鵜飼第一トンネル


JR片町線(学研都市線) 長尾−松井山手間(大阪府枚方市−京都府京田辺市)


  


              2010年3月訪問

 鵜飼第一トンネル。。。
 ここはアプローチに難儀する廃鉄道トンネルの一つです。
 鵜飼第一トンネルは現在は嵯峨野観光鉄道が運営する、かつての
山陰本線の旧線という扱いで廃化しております。
 現行山陰本線は高規格の橋梁やトンネルを駆使して高速輸送に
対応できる線形に変更されています。
 ご覧の映像はまさに現行山陰本線の保津峡駅。なんとこの駅、橋梁
の上に存在します。
 
 
 この辺りの整備には山深きため陸路を使えず、大型のロープウェイ
をわざわざ設置して整備にあたったそうです。
 本当にお疲れ様です。
 旧山陰本線、つまり現在の嵯峨野観光鉄道はもっと山沿いに
吸い付くように存在します。その旧線のさらに旧線となる鵜飼第一
トンネルの現況は。。。
 というわけで、2010年3月に初訪問を試みます。
 その大規模工事の成果の一旦である第二保津トンネルです。
 これは保津峡駅から間近で観察できます。
 
 延長は635m
 
 施工は鹿島建設さん。着手昭和60年12月、竣工昭和63年12月。
 およそ3年をかけて造られた現代型複線トンネルです。
 おや?いつの間にかこんな所に。。。
 皆様のご想像通り?かと思いますが、この鵜飼第一隧道への
アプローチは。。。むにゃむにゃ。
 
 で、こんな山肌の斜面を歩くハメに。。。
 しかしながら僅かに先人の踏み分け道があるっちゃあります。
 ほれこの通り、テープ巻きも。。。
 その後も結構足場悪く、ご丁寧にトラロープ張ってるとこもあり
ます。
 なんやかや慎重に足を運ぶと。。。
 お?何か見えてきた。。。
 どうやら旧隧道の上に来てるみたいです。
 笠石煉瓦に根付いた木の生命力が凄まじいです。
 どおっすか、この有様。。。
 煉瓦数枚ひょいっですよ。

 って、はよ全景見せろって感じですね。。。

 ハイ全景!
 うむ総煉瓦!シンプルイズベスト!ってな感じですな。

 少し引いて撮影。
 うむ!ええ廃景である!!!
 巻厚4層の典型的な馬蹄型アーチ。要石は大きい。
 坑門は典型的なイギリス積み。
 笠石には多少拘ってデンティル(櫛歯)を取り入れています。
 そして振り返り(ポータル上から撮影してます)。
 左側の擁壁は現行トンネルのもので、旧線敷きを大分浸食して
おる模様です。 
 旧線敷き(厳密には旧旧線ですな)を進めばすぐにこのような
景色に。
 現在の嵯峨野観光鉄道の線路敷きに出ます。

 これはいい現景と廃景を併せて撮れた気がします。
 こうして見ると廃線ラインは明白ですな。
 見事なオール煉瓦の橋台です。
 よくぞ遺して頂けました。

 逆側から。
 右側の現行トンネルのなんと味気ないこと。コンクリートの無機質ぶりを改めて実感させられます。
 旧線の鵜飼第一トンネルまでの突っ込み。
 途中で現行路線の擁壁に半分潰されます。
 さてさて!
 外の検分は十分行いました。
 問題は内部。。。そう、内部、前情報では貫通していないとのこと。
 閉塞部分はどうなってるのか。
 でんしゃみちは奥までいってナンボです。
 うーむ。。。
 初っ端から水没の気配。。。プラスこうもり臭がすっごいします。。。
 こうもり臭とは大量のフン(グアノ)臭のことで、特に閉塞隧道では
頻繁に嗅ぐことができます(←嗅ぎたくないってw)
 振り返り。
 往時の雰囲気は路面以外で感じることが出来ます。
 少し前進。
 いきなりこんな感じです。。。これはまずい。。。
 当時はウェーダーは所持しておらず、長靴のみです。
 電車を使うので、無理やりリュックに長靴詰め込んでの応戦です
が。。。それ以上の雰囲気。。。
 暫く瓦礫の上を歩いてしのぎます。
 あの瓦礫なくなる先からやばそうやな。。。
 奥は漆黒の闇。。。先は見えません。。。
 その漆黒の闇に包まれる前に足許がやばいです。。。
 お馴染みの泥濘区間の始まりです。
 やはり長靴では。。。
 うぬ!!!!
 微妙に厳しい!3月の寒さもありますが何より。。。

 
グアノの海に塗れたくない!!!

 ってのが最大の折れポイント。。。
 撤退だ。。。
 ここが長靴最長到達地点です。。。
 おのれ口惜しや。。。
 閉塞見ずに何がでんしゃみちだ!!!!!!!!!

 と己に憤慨しつつ、数年。。。

 以降、 
後半戦 に続く!