奥羽本線(山形新幹線) 福島県庭坂駅~山形県関根駅間
その5
2018年8月訪問
何とか川床に降り立ち、対岸を見上げます。 …うーむ… 崖の半ばになんちゅう構造物を造るのか… |
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どう見ても崖です。どうやって造ったのでしょう。 ネットで昔の写真が出ているのを見ると、ひた すら木組みを積み上げて支保工にしたようです が、本当に途方もない事業だったことでしょう。 どう見てもここからでは登れません。少し回り 込むか… |
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下流側は絶望的。上流側に行くと、ほんの少し 緩斜面が現れます。 ここにも石積み補強が見られます。 |
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上流側から折り返して斜めに斜面を登れそう です。 もうここしかない! |
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注意深く斜面を這い上がり、橋台の段差の 場所までやってきました。 ふう、やれやれ。 |
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この迫り出し部にトラス橋を乗せていたようで す。 前に迫り出している下部の橋台は、対岸のも のと同じく、かなりの損傷具合です。 ところが、上部の橋台は綻びが殆どありませ ん。 これは一体どういうことなのか…? |
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そそり立つ煉瓦橋台。 やはり少し新しい気がします。 ネットで見かける竣功当時の写真では、この 橋台部分にアーチがあったようですが、これは ありません。 ということはつまり、後年に改修されている、 と判断するのが正しそうです。 |
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アーチ構造のなくなった煉瓦橋台。 少し…いや、かなり残念ですが、改修されて しまった模様です。 しかしどうやって?厚みを増して、アーチも埋め てしまったのでしょうか?まさか全撤去して一か ら積み上げ直したとも思えませんが… |
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対岸の煉瓦橋脚が見えます。 ここからあそこまでをトラス橋で渡ったようで す。 現代ならいざ知らず、鉄道の黎明期にこんな 大規模な構造物を架けたというのですか… クレーンもなかったでしょうに、ひたすら川床 から支保工を組み上げたということでしょうか。 いやあ、恐れ入ります。 |
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さて…と… 目を背けていたこのそそり立つ壁に対峙しな ければなりません。 見た感じ、この右手の岩場もかなりの急傾斜 です。ヨッキさんたちはここを登ったというの か…うーむ… 植生の生え方や岩場の状態を自分なりの経験 から分析したところ、何となくの道筋は見えまし た。 後はいかに慎重に一歩一歩踏み出すか、 です。 …よっしゃ… |
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岩場はともかく、植生が頼りない! ほっそい木しか生えておりません。両手両足 両肘両膝の荷重%をその都度配分し直しなが ら一歩一歩踏み登ります。決して1ヶ所に100% の荷重はかけられません。常に3,4箇所に荷重 を分散させて保険を図ります。 100%荷重の足場が崩れたら一巻の終わり です。 てな感じで中段まで登ることに成功。かなり ひやひやもんでした。 |
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見上げます。 まともう少しです。階段状に岩場があるように 見えますが、実際にその場に立つと、全く以て そんな感じではありません。 しかもここからは植生が0 岩場だけで100%を配分しなくてはいけませ ん。これは困った… ここまではある程度確信を持って登れました が、ここの一歩は少し運の要素を入れざるをえ ません。岩場が崩壊しない!はず…という要素 …。「~しないはず」はなるべく入れたくありませ んでしたが、ここは致し方なし。 意を決し、極力運の要素を減らせるラインを 見つけ、岩場に取り付きます。 南無! |
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時間にしてほんの数秒でしょう。 しかし、煉瓦の壁頭頂部に手をかけるまで、 かなりの時間を感じました。 冷汗が出ます。 片手をかけ、安全を確認してから下向きに 撮影。ふう…怖かった… ここから降りるのはいややな… |
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何とか無事に登り切りました。 やれやれ。 降りるのはやはり厳しそうです。私も別の所か ら降りようかな。 |
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第一松川トンネル(初代5号トンネル) 西側坑口 渡る橋がなくなっても開き続ける初代5号トンネル。立派なピラスター、分厚い巻厚を備えた重厚な坑門です。 で、このトンネルの左上に「5」のエンブレムがあったようですが、なかった…気がします。いやすみません、見るのを忘れておりました。 この写真で見ると、ヨッキさんの時より、より煉瓦が剥離しているようですので脱落してしまったのかも、です。 だからちゃんと予習しとけって、あれ程言ったのにwww ううう… |
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軌道敷きの高さからでも見えるのは最初の 橋脚だけ。 あの橋脚には煉瓦アーチが乗っかり、その上 に軌道敷きがあったはずです。 |
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で、この初代5号トンネル。 巻厚が6層もあります。なかなか壮観ですな。 |
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で、面白いのがこの装飾。 小口ラインに焼過煉瓦を使用しています。 鉄道トンネルではなかなか見ないです。 |
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洞内です。 路面は相変わらずフラットです。 安定した空間を維持しております。 |
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振り返り。 ここから数m先で数十m真っ逆さまとは… |
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安定した洞内。 今でも現役で使えそうです。 |
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待避所あり。 ブレないフォルムです。 待避所はここと先にもう一ヶ所ありました。 |
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東側に抜けます。 こちらの外の様子はどうでしょうか。 |
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第一松川トンネル(初代5号トンネル) 東側坑口 意外と荒れている初代5号トンネル東側坑口。倒木と土砂が堆積し、地味に歩き難い状態になっております。 |
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「6」というエンブレムはあったんでしょうか。 左手なら全く見えません。 で、東側の巻厚は5層で、西側より1層少ない です。やはりその場の地質等により巻厚を増減 させているようですね。 |
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トンネルの側面。 水抜きがあります。 |
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むむ? 坑口前の路盤に煉瓦が見えます。 |
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ちょっと煉瓦アーチを期待しましたが、煉瓦橋 台みたいですね、残念。 上を歩いた時は気付かなかった程、瓦礫で埋 め尽くされています。 |
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少し窮屈な路盤を先に進むと、右手に煉瓦積 みが現れました。 …これはひょっとして… |
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そうです! 2代目のトンネルの側壁ですね! ついに合流します。 2代目も煉瓦なんですよねえ、嬉しい限りです。 |
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ピラスターのような迫り出しが特徴の側壁。 水抜き穴があります。 |
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右手の隙間からやってきて、振り返り。 これが2代目の煉瓦トンネルです。 |
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2代目5号トンネル 東側坑口 初代との違いは、笠石と帯石が切石になったこと、ピラスターがなくなったこと、でしょうか。 |
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内部は…真っ暗です。 反対側の光が見えません。少し左に折れてい るようですが… |
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振り返り。 うむ。雰囲気よし。 |
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少し進むと光が見えてきました。 やはり少し左にカーブしていますね。 で、ここは少し補修が入っています。 |
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待避所がありました。 このトンネルには3か所あった気がします。 |
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煉瓦の色と煤煙の色が混ざって、独特の空間 となっています。 嫌いではありません。 |
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西側に辿り着きました。 そこそこ延長がありました。 さあ、この先には長谷橋梁と2代目6号トンネル があるがずですが、行程が結構難儀である、と 聞いております。 さて、無事コンプなるか!? 以降 その6 に続く! |