三菱発動機可児久々利地下防空工場隧道群


岐阜県

その32

  


西  南2坑本坑は、東側が閉塞の為
戻って来ました。
 
 。。。さあ、困りました。この南坑、
行ける所が土嚢積み坑口3本のみ!
 どれから行くか。。。
 取りあえず、南3坑方面に繋がりそ
うな、写真突き当り向かって左手の
土嚢を攻略しましょうか。。。
南  そう、ここですここ。。。
 どんだけ奥に行ってほしくないんだ
か。。。
南  。。。うーむ。
 一旦保留したものの、行かないと
先が見えんしな。
 よっしゃ行くか!
南  ごそごそごそ。。。
 フンが付いた土嚢を移動させ、這い
蹲るようにしながら前進。。。ふう、
萎える。。。

 しかし少し進むと、すぐ安定した洞内
を見ることができます。
 助かった!
北  振り返り。
 こんな所を越えてきました。。。
 天井まで届く土嚢と錆びきった猫車
 そして手前に股高のコンクリート壁
が。。。
 うーむ、ここから先は戦後見捨てら
れたようですな。。。
北  土嚢を乗り越え、明らかに戦後打ち
捨てられた禁断の南坑エリアに踏み
込みます。
 
 一回り小さくなった西側横坑を南進
 程なく十字路が現れます。
西  先ずは右手、西側方面です。
 ここに来るともう戦後のブツを見かけ
ることがありません。
 従って当然土嚢とかもありません。
 それにしても天井が低いような。。。
西  進むにつれて天井が低くなります。
 これは天井が下がっているっていう
よりは、足元の土砂量が増えていって
る感じがします。。。
西  。。。程なく閉塞。。。
 もう屈みながらでないと進め
ません。
 天井が崩落したってよりかは瓦礫
の流入によって閉塞している感じ
です。
 ここの閉塞地点だけ生活ゴミが多い
です。土砂は洞内から流出、ゴミは
外から流入って感じがします。
東  閉塞地点より振り返り。
 ふー、屈んでの前進は腰が痛い。
東  ピカさんも途中まで入っていました。
 ねえ?低いでしょ?

 。。。って、んん?左の壁が光って
る?
東  。。。うーむ、なんか穴を埋めた跡
みたいに見えましたが、綺麗な壁面
にライトの光が反射していただけの
ようです。
 うーむ、紛らわしい。。。
東  南3坑の西側坑口へ続いていた、
はずの坑道。
 ねえ?狭いでしょ?
南  十字路に戻って来ました。
 そしてこんどは正面。南。つまりは
南4坑方面なんです。が。。。
 んんん?

 水没している、のはまだいいとして、
先が何か。。。?
南
 この水没は長靴でもきつい。。。
 限界一杯まで行って、奥を撮影。
 すると。。。
 ありゃ?閉塞しとる!?

 それも埋めて閉塞ってんじゃなく、
掘りかけ、で止まっている感じ。。。
 なんてこった。。。まさかの西側横坑
南4坑に至る手前で挫折!?
 終戦に間に合わなかったのか。。。
〜南3坑〜
東
 失意のまま今度は左手、南3坑
本坑方面を確認。
 うむ!坑道広い!
 。。。が、水没がなんか酷そうな
気が。。。
 ここは何としても突破したいが、長靴
で行けるのか。。。
 (当時はウェーダー導入前) 
東  ここで緊急事態発生!
 水没泥濘に果敢にチャレンジしてい
たピカさんが脱出不能に!
 おろろんさんが助けに入る!

 。。。その頃私は南4坑方面の水没
と格闘していて救援に行けず、写真
も撮れず。。。

 結局なんとかおろろんさんに救出
されたピカさんと長靴は。。。
 
 こんな有様に。。。
 幸い長靴越えの埋没はなかったの
ですが、泥濘の粘着度合いがきつ
いようで、これ以上の前進は困難な
状況に。。。
東  事故現場です。
 水没の始まりは特に泥濘の怖さが
際立ちます。
 ここを突破するのは不可能なのか。

 しばし一同茫然と南3坑本坑の東側
暗闇を凝視します。
 取りあえずここは大人しく引き下が
ることにしました。外からの入口が
ひょっとしたらあるかもしれませんから
ね。
 。。。しかし初めてです。この地下壕
で泥濘で先に進めなくなったのは。
 恐るべし南坑。。。
北  見事に撃沈させられた南3坑本坑。
 しかも南4坑に通じるはずの西側
横坑がまさかの掘りかけ。。。
 一筋縄では行かせてくれない南坑
の恐ろしさの第一歩です。

 。。。仕方ない。。。あの土嚢を攻め
るか。。。

 南坑の僅かな天国ゾーンである南1坑、2坑。戦後転用はここの2坑本坑のみでした。
 西側坑口方面の坑道、南3坑以南は戦後転用されることなく打ち捨てられた、真の地獄ゾーンの始まりです。
 その1発目を見事に食らっての撤退に、心が折れかけます。が、取り敢えず行ける所をまず潰す!
 次回は南1坑、2坑の西側坑口方面の坑道を当たります。

 以降、 
その33 に続く