遠州遠征オフ 2014


静岡県


その10

  


                       2014年9月訪問


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 どんどん参ります。
 次の物件は結構有名だと思います。
 掛川市高田から袋井市宇刈にかけて連なる
4つの隧道。
 しかもこれらが素掘り物件っていうんだから、
本当に贅沢です。
 掛川市側、東側からのアプローチです。
 背後にはサカタのタネ掛川総合研究センター
の広大な敷地が広がります。
 そんな場所から突如狭い、暗い隧道が見える
んですから困ったもんです(笑)

 明るい日差しの下、よおおっく目を凝らして植生の中をのぞき込むと…
 !!あった!ほっそい道のその先に確かに口をお開けになっておられます。
 こちらの世界とはあまりにもなギャップです。まさに魔界の入り口って風合いですな。

 おおおお…雰囲気は抜群に良い。
 緑に囲まれたその穴のなんと魅力的なことか…

 相変わらずの土被りの少なさ…
 そこにセントル巻きされた穴が1本。高さ制限2.3mとなっております。
 で、この隧道ですが、資料に記載があります。

 隧道データベースでは
 第四無名隧道 1944年(昭和19年)竣功 延長46m 幅員2.4m 高さ2.8m

 全国道路トンネルリストでは
 大日西山隧道 竣功年度不明 延長47m 幅員3.0m 高さ2.4m

 結構誤差がありますな。竣功年度は特に誤差があります。全国道路トンネルリストで竣功年度不明になっていますが、
残りの3本の竣功年度は明治35年となっています。隧道データベースは全て昭和19年となっています。
 竣功が明治35年で、改修が昭和19年。という感じでしょうか。車道規格になったのが昭和19年かもしれませんね。 
 先の村松西隧道のような感じです。
 しかし幅は明らかにこちらの方が広いです。
 一応お約束の振り返り。
 ちょうど真ん中付近で市境となり、掛川市から
袋井市に移行します。
 最後、ちょっと左に曲がってますね。
 西側、袋井市側坑口です。
 うーむ、完全な山道ですな。

 西側坑口です。
 おおおお…凄いことになっています。元々の素掘り隧道の坑口が想像できますな。
 そこにセントル巻きとコンクリブロックを積み上げています。
 ここはさすがにだいぶ崩れる危険があったんでしょうかねえ。

 ちょっと遠目から。
 なんか石積み坑門の隧道に見えますね。いい雰囲気です。
 次の隧道は…
 もうすぐそこのようです。

 はい、出てきました2本目!こっちは素掘りのままのようです。
 …と、ちょっと待ってください。この位置から右を向くと…
 何やらネットがしてあります。
 よく見ると…
 おおおお!?
 あ、穴が開いとる…???

 おおおお…なんと、思いっきりの坑道開口です。
 なんじゃこりゃ!?ネットで検索すると、諸説あるそうですが、確定的なものはないようです。
 で、奥はすぐに閉塞のようで、時間的な都合で入りませんでした。分岐あるなら即飛びつきますが…
 しかし、いいっすねえ、車道の脇に即開口とは…

 横穴は置いといて、2番目の隧道へ。
 おお!いいっすね!車道規格の無補修素掘り隧道です。


 隧道データベースでは
 第三無名隧道 1944年(昭和19年)竣功 延長13m 幅員2.4m 高さ2.8m

 全国道路トンネルリストでは
 大日第三隧道 1902年(明治35年)竣功 延長13m 幅員3.0m 高さ2.6m


 隧道データベースでは延長以外のスペック、竣功年度共に全く同じです。トンネルリストでは各自高さが異なります。
竣功年度は第一から第三までが同じで、先の第四ではない大日西山隧道のみ不明になってます。
 で、ここにきて第三の隧道であることは一致を見ました。道の起点は袋井市側のようです。延長も一緒ですな。
 相変わらずの土被りの少なさ。
 いいですいいです、なんの文句もありませ
ぬ。隧道万歳!
 僅か13mの極短隧道。
 入った途端、反対側の坑口写真と相成りま
す。
 振り返り。
 えらいとんがった坑口になってますな。

 反対側(袋井市側)坑口です。
 この薄い土被りながらこの安心感はどうでしょう。全く崩落の気配、恐怖を感じません。
 

 道は2本目(第三隧道)を過ぎて右から回り込んで、正面の3本目(第二隧道)に突入するのを視認できます。

 と、3本目の前にちゃんと道を辿らないとね…て…
 またでた!!!
 またしてもの開口!
 どうなってんだこりゃ!?

 うーむ。しっかりした穴です。
 ネットもはだけてるし、ちょっと入ってみますか。

 おお、やはりすぐ閉塞です。
 手前に瓦礫が散乱していますが、奥は床面が露出しています。

 うむ。完全閉塞です。
 奥にはぽつりと酒瓶群が残されています。

 最深部より振り返り。
 ここはこうもりさんのねぐらになってますな。
 

 謎の坑道2本目より。
 うーむ、この廃景、何とも言えず格別ですなあ。

 2本目の坑道に続きすぐに3本目も現れます。
 凄い状態です。

 続けざまに4本目を示唆するネットが。
 本当に何なんでしょうねえ。2本目以外は見ていませんが、閉塞してるんですよね?
 ちょっと後ろ髪引かれます。

 そうこうしている内に、先程見た3本目の隧道までやってきました。

 こちらも変わらず土被り薄い&延長短いなあ。

 隧道データベースでは
 第二無名隧道 1944年(昭和19年)竣功 延長16m 幅員2.4m 高さ2.8m

 全国道路トンネルリストでは
 大日第二隧道 1902年(明治35年)竣功 延長15m 幅員3.0m 高さ2.2m

 
やはり明治期掘削、昭和に拡幅って感じでしょうか。
 やはり入ってすぐ反対側坑口です。
 で、こちらが反対側です。
 ははは…

 極短ながら内部の状態撮影に成功しました。
 いやあ、やはり地層ラインが秀逸!

 こちらが第二隧道の袋井市側です。
 うーむ。写真だけだとどっちがどっち、どれがどれかさっぱりわかりませんな。

 第二隧道〜第一隧道間の車道です。
 待避所的なものがこれまで一切ありません。まあ、この徒歩レポ中も一台も現れませんでしたけどね。

 緩く右に折れた道の先、遂に第一隧道が現れました。
 土被りもやや多めです。

 おおお…なんかこれまでの3隧道とは雰囲気が違います。
 なんかオーラを感じます。
 その正体は、左右の翼壁にも似た天然の法面や坑口のしっかりとしたアーチ形状からくるものでしょうか。


 隧道データベースでは
 第一無名隧道 1944年(昭和19年)竣功 延長26m 幅員2.4m 高さ2.8m

 全国道路トンネルリストでは
 大日第一隧道 1902年(明治35年)竣功 延長28m 幅員3.0m 高さ2.7m


 第四隧道(大日西山隧道)よりも延長は短いですが、やはりなんか存在感が違います。

 坑口手前で振り返り。
 やはりこの両ウィング(翼壁)がいいっすな!
 少し入り込んで掛川市方面の坑口。

 オーラが違うと言っておきながら洞内はうまく撮影できておりません。
 しかしながら、最もアーチっぽく成形されている感じがします。
 袋井市側坑口です。
 道は隧道を飛び出してすぐに右に折れます。
 何という見通しの悪い取り付きでしょうか。
 鉢合わせした時の絶望感を想像できますな。

 西側から来ると、最初の隧道坑口にしてこれが第一隧道となります。
 高さ制限標識にも「この先トンネル4ヶ所有り」と表記してあります。
 やはりこちらが起点側なんでしょうねえ。
 こちらの隧道はまだ土被りが多い方ですな。
 良い雰囲気です。
 ここからはこの幅員を維持しながら徐々に
勾配を下げていき、大日の集落方面に抜けて
行きます。
 現在では北側に県道81号線、南側に県道
271号線、他にも1本道が通っており、はっきり
言って使用する意味合いが非常に薄い道で
はあります。
 だからこそ、この幅員の道が存続しえるの
でしょうけど。
 最後に、この4連隧道の中で気になる部分
をチェックです。
 あ、当然4つの横穴も気になりましたが、さす
がに時間がありません。
 ここはどこでしょうか???

 はい、実は第四隧道(大日西山隧道)はセントル巻きなんですが、その上部に開口部があるんですよね…
 おおおおお…
 確かに開口しています。
 内部のセントル巻が露出しています。

 結構な開口部です!?この隧道本来の大きさがこれなんですな!
 だいぶコンパクトに窄めたもんです。

 ズームで。奥では大規模な崩落が起きている模様です。で、この空間は閉塞しているようです。
 あそこまで屈みながら行けなくもないですが、行く意味もあまりないし、やめときます。

 振り返り。こんな状態で開口しております。
 崩土が被さるセントル巻きの隧道。こうしてみると、この施工の意味合いがよくわかります。
 しかしなぜこの隧道だけこんなに崩土が多いんでしょうねえ?

 最後に。セントル巻の先っぽで、悪い笑みを浮かべるパパンさん。
 をいをいそこからダイヴするおつもりですか?(笑)
←当然してませんよ〜

 2015年ようやくレポが完成しました。このシリーズいい加減終わらさんかい!はいすみません(謝)

 以降、 
その11 に続く!

 って、あ!動画撮ってたのわすれてた。車で4隧道を通り抜けるだけの面白くもなんともない動画ですが、折角なんで
見てやって下さい。一点、カメラの視点が普通車なら有り得ない場所にあります。さて、どこから撮ったんでしょ〜か?
 
袋井掛川4連隧道の動画