦隧道!になったらしいですが、現在は開削されているそうです。 残念!貴重な煉瓦当時の写真が載ってます。あと、83裏山の切り通しもいいですねえ。 こういった地元の歴史を子供たちに伝えていく取り組みは非常にいいことだと思います。 48歳の壮年隧道、七曲池への遊歩道として再整備されることを願います。 菊川市の隧道2件鑑賞させていただきました。さあ次は掛川市です! 以降、 その2 に続く! |