白倉林道隧道群

三重県


第二部

その3

  


 まだまだ底を見せない魔境白倉。こんなに奥でも道筋
をしっかり残します。
 台風の蹂躙がなければ今でも作業道として使われて
いたのでしょうか。
 白倉作業道林道には似つかわしくない、しっかりとした
欄干。特に橋梁、暗渠でもありませんが、一般的な昔の
車道に存在しそうな路肩ガードです。
 珍しく切り通しと、崩れる素掘りの壁面。
 しかしながら、今までの行程からすれば特にコメントも
ない我々の感覚マヒが怖い。。。
 ほら!崩れてますよ!。。。
 
 。。。そやねー。。。

 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
 。。。ああ!いかんいかん!
 白倉の最初では「おおー」やったやないですか!

 これが当たり前の状況ってどないですかいな。。。
 続く続く廃道と化した白倉林道の道筋。。。
 皆、おのおのの想いを巡らせて歩いていきます。
 。。。って、あれ?皆様どーしましたか???

 立ち尽くす決死隊パーティ一向。。。
 その目線の先には。。。

 ぐはあ!
 出ました本日2本目の路盤消失!!!
 なぜにこうすっきり崩れ去ってしまうのか。。。

 どうも上部の山肌から崩落は始まっているようです。
 しかしながらあの擁壁が耐えているおかげで、路面
崩落の流れを受けずに土砂がある程度止まっている
ようです。
 もしも擁壁がなかったら。。。恐らく山肌の土砂流出量
は甚大となり、それがさらに路面を削って、一発目の崩落
現場のような状況になったかも知れません。
 そうなれば、今回も引くかどうするかで紛糾したかも。

 それにしてもあの擁壁、宙に浮いてます。。。朽ちた木が
擁壁から顔を出していますが、あれは崩落時に擁壁に
スライディングをかました後だと思います。擁壁の上部にも
引っかかっていますので、あの木々がある意味土砂を
堰き止めているのかもしれません。
 ちょっと突けば、さらさらさらさらさらさらさ。。。

 なんと脆い地質なんだろうか。白倉林道駆け出しの
路面は岩質だったのに、ここは土ですなあ。
 内陸部にきて、土質が変わったようです。
 実はyo314氏はここも攻略しております。うーむさすが。

 よっしゃ!いっちょ攻略や!

 皆様の想像通り、攻略はこの擁壁伝いです。
 うーん、倒木邪魔やあ〜!
 なんか視覚がおかしくなりますが、これ、擁壁から下方
を向いています。
 最深部方面は見えず、本当に限定的な崩落となってい
ます。一極集中的な土石流だったのでしょうか。
 上方には擁壁によって堰き止められた大量の瓦礫
の山が。
 何度も言いますが、この擁壁がなかったらもっと被害は
拡大したことでしょう。
 頑強な擁壁はまた、われわれ決死隊にとっても命綱と
なっています。
 続々と綱渡りを開始します。
 ちょっとだけハイアングルで。
 渡ってからまじまじ擁壁を観察したのですが。。。
 やはり完全無欠ではありません、これだけの崩落を
支え、かつ自重にも耐えないとならないのです。
 ひょとしたら限界は近いのかもしれません。
 続々渡る決死隊メンバーの面々。
 と、ここでアクシデント発生!
 最後に渡ろうとしていた、おろろんさんが足を捻ってしま
いました。
 恐れていたケガ人の発生ですが、どうやら軽症のよう
で、一同ほっとします。

 とりあえず大事をとって、ここから先への行軍は見合わ
せ、少しここで休憩をしてもらうことになりました。
 只今の時刻 11:08

 あと1時間を切ってしまいました。おろろんさんを残し、
5人で白倉の最深部を目指します。

 以降、
その4 へ!