山田川疏水編
その9
2013年4月訪問
今回から山田川疎水の流路を探索します。 舞台はここ、兵庫県神戸市北区山田町から三木市志染町に渡って存在する呑度ダムの衝原湖です。 この湖の南側に沿って、山田川疎水はありました。過去形ですがその通りで、現在この区間は廃止されております。 |
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で、この衝原湖に寄り添う県道85号線、待避所が これでもかってぐらいありません。 仕方なく衝原湖の駐車場に車を置き、西から取水口 のあった東側に向けて歩き通すことにしました。 で、最初の隧道想定地はここ、疎水が県道を潜る 箇所です。 しかし容易に降りられそうな箇所はなく、強引に西側 坑口方面に降りることにします。 |
降りてきて振り返り。 階段らしきものがありますが、県道に至るわけでは なく、結構がさごそしました。 そして水路跡に無事辿りつきます。すると… |
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おおお! ビンゴです。隧道発見!一見して廃水路に廃隧道…山田川疎水の廃止は間違いありませんでした。 |
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そして、まさにこれ、このフォルムが山田川疎水隧道のフォーマットです。 扁額があり、「第12隧道」とあります。造りは凝っていますが、コンクリートブロック製です。 これは西側坑門です。ので、吐口になります。 で、このフォルム、その8で紹介していました「第19隧道」と全く同じです。そう、あの隧道は山田川疎水の隧道坑口だったん ですね!同じように扁額なしの同じフォルムの隧道も紹介していましたが、あれも一応山田川疎水の隧道です。 |
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ものすごい独特な文字ですな。 「十二」だけがやたらと簡素に感じます。 |
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早速第12号隧道内部確認、といきたいところですが、 その前に西側の水路をチェックしときましょう。 |
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水路自体はしっかりしていますが、やはり管理の手が 離れているため、荒れ放題です。 |
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ゼンリンの地図で暗渠表示になっていた箇所です。 どうやら蓋渠ですな。 |
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こんな感じになっております。 | |
だいぶえらいことになってます。 | |
小さな排砂路があります。 | |
そこからすぐ。突如として現れた土管。 疎水はここに吸い込まれます。 |
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入った瞬間に、あああ…と思う光景が… | |
はい。終了〜 山田川疎水。取水口からここまでは完全に廃されて おりました。 ここから先、どこかで疎水隧道は復活し、呑度ダム の流れを受け入れて、東播用水として第二の人生を 歩んでいます。 |
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第13隧道の坑門は拝めませんでした。 それでは第12隧道に戻りましょう。 |
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戻って参りました第12隧道。 向こうには貫通しています。 しかし…何度見てもコンクリートです。残念ですねえ。 山田川疎水の着工は1911年(明治44年)。疎水 幹線、導水路等の開通が1915年(大正4年)となって おります。かなり早い段階でのコンクリート使用です。 |
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内部です。コンクリートブロックアーチが良い雰囲気です。 つくづく切石ぢゃなくて残念… |
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振り返り。 瓦礫が溜まっています。 |
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中央部はコンクリートになっております。 もともとそうなのか、素掘りだったのかは不明です。 |
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東側にやってきました。 こちらはぎりぎりまでコンクリートです。 |
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第12隧道東側坑口です。 西側と全く同じフォルムですな。 |
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ここの水路はちょっと深めですな。 側壁の剥離も少々目立ちます。 |
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ここにも排砂路が。 発泡スチロールが挟まっています。 |
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外はすぐに衝原湖の湖面となっております。 それにしてもゴミの量がハンパないです。残念すね。 地味に側壁が石造りで切り込み接ぎです。坑門にも 採用してほしかった… |
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上空に第12隧道上でクロスした県道85号線と歩道の橋脚が聳えています。 |
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そして程なく次の隧道が現れます。 |
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その新たな隧道手前、疎水を潜る水路があります。 しかしながらご覧の通り水没しているため、内部確認 ができません。 なんとなくコンクリートっぽいですがね。 |
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でました第11隧道です。フォルムも全く同じ。 コンクリブロックでこのパーツを大量に生産したんでしょうねえ。 |
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一応扁額のアップを。 漢数字以外は全く同じです。 |
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内部は速攻素掘りになります。 それにしても…かなりの延長ですな…とりあえず今更引けません。行ける所までずんずん進むのみ! |
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現在公開できる山田川疎水の情報です。 この地図は淡山疎水・東播用水博物館に掲示してありました。 呑度ダムや衝原湖ができる前の地図ですんで、現在の県道表記がありません。 ので、青線でざっくり引いてみました。旧県道は上部に河川表記と並行して書かれています。あちらは当然湖の底です。 疎水は13号隧道の手前で消滅していますが、13号自体は東播用水用として途中から使われているものと思われます。 さあ、ここから只管、クローン隧道との闘いとなります(笑) 以降、 その10 に続く! |