淡山疏水隧道群


兵庫県

淡河川疏水編

その2

  


                    2013年4月訪問


大きい地図・ルート検索  ( powered by ゼンリン地図 いつもNAVI )
 国道428号線を横断してからは暫く平坦な農業地帯
を疏水は進みます。
 よって橋は数あれど、特徴のある物件は見当たりま
せん。
 次に変化があるのがここ。
 民家表記の真下に暗渠表記があります。
 正直地図で見る限り隧道とは思ってませんでした。
 民家の下を潜る暗渠であろうと。。。

 ところが。。。

 暗渠表記の東側からアプローチです。
 少しコンクリートの蓋での暗渠が続いた後!

 おおお!なんかいい感じですよ!!

 おおお!
 
石アーチだ!!!
 煉瓦隧道と聞いてましたが、いきなり石アーチの登場です。土木学会さん、どういうこっちゃ!?
 切石乱積みの坑門に整石の迫石に要石付きです。
 立派に要石です。
 おや?隙間が。。。
 カメラを差し込んでみました。
 うむ。しっかり石アーチのようです。
 しかし、これじゃあどうにもならんな。。。
 ご覧の通り立地は非常に微妙です。
 右上に道がありますが、私道みたいな感じもします。
 左上に倉庫?、隧道上に民家が立ってます。
 すごい状態ですな。。。

 それでは西側に回り込んでみましょう。
 季節的に休止中なので中に入れました。
 西側は最初、BK化されており、その先にはアーチ
カルバートが。
 その先は。。。?

 なんと素掘り!
 素掘りとしては非常に滑らかなアーチを描いています。
 さらに表情が変わります。

 なんじゃこりゃ!?
 基本素掘りのままのようですが、「インバート」と書かれたデカい切石が玉石の側壁に乗っかっています。
 鉄骨は支保工でしょうか。

 内部はかなり特殊です。
 天井に石桁のごとく切石を配し、側壁は谷積みに近い感じの玉石積み。下部はコンクリート補強です。
 で、支保工と思われた鉄骨は側壁コンクリートと一体化しており、もはや構造物の一部と化しています。
 切石とコンクリート、鉄骨と時代を超越したコラボ構造物となっております。うーむ、すごい。。。

 BK(ボックスカルバート)、AK(アーチカルバート)、素掘り、素掘り石桁と様々な表情を見せたこの隧道ですが、遂に
切石アーチが出てきました!
 うむ!見事な欠円アーチです!
 東側坑口までやって来ました。
 先ほどはあの隙間から撮影しました。

 東側坑口より。
 なかなか綺麗に撮影できませんな。。。
 この隧道を暫定 
第1号隧道 と致します。
 第1号隧道は東側は切石隧道、西側は素掘り隧道でした。
 さて、脱出しますか。
 ここ、低いんですよね〜。。。

大きい地図・ルート検索  ( powered by ゼンリン地図 いつもNAVI )
 さてさて、また移動します。
 今度は明らかに隧道ポイントです。山陽自動車道
の下を潜り、一体どこに出るのか。。。
 この先の流路がイマイチ把握できません。
 取り敢えずこの隧道ポイントをチェックします。
 水路の先には集塵機が取り付けられています。
 さすが現役。
 集塵機を越えて奥に。
 竹藪地帯に突入します。上空に小さな水路橋が
架かっています。

 そして…見えてきました!隧道だ!
 しかも遠目でもいい物件と分かるそのお姿!

 おおお…これは凄い…
 本当に煉瓦アーチ!そして坑門は切石!素晴らしいフォルムです!

 ここを暫定的に 第2号隧道 と致します。

 見紛うことなく煉瓦アーチ!2層巻きです。薄いですなあ。
 坑門は切石布積み。帯石も存在し、丸みを帯びさせ、装飾的にしています。

 帯石の上部は胸壁ということになりますが、ここも切石布積みです。
 笠石も存在し、帯石と同じく装飾的です。笠石中央には雨水を垂らす樋が正面を向いています。

 こじんまりとした馬蹄型の水路隧道。
 このサイズで煉瓦アーチは珍しいです。
 さあ、奥はどうなっているのか…

 内部もしっかり煉瓦アーチです。
 見事。左側の側壁には補修跡があります。しっかり管理されているようです。
 少し進むとセントル巻きになりました。
 上部に淡路島方面行きの山陽自動車道が通って
います。その補強でしょうか。
 セントル巻きは長く続かず、また煉瓦アーチに戻り
ます。
 。。。しかし。。。ずっと煉瓦ですな。。。

 果てしなく。。。煉瓦アーチ!!!
 凄いですね。。。大体煉瓦巻きは坑門付近何mかぐらいで、先は素掘りだったりするんですけどねえ。
 特に水路系は。こんだけ永遠に煉瓦巻きする水路は当然見たことありません。
 で、よく見るとアーチ側壁も長手積みですね。一般的に側壁はイギリス積み、天井アーチ部が長手積みという
パターンなんですが。。。ぜーんぶ長手積みです。うーむ。。。
 暫く進んでみましたが、果てしなく煉瓦が続いて
います。
 ひえー。。。
 くるまみち史上ダントツ最長の煉瓦隧道です。

 。。。まだこれから20km超探索予定ですんで、ここに
時間はかけられません。。。
 無念ですが、ここは一旦引きます。
 いつの日か再調査に。。。

 ※冬季の一部以外は常に水が流れているようです。
 セントル巻きまで戻ってきました。
 セントル巻きから坑口まで。
 それほど距離はありません。
 坑口に戻ってきました。
 背丈程度の小さな水路隧道です。
 ついにその姿を見せ始めた淡河川疏水の隧道群。
 恐らくこのタイプの煉瓦アーチがメインで登場すると
思われますが、さあ果たして何本確認できるか。
 長い戦いが始まります。

 以降 その3 に続く!