第一部 加太地区編
男良谷砲台その4
男良谷砲台再訪です。 前回その3のレポは2012年11月、今回その4 は2013年7月のものです。 今回の再訪の目的は、友ヶ島紐付きオフ2日 目で、ここを訪れたことのないメンバーを招待 すること、私が見落とした部分を確認。 この2点です。 見落としは2件ですので、レポはミニになって しまいましたがご容赦下さい。 |
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以前と変わらず埋没の洞内ですが。。。 | |
最深部を撮影した際に右に写り込んだアーチ の姿。。。 1回目訪問では全く気が付かず、帰ってから びっくり仰天です。 この穴が何なのか。。。これを確認します。 |
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ここからが2013年7月の映像です。 去年となんら変化はありませんな。 |
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3層巻きの欠円煉瓦アーチです。 下部1層目が11個、2層目が12個、3層目が 14個煉瓦を配置しています。 端部がピタッと一致させる黄金比ですな。 |
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肝心の内部ですが。。。 無念!こちらも完全閉塞です。 しかしながら発射座に向かう隧道に横穴が あったという新発見を得られました。 |
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見落とし物件その2 http://www.nwn.jp/kakokizi/20071212/itimen/itimen.html 例のここで出ている地図で、水雷格納所と機関室は完全破壊されており、基礎しかほぼ残ってません。 が。。。その機関室の奥。。。行き止まりの所にこんなものが。。。 |
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なんじゃこりゃ!??? 奇想天外な煉瓦構造物の登場です。 |
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。。。うーむ。。。どうやらこちら側は破壊されているようですな。残った部分が途中から露出している感じです。 曲線を持たせた壁面は全て小口積みと掟破り。中央は欠円アーチになっていた模様です。 しかし何と言ってもここ。。。ここですよ! |
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そうそう、これこれ! なんじゃこりゃ?っすよ。側壁の小口積みは一応整然としているものの、天井部に差し掛かるアーチ部分は 長手やら小口やらそれぞれ半分にしたものやらごっちゃまぜです。 そして何より。。。曲面が集中する角の部分。。。丸くしたかったが故の惨状なのか。。。アートなのか。。。 |
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なんじゃいこりゃ!? もはや言葉では表現できない積み方に。。。 隙間をなくすために先を尖らせた煉瓦まで 配置して無理やり曲面を補っています。 よくこんなんで構造物が成り立ってるな。。。 |
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そしてこの曲線美。 敢えて流線形にする必要があったのか謎 ですが、なかなか見事な波うちぶりです。 |
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どうやら。。。この内側の煉瓦は、外側のしっかり施工された煉瓦積みに貼り付けているだけのようです。 外側とは接合がなく、剥離していますね。装飾の意味合いだったんでしょうかねえ。 |
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中央の欠円アーチ。 これも1層分だけ内側に煉瓦を貼り付けてい るようです。 外側のアーチはしっかりとした煉瓦積みのよ うです。 奥は。。。また煉瓦で丸くなってます。 |
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後ろ側に回ってみましょう。 真ん中の連結部分が先ほどの欠円アーチの 所です。 左手の一段高いのが奥に見えた煉瓦積み 構造物です。 |
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上に丸い穴が開いています。 これは煙突とみて間違いないですかね。 外側の煉瓦積みにやはり1層煉瓦を貼り付け ていますな。基本寸法の「オナマ」を縦半分に した「半桝」を使用しているようです。 右下付近は「オナマ」を丸ごと使っているよう に見えますが。。。 |
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下に穴が。 前方向きが先ほど覗いた欠円アーチですな。 左側にも穴が開いているように見受けられ ます。 |
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イギリス積みの煙突。。。 左側に回り込むとやはり穴が開いてました。 こちらも欠円アーチですな。 しかし煙突ならこんな所に穴が開いているの もおかしな感じです。。。 |
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。。。さて。。。結局これは何なんでしょうねえ。 左側の欠損が著しいため、どういった構造だったのか読めません。 炊事場、発電所。。。とか?謎は深まるばかりですが。。。 おろろん氏より有力な情報を得ることが出来ました。 内側に1層貼り付いている煉瓦、あれは耐火煉瓦ではないか、と。やはりこれは発電設備で、左の設備で何かしら燃焼 させて発電していたのではないでしょうか。 現役当時は高温の燃焼ガスが流れていて、その高温から構造体の煉瓦を守るために張付けたそうです。建物の重量を支 えない代わりに熱を逃さない為に隙間が出来ないよう細かく貼ってあったわけです。 隅部が滑らかな曲線なのも発電用水を沸騰させて温度の下がったガスを乱流(渦)を起こさずに速やかに煙突へ流すための 仕掛けだったのではないか、ということです。 発電所設備は淡路島由良や友ヶ島でも見ましたが、こんな小規模なのは初めてです。是非全景を見たかったものです。 これで男良谷砲台の見落とし部分は制覇しました。 次回は。。。加太の砲台跡か堡塁跡を調査致します。 |