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全長380kmを超え、和歌山県内では紀伊半島沿岸
をひたすら舐めるように走る紀勢本線。全通は鉄道史に
おいて比較的遅いようで、果たして廃されたトンネルは
存在するのだろうか、と思っておりましたが。。。
この隧道は「大狗子隧道」といい、現国道42号線に存在
する「大狗子トンネル」の旧トンネルである。。。と、思って
いました。確かに間違いないようですが、この隧道は車道
隧道として誕生した訳ではありませんでした。
「大狗子隧道」の山手側に国道の大狗子トンネル。で、
海側に鉄道の大狗子トンネルがあります。この大狗子隧
道は実は鉄道のトンネルとして誕生したようです。
写真を撮影した当時は車道旧隧道として何も不思議に
感じておりませんでしたが。。。車道転用時に拡幅工事を
受けているのでしょうか、鉄道用としては広いですし。元々
レンガトンネルだったのかも知れません。 |
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で、こちらは「小狗子隧道」です。
遍歴はやはり、鉄道トンネル→国道車道隧道→旧車道
隧道で大狗子隧道と同じですが、こちらは既に廃隧道と
なっております。
マピオンの地図で見ると、線形でいえば確かに鉄道路
線と合う感じがします。 |
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さて、本番はここからです。結論から、この周辺の紀勢
本線廃トンネルは3つ!まずは南から、大狗子、小狗子
トンネルに続く3番目のトンネルであります。
その名を「袖摺トンネル」。那智勝浦町と新宮市境をまた
ぐように存在し、現役の鉄道トンネルも存在します。
国道は山を迂回し、海岸線一杯を使って抜けています。
ご覧の写真はトンネル北側付近に存在する古い廃橋。
果たしてあれは鉄道用? |
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廃橋方面に入りました。国道は海岸線をショートカットす
るかのような線形で、山肌に向かって伸びています。
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明らかに車道用と分かる廃橋。どうやら旧国道の廃橋
のようです。にしてはかなり幅がない気がします。しかも
すぐに山肌にぶつかり、左急カーブにて海岸線に取り付い
ていたようです。
これは車道用でもかなり線形はきついなあ。国道だと
かなり厳しいでしょう。ので新橋が架けられて線形を改良
したようです。 |
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振り返ると現国道と合流します。
ここに車は停めることができました。 |
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橋を渡り、真新しいフェンスの横を抜けて対岸に降り立ち
ます。車道はフェンスと何かしらの施設によって消えてし
まっていました。
鉄道路面はもう少し山手、車道と反対の方向に歩を進め
ると現れると思うのですが。。。 |
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!!!
いきなり眼前に現れました!比較的車道から近い位置
に存在しました。
現在の鉄道路線はもっと山手を現行袖摺トンネルで抜け
ています。 |
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旧袖摺トンネルです。
こんな近畿南方の地域にこれ程立派な坑門を有する
廃トンネルがあるとは思っていませんでした。
ピラスター部分が下部程太く、また前に迫り出していま
す。結構な意匠をこらしています。 |
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笠石、帯石、それに要石ともに切石を配し、他は全てレ
ンガで覆われている。迫石の巻厚は5層と多め。レンガ
組みはフランス積みである。
非常に見事という他ない。 |
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真後ろを振り返るとこの有様。海に注ぐ小さな川沿いに
旧路面が続き、現役路線に合流してから川を渡るのか、
独自の橋を持っていたのか分かりませんが、近々合流し
ます。見ておけば良かったなあ。。。 |
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こういったルートでトンネルがあったのでは。超推測です
ので悪しからず。。。 |
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坑門は廃されて尚、雄大な姿を披露してくれましたが、
やはり体内までは、その老いた姿を隠すことができなかっ
たようです。坑門付近数m、いつ丸ごと崩壊してもおかしく
ない亀裂の入りようです。白化も進んでいます。 |
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しかしながら体内から望むその景色には魅入られます。
坑口のアーチは同じ様をしていますが、内のアーチに刻
まれた歴史の年輪と、外に見える景色のなんと千差万別
なことか。。。
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改めて洞内です。反対側はそう遠くない所に日の光を
発しています。
アーチは結構高めの切石とレンガで構成されています。
路面は。。。結構ぼこぼこですねえ。タイヤも転がってる
し。。。 |
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退避口はどこでも必ず存在します。
これは2重欠円アーチ付きです。 |
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進むにつれて、日の光が大きくなるにつれて足元が覚
束なくなってきます。投棄物がどんどん増えていっている
感じがします。 |
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これはすでに渡ってから振り向いて撮影したのですが、
巨大な切石が何個も横たわっています。こんな投棄物は
あまり見たことありません。 |
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一時得られる平静さ(平坦さ)。ここは枕木の跡がうっす
ら残っている感じがします。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。が、しかし。。。。。。 |
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。。。。。。。。。。。。こ、この有様は。。。。
なんやねん、この夥しい投棄の量は!!!
よとと史上稀に見る惨状です。タイヤ投棄満載の奥山田
隧道以来です、これは。。。
アーチレンガの色が残り、退避口の欠円アーチもいい色
出しているのに全て台無しです。 |
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瓦礫の山から南側坑口を望む。。。
どうも終着地点までこの有様は続いている模様。。。
他のどんな障害物よりも怪我の危険を伴うため、通過は
全くおすすめしません。 |
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そして振り返り。
やたら背高のっぽさんになった感覚ですが、それだけの
量の瓦礫が溜まっている証拠です。 |
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視点を低くしてみてもその量たるやえげつない。
とりあえず何を考えているのか、よととはこの瓦礫を渡っ
てしまいました。マジで怪我する、やめたほうが良い。 |
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むむ!瓦礫が途切れた。。。
南側坑口間近で途切れました。良かった。。。 |
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久しぶりの洞床の感触が心地いい。
南側坑口はもうまもなく。 |
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振り返れば瓦礫の山々が遠くに。トンネルの南側寄りに
投棄物は集中していました。 |
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さて、坑口からの景色はいかな美しさよ。。。って、あれ
れ?なんだこの建物わ。。。
シャッター付きの建物が視界を完全に塞いでいます。 |
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綺麗なアーチを残しているかと思いきや、四角くごっそり
アーチの一部がなくなっている箇所が。。。ナンなんでしょ
うか、何か人為的っぽく見えますが? |
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建物が邪魔で全体像がなかなか撮影できません。
日の反射と緑の密生により綺麗に撮影できませんでし
た。 |
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レンガにうっすら「No.3」と書かれてあるのが見えまし
た。新宮駅から数えて3個目ですから、No.3なんでしょう
か。 |
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結局南側坑口は、建物が坑口の真ん前に建てられてい
るために、全体像が全く見通せません。
この南側坑口は国道の真隣に近接して存在しており、
建物がないと衆人環視の元に晒されるはずであるが、幸
か不幸か建物が完全にその姿を覆い隠しています。
よって、それ、を求めて注視しないと発見は困難です。
国道から見える遺構は、トンネル上部の笠石から帯石
までの一部分のみでした。
やはり中も外も堪能するなら北側坑口ですね。
さて、次は残る2本の探索です。この2本は近接して存
在するらしく、旧袖摺トンネル級の坑門を期待して、
以降、中盤戦へ! |