大台林道千尋隧道、嘉茂助隧道


三重県



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                   2019年2月訪問

 近畿、三重、福井県内で地図にある隧道でまだ行っていない箇所…それはもう殆どありません。
 私有地で行けない、新規共用トンネル以外ではもうここだけかもしれません。
 そう、

 
大台ケ原の東の袂、大杉谷 大台林道の千尋隧道&嘉茂助隧道!

 いやあ、長かった…隧道趣味を初めて今年で12年目。南側の不動谷白倉林道(枝線含む)は2011年に、北側の父ヶ谷は2014年
に攻略完了しておりました。残るはこの大杉谷の2隧道…漸く宿願が叶いました。
 今回は急遽探索が決定したため、いつものメンバーさんにお誘いができなかったことが悔やまれます。皆様、申し訳ございません。

 今回はYO314さん、アンシャイさん、おろろんさん、アンシャイさんお知り合いの方(お名前は、よんぱちさん)、私の計5名での探索となりました。
  国道42号線、往古橋北交差点を曲がり、往古川
北岸を直進します。
 センターラインのある快適な道は突如終わりを告
げ、北に進路を変えるその道は、1車線ダートという
典型的な林道の様相に急変します。
 そこからが…長い!の一言です。カーナビにも表
示されるその長大な白いライン。帰ってグーグル様
で調べてみると、なんと10.4㎞もあります。
 車で1時間2分…確かにそのぐらいかかった雰囲気
はありました。徒歩で検索すると3時間3分になって
おります…ありえんな…
 千尋峠まで車で行ける幸せ…ホンマありがたいで
す。
 千尋峠からは徒歩探索になります。
 嘉茂助隧道までは6.6㎞。徒歩で2時間8分の行程
です。これでも結構な距離ですよね…
 下から歩いていたらまる一日の大行脚となります。
とても無理…
 因みにこの大台林道、大台ヶ原の東、大杉谷を
取り巻くように延々と道が伸びています。
 道表記が途切れる箇所まで測定してみると、ナント
27.1㎞。8時間48分の完全片道一日コースです。
 うーむ…私には無理や…
 因みにYO314さん、アンシャイさんは泊りがけで
このルートを踏破。途中で不動谷に向かっています。
 うーむ、凄い!私には異次元の世界です。

  6時過ぎに道の駅出発、現在時刻7時22分。
 やはり1時間はかかっておりますな。
 
 で、いきなり峠。峠が隧道となっております。
 振り返り。
 良さげな雰囲気のダートに見えますが、ここまでの
行程は決して優しくはありません。
 SUB車での走行を強くお勧めします。落石もかな
り多いです。
  ここから奥は一般車両が通行禁止になります。

 千尋峠、北牟婁郡紀北町と多気郡大台町の町境になります。そしてそこに鎮座するのは…

 
千尋隧道

 全国道路トンネルリストでは、
センピロズイドウ 1959年(昭和34年)竣工 延長75m 幅員4.0m 有効高4.5m
 となっております。この年代が大台林道開設時期ということでしょうか。林鉄ではなく、車道としての新設道路と思われます。
   戦後生まれらしく左書きの扁額です。
 この名前は、大台町側の千尋谷からきていると
思われます。良い名前です。
 でも個人的に「センピロ」より「センジン」と呼んだ
ほうがカッコイイと思っておりますw
   木製なので消えかけていますが、
 千尋峠 標高748.?m
 と記載があります。
 いやあ、登ってきましたねえ。改めて車で来れる
のは有り難いです。
 オールコンクリ覆工のスタンダードなお姿。
 しかし今年で還暦の千尋隧道。その歳月の経過を
感じさせる風体を晒しています。
 側壁には碍子が2連付いています。
 以前は架線を張っていた模様です。
 紀北町から大台町に入りました。北側はまだ少し
暗いです。
 で、こちら側もやはりゲートが。
  父ヶ谷大台線(大台林道)

 こんな所に父ヶ谷の名前が。件の谷は遥か北方に
ある谷なんですが…そこまで接続させようという意気
込みの名称なんでしょうか…恐るべし。
 千尋隧道北側坑口です。
 年中日が当たらないと思われます。のでちょっと
苔むしています。
 一応こちらの扁額も。
 フォントは同じようです。
 因みに銘板はありませんでした。

 尾根まではまだ高低差がありますね。ここを車道にして登って峠の切り通しにするには、ちょっと窮屈な感じです。
 かなり遠回りの九十九折れにする必要がありそうです。隧道で正解ですね!
 隧道が峠、ということは…下りになるんですよね…
 なんとなく意外でした。
 …しかし、なんちゅう立派な林道か…
 普通にファミリーカーOKダートです。
 もの凄い手入れされています。ここも私的には
意外な点でした。
 
 …左手に警戒標識がありますね。落石注意かな?
 こ…これは!旧標識ではありませんか!
 
 「注意 COUTION」

 現在のエクスクラメーション(!)マークの前身、
ということで間違いないでしょうか。
 何気に嬉しいですね!

 …って、コーションって、綴りC
AUTIONではないで
すか???どう見ても二文字目が「O」に見えます
が…

 ほら…これってレア?つまり正規の標識ではない
ってことでしょうか。
 快適車道林道を緩やかに下っていきます。
 いやあ、こりゃ楽だ♪
 大きくターンして下っていくダート林道。
 ターンの手前、対岸の林道を見ると、その路肩
から延びる構造物が目に入ります。
 玉石練り積みの導水斜路が目に付きます。
 あの場所に必要な施工なんでしょうか…?

 
 名もない橋を渡ります。
  先ほどの導水斜路。
 ちゃんと機能している模様です。


 グレーチングには「大阪営林局」の文字が。
 今は近畿中国森林管理局という大きな母体に
再編されています。
 
 少し進んで振り返り。
 ここは拡幅された跡が良くわかります。
 路肩の縁石が見えている通り、かつてはこれだけ
の路面幅しかなかったようです。
 走りやすくなってますねえ。
 平成22年度
 復旧治山事業
 大杉谷(千尋谷)
 第2号鋼製谷止外工事
 施工 (株)岡本組
 三重森林管理署

 こういった看板が至る所に設置されています。
 災害があればその都度復旧されている模様です。
 振り返ってみると、施工の状態がよくわかります。
 路肩崩壊を防止する対策が取られています。
 いやあ、山深いですなあ。
 山を下っているのに対岸には人工物は全く見え
ません。 
 かなり古い時期の看板ですね。
 
 水源涵養保安林
 大杉谷国有林
 …遠い…もの凄い先が見えるだけに思ってしまい
ます。
 よくこんな道を作ったものです。ご苦労様です。
 そしてまた橋梁が。こちらは名前が判明しました。

 
森鹿橋(もりしかはし)宮川
 
昭和34年11月竣工

 だそうです。千尋隧道も竣工が昭和34年。一致
しますね!
  暗渠も跨ぎます。
 森鹿橋を潜った後の宮川のささやかな滝。
 でもちゃんと滝壺があります。 
 ミニチュアですがいい感じです。 
 …見えますでしょうか、先ほど下ってきた林道が
あんな遥か彼方に…あのラインの左奥が隧道と
思われます。
   そして遂に分岐点が現れます。
 一つのチェックポイントですな!

 …左の路肩にうつ伏せの警戒標識があります
な…当然気になる。
   おお!ナント今度は徐行です。

 …こんなんあったっけ???
 調べても出てきません。営林局独自の看板かも
しれませんな。
   轍がしっかりとついている側は千尋支線です。
 メインの大台林道は轍のない左側になります。
 千尋支線にも隧道ではないものの、おいしい物件
があるそうです。
 別の機会に行ってみたいですな!
   …まだこんだけです。これはヤバイ…
 と、当時は地図をちゃんと見てなかったので思い
ませんでしたが…
 まだ1.6㎞しかすすんでいないのか…
 先は長いぞ!

 以降 
その2 に続く!


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