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この場所に辿り着くのは並大抵ではありませ
ん。三重県熊野市、と一応市内に位置しつつも
その実態は山奥も山奥、長い長い工程を経て
辿りつかなくてはなりません。
理由は当然山深き場所なのですが、その他
に、長大林道であるが、路面崩落によりその
大部分が通行止めとなっているためである。
この「洞門」と呼ばれる珍しい隧道への現在
最良のアクセス方法をご紹介しますと。。。
まず三重県側からのアクセスは、洞門のある
大又林道が早い段階で通行止めとなるため、
徒歩で進軍するにはあまりにも遠すぎで非現
実的。ついでに北側にある佐渡林道も通行止
めである。
となると、奈良県からのアクセスしかない。
南北に伸びる国道169号線から尾鷲市に繋
がる長距離山中を行く国道425号線へ入り、
備後橋の手前、備後川林道に侵入します。備
後川と県境に添うように林道を行くと。。。何の
前触れもなくトラロープに遮られ、そのすぐ先に
はご覧のような路肩崩落現場に辿り着いてし
まいます。。。
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この崩落現場は以下の付近です。
かの「洞門」まであと少し!なのである。
しかも道の分岐点間近であり、一番重要な
ポイントが崩落していると言ってもよいでしょう。
その分岐点はまさに、「備後川林道」「佐渡林
道」そして「大又林道」の3つが出会う場所なの
ですから。。。やはり、奈良県に繋がる側の「備
後川林道」の崩落が痛い。佐渡と大又のどちら
かの崩落であれば、三重県に行ことは可能な
のですから。急所を衝かれたこの3つの林道
はその機能を失い、三重県側の2つは完全麻
痺、なぜか奈良県側だけは封鎖されずに直前
まで来れるのである。
しかし見た瞬間4輪はどうアクロバットしても
通過は不能。辛うじて歩行者、2輪の隙間のみ
残されています。 |
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まさか、とは思いましたが、車らしきものが川
底に見えます。土砂に埋もれ、見るも無残な
姿である。まさか走行中に巻き込まれたので
しょうか。。。運転者の無事を祈ります。 |
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大又林道から、右手佐渡林道、左手備後川
林道を見る。(厳密には、備後川林道はもう少
し手前で終点の看板がるため、ここの地点は
佐渡林道なのかも知れませんが、便宜上3つ
に分けて記しています。)
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三叉路から500m程、フラットダートに周辺の
整備跡、U字カーブ内側斜面の大崩落地点を
抜けると、一気に雰囲気が変わる光景に出く
わしました。
濃い靄がかかり、この日も30℃近い暑さの中
冷気を感じる暗い影。。。冷気以上に寒気を
覚えました。 |
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池ノ宿洞門の登場です。
まさに事前の知識全くなかったため、この姿
に畏怖しました。まさに林鉄のトンネル、という
感じ。廃されていても至極自然な感じがするぐ
らい、現役でいることに非常に違和感を感じる
お姿です。これが車道なのか。。。 |
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坑門前から振り返り撮影。
冷気が背後から首筋を冷やしつつ流れて、
消えていきます。さむーい。 |
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その扁額にははっきりと「池宿洞門」の文字
が。わざわざ洞門と名づけた意味が、この雰囲
気から非常に納得させられました。 |
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笠石的なものがある以外は、のぺっとした何
の衣裳も纏わない無骨な隧道です。
まさに機能のみ重視。 |
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入り口付近には何と説明板が。
奈良方面側が五郷町桃崎です。でもこの地
名ははるか南方の町名です。かなり大きな範
囲を有する町だったのでしょう。(現在、飛鳥町
も含めて三重県熊野市)
池ノ宿洞門竣工は昭和13年。やっぱり森林
軌道用として穿たれたようですね。そしてなぜ
か、昭和30年に「一部」拡幅されています。なぜ
一部???飛鳥町しか資金を出さなかったか
らでしょうか。珍しいっすねえ。
そして、最大の謎&興味最大の「通称3号トン
ネル」の表記。3号?どこから?この周辺で残っ
ている隧道は、大又林道の「大又隧道」、備後
川林道の「備後川隧道」の2つだけ、だと思う
のですが。。。上記2つの隧道の真ん中に位置
する池ノ宿洞門。どう数えても3号になり得ませ
ん。ひょっとしたらどこかに1号、2号が潜んでい
るかもしれません!この林鉄跡は再調査が必
要です。 |
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逸る気持ちを抑えつつ、今この洞門に集中し
ます。靄がとにかくすごい。そしてかなり涼しい。
そういう意味ではすごい落ち着きます。
入り口のみコンクリ巻きで、中は素掘り、定番
です。すでに向こう側の光も見えています。
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幅2.4mの素掘り隧道。。。相当圧迫感が
あります。果たしてアテンザ君が通れるのか。
チャレンジできる日はいつになるのやら。。。 |
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奈良方面側坑口。いい絵撮れました。 |
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奈良方面振り返り撮影。
小さな待避口が掘られています。
やはり林鉄跡ですねえ。 |
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ちょうど旧町境でしょうか、隧道の真ん中付近
奈良方面を振り返って撮影しました。やはり
途中までしっかり拡幅されていました。路面に
は、センターラインによく埋めてある反射鋲(何
というのでしょう?)が設置してあり、壁には矢
印が。三重方面から知らないで突撃したらさぞ
びっくりすることでしょう。 |
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飛鳥町側はやはりいろいろ手を加えている
ようで、コンクリ巻きも多めとなっております。
幅が2.4m→3.4mと、1m広くなるだけで
かなり安心感が違います。逆に面白みも減る
のが難点ですが。。。 |
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こう撮るとやっぱりいい雰囲気です。 |
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三重、国道42号線方面坑口です。
靄がかかることもなく、反対側のような幻想的
な雰囲気はありません。 |
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それなりの急カーブを描いて突入する線形と、
離合のための待避所がない感じがやはり車道
らしくありません。 |
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こうして285mの幅の異なる隧道、否、洞門
を通過していきます。
この先、また延々と林道が続きます。10kmで
はきかないと思います。はるか先で大又隧道
にもいつか出会うことができます。
それにしても、面白い宿題を残してくれました。
また、機会を見つけて周辺調査したいと思いま
す。 |