石部磯浜トンネル、横坑群


旧信越本線 群馬県横川駅〜長野県軽井沢駅間


その2

  


                  2017年8月訪問

 幸先よく一基発見できてほくほくです。
 しかしその3尺はかの明細録には存在せず、
後年物と思われます。明細録には名無し4尺の
表記があります。

 結局名前は分かるはずもなく、取り敢えず、

 
(仮)横川南橋梁 3尺
 ↓
 
(C2)
 
碓氷第二カルバート

 にしときます。

 さて、さらに歩を進めましょう。
 途中で巨大な構造物を潜ります。
 あれは上信越自動車道の橋梁ですな。
 信越本線開通当初は、まさかこんな巨大な構造
物に頭を越されるとは思ってなかったでしょうねえ。
 技術の進歩は凄まじいです。
 巨大橋梁を過ぎた辺り…
 次のポイント「C3」はこの辺です。

 …ええ?どこ?
 よく見たら線路左側に鉄板が敷いてあります。
 …あそこか…
 右側から確認しに行きます。

 すると…
 居た!!!

 居ましたよ二基目!!!
 こいつはネット未確認です。
 場所はここです。
 …いやあ、はっきり言ってここはないなあ、と思っ
ていただけにやはり油断大敵です。
 うーむ…
 ここも廃線でなければなかなか到達できない位
置関係ですな…
 
 巻厚3層の煉瓦半円アーチ。で、4尺です。
 ということは、明細録に記載のある名無し4尺は
どうやらこれのことと思われます。
 しかし明細録にあっても結局名無しなので…

 
(仮)横川北橋梁 4尺
 ↓
 
(C3)
 
碓氷第三カルバート

 にしときます。
 経年劣化が目立ちますが、それでも開業当時製
を感じさせる丁寧な積み方です。
 先程の3尺と比べていただければ違いが分かる
と思います。
 内部です。
 おお!外側と比べて煉瓦色が結構残っていま
す。やっぱり煉瓦アーチはいい!
 レールアーチのこれまた丁寧な補強がされてい
ます。
 これからもずっとこの姿を維持していただきたい
ですな!
 振り返り。
 良い眺めですなあ。
 こちら側は最後までレールアーチ補強でした。
 西側の坑口は…
 おおお…なかなかの苔生し具合です。
 ずっと湿りっぱなしなんでしょうねえ。
 なかなかの保存状態ですな(笑)
 
 いやあ、みつかって良かったっす。
 
 …さて、お次は…
 
 少し進めばこの有名物件の登場です。

 「国指定重要文化財 碓氷峠鉄道施設
 変電所(旧丸山変電所)二棟
 平成六年十二月二十七日指定

 丸山変電所は明治四十五年に建設され西側の
建物が機械室で回転変流器と変圧器があった。
 東側の建物は蓄電池室で、列車が登り勾配に
かかるときに必要な電力を補うための蓄電池312
個が整然と並んでいた。
 建物の性格としては、工場建築に近いことから、
同じ煉瓦造り建物と言ってもたとえば東京駅のよう
な華やかさはない。しかし、建物正面出入口や測
面には控えめながら装飾が施され、落ち着いた
格調の高いものとなっている、煉瓦造り建築の
最盛期の建設であることが実感され、今に伝える
残り少ない遺産である。

 文化庁
 安中市教育委員会」
 基本的にイギリス積みで構成される煉瓦建築
物。華やかさはないと言いますが、私的にはそんな
ことはないと思います。
 素晴らしい!
 木製の扉と上部の明り取りのアーチ窓がお洒落
です。
 大きな迫受石に欠円アーチ。アーチは小口と長手
を交互に縦に積む装飾的なものになっています。
 アーチ橋では淡路島由良の軍橋で見られますが
数が少ないです。ただ、建築物では結構見られま
す。
 こちらが正面でしょうか?
 こちらが東側?ということは蓄電池室でしょうか。
 見事なシンメトリー(左右対称)っぷりです。
 あんなところにも煉瓦アーチの装飾があります。
 要石から続く頭頂部の避雷針?までが一体化
している感じがします。
 こちらが裏側みたいな感じですね。
 ということはさっきのが側面?
 階段で一段上がり、これが西側?の機械室なん
でしょうか。
 むむむ…明らかに隣の建物とは造りが異なりま
す。
 窓は3層の欠円アーチですが、扉の所は…
 おおお…
 何と表現したらいいのか分からない装飾です。
 上部だけアーチで、下部はツライチです。
 基本長手の竪積みですな。
 うーむ、お洒落ですなあ!
 異国情緒満点です。
 おお、これは変電所でよく見る配線の穴が開い
ています。
 
 上部には2層の円弧アーチに要石が十字に付い
ています。かっこいいっすね!

 やはりこちらが正面玄関でした。格好いいですね!
 自転車は外国人男性と日本人女性のものです。いい感じだったのでそのまま撮影しました。
 これは東側建物の西側出入口です。
 屋根型の切込みが特徴的です。
 両側に穴が複数開いてるので、庇があったのか
もしれませんね。
 東側と西側の間には煉瓦製の階段があり、階段
の下をよく見ると…
 こんなところに…
 2層巻の煉瓦アーチがありました!
 内部を覗くと…
 変形ながらしっかりと欠円アーチをしておりまし
た。
 しかし、意外と内部綺麗やな…
 思いのほかのプチ発見ができてよかったです。
 現役当時の丸山発電所です。
 蠅たたき電柱が象徴的です。
 久しぶりの総煉瓦建築物にすっかり時間を費や
してしまいましたが、ようやく先に進みます。

 程なく、私的「C4」ポイントが出てきます。

 これまで、
 「C1」矢の沢川橋梁?橋台跡のみ
 「C2」碓氷第二カルバート 3尺
 「C3」碓氷第三カルバート 4尺
 ※全てくるまみち調べのデータ根拠なし現場のみ
の結果ですwww

 と見てきました。
 かの明細録には出てこない「C4」「C5」は果たし
て現存するのか…?

 
 「C4」想定地はハズレ。
 現トロッコ線下、アプトの道下、両線真ん中にも
それらしきものは確認できず。
 すぐ隣にある「C5」想定地も残念ながらハズレ
でした。
 「C4」「C5」想定地はここです。
 残念〜
 上の地図でさらに進んだ場所にある川表記、
そう、霧積川に架かる、碓氷第一橋梁がある場所
です。
 明細録では、
 
(B1)
 碓氷第一橋梁(霧積川橋梁)
 3連36尺 煉化石アーチ
 明治25年10月


 という堂々たる3連煉瓦アーチ橋梁だったようで
すが…
 ご多分に漏れず、やはり遺るのは両側の煉瓦
構造物のみ…
 これが3連煉瓦アーチの端なのか、次世代橋梁
の煉瓦橋台なのかは分かりません。見た感じでは
後者ではなかろうかと…
 3連煉瓦アーチの存在は全く確認できませんで
した。

 さあ、次回からは遂にかの有名な隧道橋梁群の
オンパレードです。
 いやがうえにもテンションがあがります!

 以降、
その3 に続く!