由良要塞煉瓦構造物群


和歌山県/兵庫県


第一部 加太地区編
深山第一砲台後半戦

  

 左下から上がって来ました。
 ここが棲息掩蔽部です。弾薬室ですな。
 右側の通路奥が砲台跡の入口です。
 
 で、ここから振り返ると。。。

 いきなり登場!?
 隧道。。。ですよね。。。?2連でアーチが見えます。
 右手には広い空間が。
 煉瓦の壁で丸く囲われています。
 
 案内板がありますねえ。

 この広い空間こそ、砲台そのものを設置していた場所のようです。
 
「28cmの榴弾砲。曲斜弾道で、艦船の甲板を射撃する大砲。着弾すると榴弾がはじけて飛び、
広い範囲にダメージを与える。砲弾の落下速度の増加も考慮し、高い山頂や丘陵に設営された。」
そうです。
 
また、「平斜砲と違い、放物線を描いて砲弾が飛んでいくため、前面には胸しょうと呼ばれる低い
防護壁がある。」
 
ふむふむなるほど。ここでは煉瓦の壁から階段を登って上までが「胸しょう」だったのでしょう。

 おお、なんと分かり易い。
 前半戦では右側の弾薬室を見ておったようですな。
 砲台は6門あったようです。3か所の砲台設置場所を繋ぐのにトンネル化したようですな。

 深山第一砲台に残された隧道!
 坑門は煉瓦でイギリス積み。笠石も備えます。アーチは変わらずコンクリートで覆われていますが、厚さが半端ないな。。。
 一体何層巻きなんだ。。。?
 で、この隧道右側に掘り込みが。
 隧道右下には掘り込みがあり、ここも弾薬室
が設置されています。
 上部のアーチから下段アーチ坑門への煉瓦の
流れが非常に流麗ですな。
 隧道下には棲息掩蔽部が2室ありました。
 結果的に2連の欠円アーチとなっております。
 アーチ環が相変わらずコンクリートですが。。。
 右側坑門と左側擁壁はともにびっしりとイギリス
積み煉瓦を配しています。
 アーチ部よりも1m程度下がった部分から部屋
との仕切りになっております。
 構成は前半に見た部屋と同じく、入口1つに窓
2つとなっております。
 煉瓦で囲まれていますが殺風景な部屋です。
 格納の機能のみ果たせばよい、ってな感じ
でしょうねえ。
 奥の壁上に四角く蓋?をされたような跡があり
ます。
 振り返り。
 当時は真っ白だったんでしょうかねえ。
 煉瓦積みはどこも非常に丁寧です。
 部屋の構造は隣も全く同じです。
 ので、外に出てしまいましょう。

 外に出て振り返り。1本目の隧道反対側です。
 何度見ても分厚いアーチ環。。。
 アーチ部と側壁部分の煉瓦は明らかにサイズが
異なります。
 2倍じゃきかないぐらいサイズが異なりますねー
 2本の隧道の間にも砲台跡があります。
 ちゃんと2門分の回転台跡が残されています
ねえ。

 案内板に掲載されていた砲台です。この場所のものではないようですが、おおよそこのような感じで設置あれていた
んでしょうねえ。
 回転台の様子も分かります。
 ここの砲台跡は流線型にこだわっていますね
え。
 そこかしこで滑らかな曲線煉瓦を見ることがで
きます。
 この煉瓦積みの胸しょうには何かが刺さってい
たような穴が開いています。
 ひょっとして地下の弾薬室からの弾丸供給口
だったとか?推測ですが。

 階段を登って胸しょうの上から砲台跡を望みます。
 真ん中にも四角い切り込みがありますねえ。

 さて、こちらが2本目の隧道です。
 。。。1本目と全く同じですな。。。
 煉瓦巻きがコンクリートで覆われている様子。
 薄いコンクリプレートがものの見事に嵌め込ま
れています。
 元からの仕様なの!?と思わせるぐらい自然
です。
 2本目の下にも弾薬室はありますが、1本目下
と全く同じなので割愛です。
 外に出て2本目隧道振り返り。

 恐らくは真っ白にペイントされていたであろう隧道アーチ。
 大き目煉瓦でもこの量です。
 2本目から。
 通路はすぐそこまでのようです。
 そして3か所目の砲台跡。
 左半分は埋まってしまっているようです。
 
 これで案内板に書かれていた場所は全て
チェックしました。

 胸しょうを登ると広場になっており、瀬戸の海が一望できる場所に出ます。
 ここで敵軍艦の監視をしていたんでしょうか。
 良く晴れたこの日は奥の淡路島までよく見えます。手前の島が「地ノ島」、奥のが「沖ノ島」です。
 見えませんが、あと、「虎島」「神島」の4つを併せて「友ヶ島」というようです。
 一般的に戦争遺構が残る「友ヶ島」というのは、沖ノ島と虎島の2つです。手前の地ノ島も大きいんですが、遺構の
情報は得られていません。友ヶ島も当然探索対象です。そのうち攻略するぞ!

 展望所にあった看板です。
 直接遺構に関係ありませんが、「へぇ〜」だったんで、載せときます。「瀬戸」の由来が分かります。
 さあ、これで「加太地区」?深山第一砲台はクリ
アしました。因みにAの深山第二砲台は現在の
休暇村にありました。見どころは少ないため今回
は割愛します。

 次回はBの男良谷砲台に行きます!
 ここは。。。ネット未確認物件も出てきますんで
是非お楽しみに!
 次回!男良谷砲台に向かいますが、その前に
気になる場所を見つけてしまいます。
 今までの観光気分なぞ一気に吹っ飛ぶ危険
ゾーンです。
 この模様は次回冒頭でお知らせします。