奥羽本線庭坂~関根間現役暗渠、廃線構造物群


奥羽本線(山形新幹線) 福島県庭坂駅~山形県関根駅間



その7

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                  2018年8月訪問

 閉塞の2代目6号トンネルから長谷橋梁を抜
け、2代目5号トンネルも抜けてきました。
 左が2代目5号トンネル。右側の空間の奥に、
最初にやってきた初代5号トンネルがあります。
 
 で、この区間最終目標は…
 振り返った、この谷の先にあります。
 夏場で視界不良ですが、この先に初代2代目
共有の4号トンネルがあります。
 で、この谷には

 
蝮沢橋梁

 というのが架かっていたそうです。
 蝮沢橋梁の東西の橋台です。
 小口に焼過煉瓦を使用しており、装飾的です。
 わざわざこんな山間部の橋台に何故???
 …うーむ…
 何とも文字通り掴みどころのない谷です。
 傾斜はそこまできつくはありませんが、それで
も油断はできません。
 ルートの見えない谷筋を、道を作りながら
ずりずりと前進。
 見上げるとこれまた急傾斜…
 あの岩、怖いな…
 今度は見下ろします。
 眼下に松川の青々とした水面が見えていま
す。
 谷の中ほどまで来れました。
 難なくとまでは言いませんが、まだ比較的楽
に降りてこられました。
 問題はここからですな…こっちのが傾斜が
きついです。
 振り返り。
 比較的楽に、と書きましたがこの傾斜です。
 特に目の前の倒木がかなり障害になりまし
た。
 土の斜面から湿った岩の斜面に変わります。
 掴む木はなく、岩場を身体全体で掴みにかか
ります。
 ふぬううう…
 より谷が眼前に迫ります。
 信用できない岩場を一歩一歩全神経を集中
させて確認し、進んで行きます。
 橋台が眼前に迫って参りました!
 まだ油断はできませんが、確実に前進できて
おります。
 無事橋台の側壁部分に到達!
 もう大丈夫そうです、やれやれ。
 対岸を見直します。
 …うーむ、何が何だかわかりませんな。
 画面中央やや上に東側橋台。そこから左上
の暗い部分が2代目5号トンネルですな。

 …って、これ帰らないとイカンのか…

 
第二観音平トンネル(4号トンネル) 東側坑口

 って、このフォルム…2代目達とクリソツですね…2代目路線開設時にこの坑門も改修を受けたのではないでしょうか。
 坑門のどアップです。
 むむむ!山目地ですね!
 ものっすごい丁寧な造りをしております。
 路盤の側面を覗き込むと、やはり煉瓦で平地
を創り出しておりました。
 内部に踏み込みます。靄がかっています。
 そして…また右手の施工です。
 何なんでしょう、これ?
 と思ったらこんなプレートを見つけました。
 
 竣功年月日 昭和30年7月17日
 施工者名  鉄道建設興業株式会社
 施工区間  自12k895m00
         至13k146m56
 施工数量  
背面導水排水溝
         53ヶ所
         
側壁ブロック積
         21.6㎡(?)

 完璧な答えがここに!
 漏水対策工事ということでしょうか。
 結構本格的ですね!このトンネルだけで53
ヶ所もあるということでしょうか。
 東側坑口からすぐで既に2ヶ所あります。
 本当に53ヶ所ありそうです。

 
 振り返り。
 もう一度この光景を見ないと現世に戻れませ
ん(笑)
 
 さて、奥に進みます…が…
 えらく靄ってますな…
 薄いけどやや大柄な待避所。
 丁寧な造りは相変わらずです。
 53ヶ所の表示は伊達ではありません。
 両側とも結構な頻度で施工されています。
 アーチ部もちょくちょく独自で補修跡が見られ
ます。
 この場所の地質の悪さが伺えます。
 いつしか側壁がコンクリブロック、天井が吹き
付け補修を受けています。
 そして待避所は…
 やけにマッシブな姿になっております。
 この付近は全体に補修の手が入った模様
です。
 全面補修は限定的で、また煉瓦の側壁が
現れます。
 ただ、天井はずっと補修が続きます。
 貴重なプレートを発見しました。

 
第二観音平すい道(「二」「観」「音」
は判別できてません。ネットで確認。
 
 肝心な所が判別不能となっていますが、改修
の施工区間は27m50で、着工が昭和30年11月
1日、竣功が昭和31年5月?31日となっており
ます。
 二つに折れた木製プレート。まだ「5」と判別
できます。
 煉瓦の待避所に戻りました。
 ヘルメットと一斗缶が残ります。
 四角く煉瓦が切り取られ、そこに木枠が組まれ
てたようです。
 何かを嵌め込んでいたのでしょうか。
 背面導水排水溝の袂に「4」のプレートが。
 この待避所の前には何故か巨石が鎮座して
おります。どこから来たの?
 路盤の状況です。
 何十年も日の当たらない世界、モノクロの空間
がこの先永遠に続くのでしょうか…
 そこからすぐ…
 異様な光景をライトが捕らえます…

 んんん???穴、開いてる!?
 何の前触れもなく現れたそれは、あまりにも
衝撃的なものでした。
 まるで洞内分岐するかのように斜めに穴を
穿っています。
 しかしその横穴はすぐに埋没しており、先の
様子は計り知れません。
 崩落したと言うよりは埋め戻した感じですね。

 方向的には新線のトンネルに向かっている
ような気がします。
 推測ですが、新線トンネル開設時に横坑とし
て使っていたのかもしれません。
 …しかし無造作にぶっ壊し過ぎではないでしょ
うか。
 この手荒い感じが、幾らなんでも不自然な感じ
もします。
 背面導水排水溝までぶっ壊してまで開けた
横穴。結局は謎のまま残ることになります。
 そこから間もなく…
 奥に異変が感じられます。
 
 コンクリブロック補修に背面導水排水溝、
続いて…
 コンクリの待避所が。
 この隧道の復旧に相当腐心されたようです
ねえ。

 その先からは迫り出したコンクリの壁が現れ
ます。
 「2」のプレートが現れた所で、遂に終焉の時
が。
 右側の分厚い増壁は新線の側壁を守る役割
なんでしょうか。
 何とも表現のしようがない質感の壁に遮られ
ます。
 …謎のカベ。
 水抜きらしきパイプからは石灰分?がつらら
のように滴っています。
 第二観音平トンネル(4号トンネル)最深部より
振り返り。
 西側の脱出口は靄でボヤけています。

 これで、供用4号トンネル、初代5号、6号、
7号、2代目5号、6号トンネルを視認することに
成功致しました。
 取り敢えずやれやれです。

 細かい取りこぼしは何個かある(数字のエンブ
レ未確認、4号トンネルの横坑情報など)あるも
ののこの時点では気付いておりません。あ…
2代目松川橋梁の橋脚もすっかり忘れておりま
した…
 ま、まあここまで到達できたことにまず満足
です!
 帰途は、第4トンネル脱出の後、あろうことか
蝮沢橋梁の谷を下ってしまいました。
 意外と何となく降りられそうだったので…
 結果的に無事に降りられましたが、ちと無理
矢理感がありました…

 写真は降りて来た所を見上げています。
 蝮沢橋梁の東側橋台が見えています。
 初代松川橋梁跡までは沢伝いに遡上。
 夏場、水量がまだ少なかったのか、長靴以上
の水没で行き場を失うことはありませんでした。
 へとへとになりながら無事に帰還。
 6時半に赤岩駅周辺から探索開始。 帰り着
いたのは13時と、5時間半も這いずり回っており
ました。しかも赤岩の前に庭坂の大築堤で朝
練…さすがに疲れました。

 が…本日のノルマはまだ終わっておりません。
 現役線暗渠の煉瓦アーチ探しがまだ残ってお
ります。疲労困憊の身体に鞭を打った成果を
ダイジェストでお届けします。
 他の方が同じ個所を探して無駄骨にならない
ためにも…(←誰が行くんやw)

 てなわけでいきなりハズレwww
 場所はコチラ
 どうやって行ったんだ?って?
 北側の道路からです。人間廃人になれば何
だって出来るんですwww
 赤岩駅~板谷駅間の廃線跡は明日のノルマ。
 その前に板谷駅周辺3ポイントをチェックするも
ハズレ。
 なかなかに凹みます…
 あと一駅、あと一駅行っとけば、明日のノルマ
の見通しが立つ…

 何と峠駅まで行ってしまいました。
 ここのポイントは一ヶ所外れた場所にありまし
て、ここを行っとくと行っとかないでは、大きな
差があります。
 道路の傍の水路だったので、比較的に楽に
アプローチできると思ったんですが、降りポイント
にはお茶屋さんがあって、入れない。
 道を戻って上流を探すもなかなか良い降りポイ
ントが見つからずで、漸くこの場所に立ったの
が、15時55分…もう行き倒れそうです(笑)
 辿り着いたポイントはボックスカルバート。
 しかしここの暗渠はかなり長い想定です。
 ので、途中でアーチが出てくるのではないか、
という想定です。
 BKは折れ曲がっていて先が見えません。
 心が逸ります。
 角を曲がった先、遠くに見える見覚えのある
形!あれを待っとったんや!!!
 がーん…
 でもこれもよくあることです。
 途中で煉瓦に変わることを期待して、さらに
前進!
 キタ!キタコレ!!
 良かった~。全滅は何とか阻止しました。


 (仮)峠橋梁

 れんがみちに収録済みです。

 途中で洞内滝(笑)に出逢います。

 これにて本日は本当に打ち止め!
 明日活動できるのか…?

 以降、 
その8 に続く!

 
※更新遅くてホンマ申し訳ないです(;´∀`)

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