石部磯浜トンネル、横坑群


旧信越本線 群馬県横川駅〜長野県軽井沢駅間


  


                  2017年8月訪問

 煉瓦に興味を持つようになった頃からの宿願で
あった碓氷峠。
 いつか行きたいいつか行きたい…と、ずっと脳内
にこだましておりました。

 その時が!ついに!遂にやって参りました!!
 文句なしに現存する日本最大の煉瓦橋梁であ
る碓氷第三橋梁を始め、多数の煉瓦隧道、橋梁、
暗渠が遺されています。
 ここを行かずして煉瓦アーチは語れない!
 
 お盆休みに富山に帰省する前、嫁さんと娘とは
後ほど金沢駅で合流する事にして、一足先に仕事
明けの金曜日夜、500km先にある群馬県安中市
に向かいました。
 翌朝、横川SAで目覚め、まだ薄暗い間から行動
開始。松井田妙義ICで降りて横川駅方面に引き
返します。
 横川駅の駐車場に停める前、ちょっと寄り道で
す。
 ここは横川駅すぐ東側にあるコンクリアーチ橋梁。
 ストリートビューで答えは分かっていましたが、
一応チェックです。
 …やっぱりね…

 中木里架道橋というそうです。
 昭和38年3月30日竣功のようです。

 で、いつも参考にさせてもらっている、鉄道線路
各種建造物明細録。この第2編に信越本線の高崎
停車場から直江津停車場までが掲載されていま
す。この明細録にはこの橋梁は存在しません。後
年ものと思われます。
 北側から。
 横川駅すぐ東に5尺(約1.52m)があるという明細
録の表記ですが、この橋梁が拡幅された結果なの
か、もう少し東側にあるのか不明です。
 因みに南側から東に少し歩いて行った先に水路
りますが、ぱっと見、土管でした。北側を見ていな
いので何とも言えませんが…
 これは横川駅構内真下の水路です。北側から
の撮影です。
 これは明細録にない物件のようです。

 額に文字が。「中道B」と見えます。
 中道橋梁ということで良いのでしょうか。
 内部詳細は煉瓦みち内架道橋/橋梁集に載せて
おります。→コチラ
 寄り道しまくって、漸く横川駅の駐車場に停車。
 ここから長いながーい行軍の開始です。
 車道の矢の沢橋に線路が通してあります。
 路面電車みたいですねえ。
 側面から見ると、おお!煉瓦アーチ…なわけない
か。
 コンクリの煉瓦パネル張りのようです。


 この橋梁の北側に…
 ここが本来信越本線の橋梁が架かっていた場所
だと思われます。
 上部はパネル張りですが、下部は往時の煉瓦
そのままな感じがします。
 しっかりイギリス積みの煉瓦橋台が遺されていま
した。
 これが信越本線横川〜軽井沢間現役時代の
矢の沢川橋梁だったのではないでしょうか。

 しかし!例の明細録では驚きのデータが遺され
ています。
 矢ノ澤という名の石蓋の暗渠が3尺6寸(約1.09
m)延長134mで、横川停車場の西側にあるという
ことになっています。それ以外に橋梁の表記はあ
りません。ということは開業当初、この矢の沢川は
1mちょっとの石蓋暗渠だったということになりま
す。俄かには信じられません。
 現在遺されている煉瓦橋台は、後年改修時のも
のということでしょうか。
 先に進みましょう。
 アプトの道はこの交差点の向こう側からです。
 
 向こう側には「碓氷峠鉄道文化村」があります。
 すごい充実してますね!
 私はあまり車両には興味がないですが、こういう
施設はいいですね!私は資料館に行ってみたい
です。
 施設内にはこんな多径間擬似煉瓦アーチ橋梁
もあります。いいですね!欲を言えば本物の煉瓦
で造ってほしかったです。
 早朝でまだ開門していないし、そもそもそちらが
目的ではないので、迷わずウォーキングトレイル、
「アプトの道(起点)」に!
 施設内の車両展示の数がすごいですねえ。
 さて、ここからが本格的にアプトの道です。
 
 私の最大の目標は未だ未発見(ネット未確認)の
煉瓦アーチ物件を発見する事です。

 未発見物件を発見するにあたり、活用する資料
は、各種電子地図、先程の明細録、そして、産業
技術遺産探訪さんの碓氷峠鉄道施設の、橋梁項
目です。
 この橋梁項目では「B」が橋梁、「T]がトンネル、
そして「C」がカルバート(拱渠)で掲載されていま
す。私はこの、特にカルバートの出典がわかりませ
んが、これは参考にさせていただいてます。

 で、まず「C1」ですが、これは先程見た矢の沢川
橋梁の場所らしいです。
 で、この先「B1」の碓井第一橋梁までに「C2」か
ら「C5」まであったようです。
 この中で、「C3?」として煉瓦アーチの写真が掲
載されています。果たしてどうなっているのか…
 複線部分の一方を、線路を残したまま歩道にした
ようです。
 で、早速水路が見えてきました。ポイントは右側
の緑の柵ですね。
 実はアプトの道に入る前に、先に左側線路法面
下部にある道から水路を見つけておりました。
 それがこれです。
 一番上がアプトの道。ちらと見えるガードレール
も道になっています。
 そのガードレールの道から見ると、こうなってい
ます。
 傾斜のきついBKになっています。
 とてもここからはアプローチできそうもありませ
ん。
 反対側も今は歩道ですが、現役だったらまず接近
は無理ですね。

 今は悠々とアプトの道から拝見することが可能
です。覗いてみると…
 キタコレ!!!
 いきなりビンゴです!
 産業技術遺産探訪さんの写真と一致します。
 氏はここを「C3?」とされていましたが、私はこれ
が「C2」ではないかと思っております。
 場所はここです。
 地理院地図ではほんのちょっと水路表記が出て
います。
 巻厚3層の煉瓦半円アーチです。
 径間は恐らく3尺(約0.91m)。
 中を覗くと…
 むおおおおおお!?

 なんじゃあこりゃあ!???

 アーチがたくさんあります。
 急激に下って行く石畳に水しぶきが跳ね上がり
ます。
 下がる洞内に合わせてアーチも階段状に下がっ
ていっているようです。
 基本的にアーチ部は薄いモルタルで覆われてい
るようです。
 側壁は切石乱積みですね。

 ほんまにウォータースライダーのようです。
 登って来るのはキビシイですねえ。
 面白いものを見させてもらいました。

 以降、
その2 に続く!