太地町遊歩道隧道
和歌山県

  

 
 和歌山県南部に位置する太地町は和歌山県
内で最も狭い面積の町である。また、「くじらの
町」としても有名で、太地港に面して北側から
「太地くじら浜公園」「鷲ノ巣崎遊歩道」「向島遊
歩道」など、散策のスポットが多分にあり、そこ
から見る太平洋はまさに絶景である。
 今回、探索スポットとするのは、上記2つの遊
歩道に存在するとされる隧道群です。電子地図
では「向島遊歩道」に点線道&トンネル表記が
ある他は一切確認できません。
 例の「トンネルリスト」では、「6つある」とされて
います。果たして全てを視認できるか、現地に
降り立ちました。
 写真の場所は、車道トンネルの「鯨浜トンネル」
北側、鼻尻湾という小さな入江です。ここから湾
に添って南北両側に遊歩道が伸びている訳なの
ですが。。。
 ここは南側。。。。。。。。。。。。。
 通行止めです。。。。北側も見ましたが、やはり
通行止めとなっています。「鷲ノ巣崎遊歩道」完全
閉鎖です。いきなり暗雲が立ち込める今回の探索
です。
 当然諦められるわけもなく、また、通らせていた
だきました。上写真2つのバリケードを越えるとす
ぐに右にカーブし、深めの切り通しを通るのですが
???
 先、何か隧道っぽい??
 道の幅に対して、かなり深い切り通しでした。
 元々隧道で開削されたのか?とも思いましたが
よく分かりません。かつて封鎖されていたであろう
バリケード跡が残骸として残っています。
 この状態から封鎖はかなり長期間に亘っている
のではないでしょうか。何で?

 裏側より拝見。
 大きなベニヤ板が剥がれています。
 この日は曇天ながらも波は穏やかで、開放感
あふれた景色をながめつつ進みます。
 ここが封鎖なんて、もったいない!
 上の写真の場所から、隧道を予感させていまし
たが、案の定、登場です!
 本日1本目!
 短いですが、あきらかに人の手が入った丸みを
帯びたアーチが綺麗です。ハナから扁額や銘板は
期待していませんでしたが、やはりありません。
 帰宅後に隧道の延長、位置関係などを分析した
ところ、

 
「たかばべ1号隧道」 昭和48年竣工
  延長6m 有効高2.3m 幅1.8m
 
 ではないかと、推測します。
 反対側坑口です。ここは上部が崩落した痕跡が
見受けられます。木の根が露出し、枯れています。
 こういうのが、通行止めの要因となるのでしょう。
 「たかばべ1号隧道」から南方の遊歩道を見ると
????
 行き止まり?のようになっています。
 道のラインに沿って左カーブした先は確実に岩肌
に堰き止められます。あの道の真ん中っぽい場所
に突き出ている岩から先の道の安否が気になりま
す。
 超接近しましたが。。。
 道が。。。終わってる???
 道のラインに沿って白い紐のようなものが引かれ
ていましたが、それもぷっつり。。。
 別に崩落したわけでもなく、岸壁は非常にしっか
り聳えていますが。。。んんん?

 
 をを!!!
 岸壁の真下まで接近しないとわかりませんでし
た。直角に右折し、岸壁の内部を突き進む隧道(
洞門?)を発見!路面はコンクリ舗装されている
ため、正規の遊歩道に間違いありません。
 隧道内部より、来た道を振り返る。
 道は当然直角左折により消え、湾に聳える絵に
なる岩肌が見えます。
 どうも自然の洞門を利用して隧道にしている感じ
がします。縦に切れ長!
 これがまた以外に深い(長い)!
 隧道というより、洞窟探検の気分です。
 反対側の明かりは見えていますので気分は楽
ですが。。。
 反対側出口前で少し洞内が広くなっています。
 車道なら離合ポイントとかですが、これに限って
はありえません。自然にできた空洞なのではない
でしょうか。それを歩道隧道に転用したわけで。。。

それにしてもここは頭を擦りそうなくらい低いです。
 出口間近。少し上にスロープになっています。
 コンクリ道が最後までしっかり道であることを
主張してくれていました。
 振り返って、写真パチリ。。。とやった瞬間に、
突如ライトがパッ!
 びっくりしましたが、センサーライトが設置されて
いたようで、この場所でライトが反応しました。
 やっぱり入ってほしくない遊歩道のようです。
 すみません。。。
 国民宿舎の裏手付近に出てきました。
 こちら側の坑口は自然な感じではなく、しっかり
人の手が入っているように感じます。
 反対側に開いていた自然の閉塞洞窟をこちら側
から穴を開けて貫通させたような感じがします。
 自然の力を大いに利用してはいますが、立派な
隧道だと思われます。
 机上調査の結果、


 「たかばべ2号隧道」 昭和48年竣工
  延長55m 有効高1.9m 幅1.7m

 ではないかと、推測します。
 国民宿舎の敷地内であるため、そそくさと脱出、
 そのまま南側の湾沿いに出ました。
 南側には「向島遊歩道」があるはずです。
 「向島遊歩道」北側の入り口です。堤防に階段が
設置されており、こちらは特に通行止めではない
ようです。
 この遊歩道は、唯一電子地図に隧道の記載が
あった場所です。
 こちらもコンクリ舗装は万全で、歩くのに支障は
ありません。ただ、右手の法面には崩落箇所がな
いわけではなく、やはりファミリー向けではないよう
に感じます。
 津波どころか、少しでも波が高ければモロに波を
かぶりそうな遊歩道。ホントに海に近接していま
す。
 海に突き出た遊歩道の桁橋。すごい造りです。
 岸壁に沿って遊歩道を設置しなかった訳は、
 どうも岸壁にできた洞窟を欄干から見せるためで
あるようです。
 そこから暫く進みますと。。。道の先に穴が見え
ます!
 電子地図で見た場所と同じ所に隧道発見!
 ところが、看板には「私有地につき立入禁止」
と。。。ここまではっきり、英語表記までされた立入
禁止看板があっては、さすがに進入はできませ
ん。
 内部映像です。相当崩落も繰り返しているようで
つっかえ棒までしてあります。
 これは人為的な隧道なんだろうか?と疑問に感
じる姿かたちをしております。
 机上調査結果では。。。


 「向島隧道」 昭和42年竣工
  延長18m 有効高1.6m 幅1.6m

 です。有効高は納得できます。延長がちょびっと
怪しい気もしますが。。。

 これで3つ発見できました。残るは「鷲ノ巣崎遊
歩道」北側の探索のみです。果たして全ての隧道
を確認できるか!

 
以下後半戦へ!