旧清水谷隧道
福井県

  

 
 それは、驚愕の事実でした。。。

 福井県は越前市と池田町を繋ぐ県道2号線。
この県道には「新清水谷トンネル」が存在し、
竣工2006年3月、延長1434mの、その長大トン
ネルで峠をパスしていきます。
 「新」といからには当然「旧」も存在します。こ
の旧隧道はすでに廃されており、「清水谷隧道」
という名前で、今も扁額が残されております。
 この清水谷隧道の竣工は昭和30年(or31年)
延長493mというデータが残っています。

 。。。。。。。。。。

 以上!
 の、はずだったのですが。。。
 ある日、しろさんの「廃線隧道のホームペー
ジ」に驚くべき報告が上がっておったのです。

 「清水谷に初代、明治隧道あり!!!」
 
 その事実に居ても立ってもおられず、急遽
現場に向かいました。
 いまご覧の廃隧道は昭和隧道、2代目の廃
隧道です。

 立派な扁額も備えております。
 隧道からのびる苔むしたロックシェッドが良い
雰囲気を醸し出します。
 
 先のしろさん情報によると、新清水谷建設概要
を福井県のHPが載せており、その中で初代隧道
にも触れておりました。
 福井県HPによると、初代は明治43年竣工、延長
250mであったそうです。ただ、2代目隧道の竣工
が昭和5年である、という表記があり、私の知る
データと25年近い開きがある点が疑問の残る所
です。
 
 それはそれで、現物確認がとにかく私のモットー
ですので、探索に向かいます。
 こちらは池田町側坑口で、しろさん情報では越前
市側からのアプローチが紹介されておりました。
 ではなんで私はここにいるの???
 無謀にも何の情報もなしに池田側から挑んだの
でありました。。。(お陰で大苦戦。。。)
 ある程度旧隧道の位置を把握していたとはいえ、
当然のごとく大苦戦。。。
 二代目隧道から直登作戦で道なき道をひたすら
登っていきます。。。
 直登のメリットは、旧旧道の道筋にぶつかる可能
性があるため、旧旧道のスタート地点を見つける
手間が省ける所なんですが。。。
 確かに旧旧道のスタート地点は一切不明でした。
ので直登に賭けたのですが。。。見つからん!!
急勾配の斜面を登ったり降りたりを繰り返すこと
1時間あまり。。。
 き、きつい。。。やはり無謀やったか。。。
 ぜえぜえぜえ。。。。。。??????

 稜線が近くなってきた。。。こりゃあ登りすぎや
し。。。
 。。。。。。。。。しかしなんか、切れ込んでません
かあ???
 こ、これは。。。
 間違いないと思います。。。

 ずばり、本当の峠越え道、旧旧旧道だと思われ
ます。
 なんだかんだで直登作戦が功を奏した感じです。
つまりこの道を戻ってうまく辿ることができれば、
初代隧道の糸口が見つかるはずです。
 写真だとなかなか伝わりきれないですが、道筋
はうっすらと残っています。
 さっきはどこから峠道に行き着いたのか分かり
ませんでしたが、下ってみると、結構道筋が確認
できました。
 下っていくにつれて道筋が結構残っているのが
わかります。
 このような九十九折れのカーブがきっちきちに
ぐねぐね続いています。
 あきらかに車道時代の遺物ではありません、徒
歩全盛期の峠道という感じです。
 今下ってきた所を見上げると、こう矢印のように
ばんばん九十九っています。
 ものすごい短い間隔でがんがん高度を稼いで
いるのがわかります。これは峠越え大変やわ。。。
 その九十九折れが途切れ、左手にやや深めの
窪みが出てきました。

 。。。。。。。。。。

 こういうのって、結構あるんですよねえ、目的と
するものが。。。

 ここかな?
 窪みに降りてきました。

 。。。。。。。。。。。。。。。

 んんん?ナンもない???
 いや。。。

 
 もっと前進してみますと。。。
 
 !!!!

 いた!穴がある!
 ただの洞窟ではないはずですが。。。
 振り返りますと、自然に還り倒してはいるものの、
なんとなくフラットなスペースが続いている感じが
します。
 これが明治期に改修された道筋であろうと考え
られます。
 内部を覗きこみます。。。

 !!!

 反対側の光が見えます!貫通してます。
 間違いありません。これが初代明治隧道である
ことは間違いないところでしょう。

 しかしながら坑口はかなり埋没しています。
 高野山で見た(仮)円通律寺トンネルの西側
坑口に酷似しています。
 振り返るとその埋没っぷりがご理解いただける
と思います。8割は埋ってしまっています。
 フラットな部分まで進みました。幸い水溜りが
殆どありません。
 幅、高さとも車道としても利用可能な広さを確保
しています。
 しかしながら当然と言いますか、完全素掘りで
す。
 しかし、向こう側の光が見えなくなったなあ。。。
 かなり固そうな岩盤をくり抜いて掘られている
ようです。なかなかに崩れにくそうではあります
が。。。
 この土砂は自然に長い時間をかけて流れ込んで
きたものと思われます。
 雨の日は川となって水が流入するのではないで
しょうか。
 ありゃ。。。。
 怖れていた水溜りが増えてきたような。。。
 あまり増えると進軍が困難になります。。。

 果たしてこの先はどうか。。。

 以降、
後半戦へ。