栃折隧道
富山県

  

 
 果たしてこんなモノがこんなトコにこんな状態
で存在していいのだろうか。。。
 そんな衝撃は、三重の鳥越隧道以来。。。い
や、鳥越をも凌駕するその光景に、暫くの間は
立ち尽くすのみであった。。。
 ここは、富山県南砺市の国道471号線。北に
向かえばもう間もなく標高620mとされる栃折峠
で、峠の向こうは富山市です。両側とも市内で
はあるものの、現実的には1000mに迫ろうとす
る山々の間を走っており、微塵も市内の雰囲気
は感じられません。
 しかしながら。。。しかしながらです。。。仮にも
天下の国道なんですよ、この道は。。。整備も
きちんとされており、舗装も安定して、道幅も山
間部相応には維持されており、またそれなりに
交通量もあります。
 そんな。。。そんなトコに存在していいのかこ
いつは。。。もう見えていますが写真右側の怪し
げな穴。。。こいつぁなんだぁ???
 少し引いて我が愛車と比較。。。
 一見、間違いなく水路と思いますよ。。。
 おかしい。。。地図では普通に「栃折隧道」と
銘打たれて、峠をショートカットしているかのよう
な表記。。。ここに来る前は、間違いなくそう思っ
て車を走らせておったのです。新しめのショート
カットトンネルがあるんだろうなあ。。。と。
 遠征トンネル集に入れるためだけを考えてい
た私の脳内は、既に思考停止。。。です。。。
 大きな道路と大きなトンネルがあるかと思い
きや。。。ナンだアレは。。。
 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

 だからなんなんだ、ちみは。。。
 なんで、国道の真横でそんなに小さな口を開
けておるのだ。。。
 まったく理解不能の状況です。
 !!!!!!!!!?

 なんと、扁額があります。。。
 「栃折隧道」昭和34年12月竣工と。。。

 信じられませんが、これが今でも現役さなが
らに掲載されている、かの隧道だったのです。
 こんなパターンは初めてです。境遇は鳥越隧
道に似ていますが、これは明らかに人道隧道
です。
 こんな山奥に人道隧道??? 
 格好はミニチュアではあるものの、本格的な
車道トンネルと遜色ありません。
 うーーーむ、ますます謎だ。。。
 さて、内部を拝見。。。。。。。。。

 ぞわわわ。。。と寒気が走る状況が目の前に
。。。あっとゆう間の素掘り化&崩落の激しさに
おののきます。。。
 なんとゆう有様か。。。
 頭すれすれです。。。
 あまりに小さい坑口から、下界の景色を望み
ます。アテンザ君が見送ってくれています。
 やってみますか。。。
 。。。。。。うむむむ。。。

 こりゃあ坑道ですよ、はっきし言って。。。
 前見た和歌山の坑道跡のがしっかりしてた
ぞ。。。
 坑道(ですよ。。。)から振り返り。。。素掘り
だなあ。。。水溜りもどんどん増えていきます。
 水溜りが一面に。。。長靴でぎりぎりの場面
もあります。
 時折姿を見せる巻き立て。。。なんで全部し
ないのですか???
 洞窟(です!)天井にこうもりさんがお休み中
です。
 ひとしきりの水溜り地帯、巻き立て地帯を
過ぎてまた振り返り。。。振り返って脱出口を
何度も見ないと精神的に辛いのです。。。

 
 執拗に水溜りは増減を繰り返します。
 やや洞内がいびつな形をしております。。。

 なんでこんなに進む気になるかと申します
と。。。空気の流れがあるんです。。。こう、突入
口から奥へ、奥へと。。。
 光は見えずともきっと出口は開いてる!と
思い込んでの潜入です。

 はっきり申しまして危険度は「くるまみち」史上
最も高い部類です。自己責任はしっかり肝に
銘じなくてはなりません。。。それなりの装備
も。。。入るほうが頭おかしいです。皆様、まね
せんといてください。。。
 ちらっ。。。
 ああっ。。。とおい。。。

 ざぶざぶ。。。
 !!!!!!!!

 むおおおおっ。。。洞内(小さいけど)を半分
埋め尽くす土砂が。。。間違いなく崩落跡で
しょうが。。。

 とんでもないな。。。一体いつから廃隧道なん
だきみは。。。
 崩落で堰き止められているのか、水深結構
あります。
 こうすれすれで見ると海底洞窟のようです。
 おずおずと、向こう側を覗いて見ますが。。。
真っ暗。。。なんで???
 地図で見ても確かに結構な長さと感じては
おりましたが、まだ見通せないなんて。。。
 貫通の予測を外したか、他の何か要因があ
るのか。。。

 このころからこうもりさんの数が格段に増えて
きます。
 乗り越えた後も僅かに見える出口。。。
 頼むから現状維持しててくれよ。。。
 果てしなき暗闇の世界。。。なんでや。。。
なんで光が見えん。。。風は相変わらず奥へ
入っていくのに。。。
 こんな奥に巻き立てが。。。
 
 そして水深もまた深くなり。。。こうもりさんの
活動も活発に。。。洞内小さいんだからそんな
飛び回らんといてぇ〜
 水中には大量のこうもりの糞が。。。漂って
おります。。。臭いも結構。。。
 比較的長かった安定した巻き立てが終わり、
目の前に現れた光景は。。。
 さらに想像を絶する荒れっぷりであった。。。

 このまま進んで大丈夫か???(てゆーか
ここまで来る奴も頭おかしい)

 以降、後半戦へ!