石部磯浜トンネル、横坑群


旧東海道本線 静岡県焼津駅〜用宗駅間


その3

  


                  2016年1月訪問


 旧道洞門群をつっきり、海上道路橋の駐車場まで戻ってきました。
 この場所で旧道と現道が合流し、石部隧道に突っ込みます。手前のこの洞門は現道改修時に新設されたものです。
 折角なんで、石部隧道もチェックすることに。

 この県道は2016年1月現在、道路決壊により通り抜けができません。
 ので、交通量が殆どありません。これ幸いとばかりにゆっくり鑑賞します。

 石部隧道(セキベズイドウ) 
 1943年(昭和18年)竣功 延長120m 幅員5.4m 高さ4.5m ※全国道路トンネルリストより
 
因みに当方ずっとイシベズイドウと思ってました…URLがisibeisohamaとなってますが、ご勘弁下さい…

 旧道が現役だったころは坑門が見えていたのかもしれませんが、今はがっつり洞門が被っています。
 お陰で扁額が見えません。あったかどうかも分かりませんが…
 昭和18年の隧道ですが、迫石が江戸切の
大きな切石です。
 要石はあったんですかねえ。

 今は県道ですが、バイパスが通る前はここが国道150号線だったといいます。
 とても国道1号線のある東海道と幹線を二分していた隧道とは思えない狭さですね…
 寸断されていることもあって、今では殆ど車が通らない寂しい隧道になっています。

 国道時代にはこんな写真は撮れなかったで
しょうねえ。
 反対側まで歩いてきました。

 反対側からも分厚い洞門がぴったりと隧道に張り付いています。
 ここが幹線道路のままだったら、撮影困難度AAAの物件になっていたことでしょう。
 ちなみにこの洞門も海上道路橋建設と共に新設されたもののようで、以前は第六、第七洞門があったそうです。
 振り返り。
 完全な密着っぷりです。
 坑門もコンクリ改修されているように感じます。
 往時の姿を見てみたかったですねえ。

 石部隧道とはこれでお別れ。
 次は2本目の横坑に挑みます。

 海上道路橋の駐車場から、石部隧道を右手に護岸を歩きます。
 ここから例の横坑に行けるそうです。

 途切れる護岸。そこからは消波ブロック、波打ち際を歩くことになります。
 ここは潮の加減で歩けたり歩けなかったりするそうです。只今の時刻、9時54分。今は潮が引いている模様です。
 ここで気になるものが2つ。
 一つは右手法面に開く穴。そして中央左寄り、目線の先には…

 出ました!!!
 あの煉瓦の塊を見たくてはるばる320km西からやって参りました。
 いやあ、感無量っす。
 しかし、今は我慢!先に第二の横坑を目指します。
 護岸から消波ブロックにはこのような階段が
設置されていました。
 しかし鉄筋製ながらほっそいはしごです。すん
ごいたわみます…
 とのたまさんが秘密道具の脚立を担いで降り
ます。

 謎の穴パート2
 すんごい中途半端な場所にこの穴は開いております。

 見上げる所にこの穴が…なんじゃこの残り方は…
 上部に県道の洞門があり、法面はみっちりコンクリ擁壁化。波打ち際の法面も最近になってコンクリ吹き付けされた
ようで、ますますアプローチが困難になっております。
 四方が人工物に囲まれ、ここだけ素掘りの状態で穴が開いています。よくここだけ残ったものです。

−廃墟日常記録帳−空母欲奈さんブログより転載
 空母さんブログからお借りしました。
 こんな感じで脚立を設置。微妙に届いて
なかったですが、なんとかよじ登ることに成功。
 ロープも併用して3人が穴に入りました。
 おろろんさんは先に煉瓦の塊を偵察に行って
います。

 内部は完全素掘り…
 ってか、なんか穴、ちっさくないですか???

 …すんごいちいさい…
 なんだこりゃ!?これも最初に入り込んだ人は凄いな…

 坑口の方はこの大きさです。余裕で立っていられます。
 どうやら内部は限界まで埋めてしまったのではないでしょうか。
 

 ズリズリズリ…ううう…狭いよ〜
 ホントに四つん這いです。濡れてなくてよかった…

 奥の方に進むと、徐々に床が低くなっていきます。
 盛り土は奥の方まではパンパンではないようです。助かった…

 床が往時の状態に戻った時には…もう閉塞です。
 しかし!そこには煉瓦アーチが残されていました。何たるご褒美!ありがたいっすね〜

 煉瓦アーチがある、ということはここも東海道本線の横坑。しかも初代のものです。これで横坑は2本目です。
 横坑でもちゃんと巻き立ててあるのがすごいですねえ。

 ここは煉瓦の欠損もなくみっちり塞がれています。
 土砂も堆積しているので、見えているのはこれだけです。

 最深部より振り返り。
 そこまで深くはない横坑ですが、入り口がかなり狭い物件でございました。

 脱出…また四つん這いか…
 ご覧ください、この有様です…

 日差しが眩しい…あと少しです。

 無事脱出!ふう〜やれやれ…

 無事下に降りてきました。梯子がないと絶対無理っすね、こりゃ…

 さあ!ついにあの転がっている驚異的な物件の探索に着手します!
 まだ潮はぎりぎり迫ってませんので、このまま突撃します。

 見上げると、すんごい光景が広がっています。
 塗り固められた絶壁に松が2本。うーむ…シュールです…

 地形に沿って、よくここまで塗り固めたものです。
 潮による浸食もこれで大分防げそうです。

 目前まで迫ってきました!
 因みに砂浜の足跡は先行調査で往復したおろろんさんのものです。

 背後から、「穴が見える」という声掛けを受け振り返ると、頭上のあんな所に…

 一見しただけは気付けないような状態で穴が開いています。
 なんちゅうところに…
 しかしことごとく穴はあけたままなんですな…
 で、アプローチは、外側からだとかなり危険です。しかし、安心してください!内部から入れますよ!
 ってなわけでお預けです。

 まだ見てませんが、恐らくは隧道の横っ面だとは思いますが…すごい石積みです!
 何十段あるんだ…。早速の壮観です。

 遂に…遂に眼前までやって参りました!うれしー!!!
 夢にまで見たこの廃景!
 次回、じっくり堪能します!

 以降 
その4 に続く!