遠州遠征オフ 2016


静岡県

2日目 その1

  


                       2016年1月訪問

 遠州オフ2016、2日目。
 雨が降りしきる1日目から引き続き、早朝まで雨、雨、雨…
 こりゃあ、今回誰も集まらないな…と思ってたんですが、
現れた2台の車両。おろろんカーとペッカーカーです。
 えええ!?まぢ?
 まぢです。普通に現れたお二方。雨の事は話題にも触れ
ず、本日の探索ポイントの話へ。うーむ、筋金入りやな…
 
 本日の探索ポイントは、前回の2014オフでとりこぼした
物件の調査です。
 1件目の探索ポイントへの入り口はここ。
 ???茶畑が広がるこんなところに隧道なんてあるの?
ってな感じですが、これがあるんですねえ〜

 静岡県袋井市山田。県道283号線から側道に入り東へ。茶畑の中の、とても一般道とは思えない道を進みます。
 で、行きついたのが上の航空写真の場所です。茶畑はここで終わり、ここからは山中となります。
 道は簡易なゲートで封鎖していますが、車両を絶対的に止める!ってな感じは見受けられません。
 が、車はここに停めておき、徒歩で入ることにします。 

 振り返れば左手に広がる茶畑。
 これが本当に一般道?
 

 幸い雨は止み、霞がかかる程度で落ち着いています。
 道は未舗装となり、完全な山道へと変貌します。が、道はフラットで道幅もあります。

 振り返り。茶畑の道とのギャップが激しいですなあ。

 完全な山道ですな…。
 シングルトラックのみ確認できます。2輪車は通ることがあるようです。

 もっと荒れた道を歩く覚悟をしていたんですが、予想外に綺麗な道。
 定期的に整備がされている模様です。
 それにしても、徐々に下る道…こんな道に隧道なんてあるの? 

 そして程なく。
 まさか…と思えるほど唐突に例の雰囲気を感じます。本当にあるのか…

 間違いない!これは見紛うことない隧道ライン!
 そして決定的な高さ制限標識!


 本当にありやがった…

 途中までまったくもって雰囲気を感じなかった隧道臭…。
 俄かに信じ難い気持ちでしたが、本当に存在しました…

 ここまではきっちり林道規格。軽トラなら楽に来れる行程です。
 ところが隧道をしっかりみてみると…


 車…ムリ!
 
 即断できるそのお姿にしばし呆然…
 今までのお気楽林道の雰囲気から一変…廃隧道然としたそのお姿に圧倒されます。
 なぜにこのような状態に!?

 名称の記載のある資料は確認できておりません。
 よって、名称は
(仮)袋井山田隧道とさせて頂きます。
 竣功年度やスペックなどは全て不明。ただ、高さ制限は2.0mです。
 …しかし、原形が相当に崩れている感じがします。隧道周りの坑門部分と天井部の土の色が異なりますが、その両方共が
かなり崩落している模様です。
 その崩土が坑門前に溜まり、車道としての機能を完全に喪失しています。
 

 内部は…少々水没しています。
 長雨の後なんで不思議ではありませんが、流入路が分かりません。
 洞内にぽたぽたしている所もありませんし、乾燥しているように見えます。
 外からの流入も土砂があるので、?です。
 土砂の内部から染み出てるのかな?

 見上げると、その惨状がよく分かります。
 相当な掘れ上がりです。徐々にこうやって崩れていくんでしょうか…

 ペッカーさんが先陣を切ります。どうやら水没&泥濘は長靴レベルのようです。
 あれだけの雨が降った後でもこの程度なら、普段はもう少し水がないんでしょうねえ。

 振り返り。こちらが西側坑口です。口径がかなりいびつです。
 これで掘れ上がっていることがよく分かります。 

 一方の東側坑口。間違い探しの様に口径が酷似しています。
 掘れ上がりが少し少ないですかね?崩土も少なそうです。

 無事渡渉し、振り返り。
 この水はどこにいくんでしょうか。

 今来た西側を見ます。やはり西側の方が崩土の流入が多いですね。

 東側に渡りました。
 対岸にいるのはおろろんさんです。
 崩土はこちらもあるものの、こちらの方がアーチの雰囲気を残しています。 

 東側の林道も隧道の惨状を微塵も感じさせない程安定しているように見えます。
 要するにボトルネックはこの隧道のみ。ここさえ改修すれば普通に林道として機能するように思われます。

 東側坑口です。
 いい隧道突入ラインです。念のためですが、いいライン=良い線形では全くなく、ただ当方の変態的な美意識だけのものです。
 線形で言えばこれは宜しくないですねえ、見通し悪い所に隧道なんて…。林道だから許される線形ですね。 

 こちらも崩落は起きてますが、原形がなんとなく想像出来ますね。
 崩れた部分も良くわかります。完成当時はもう少し延長があったんでしょうね。

 両側の林道は現役然としていますが、この隧道だけが廃隧道まっしぐらです。
 それをあの簡易なゲートのみで封鎖しているのが、私的には信じ難いところです。
 うっかり侵入するとえらい目に遭います。間違ってもジムニーで突っ込まないで下さい!(行けそうなのが逆に怖い…)
 (仮)袋井山田隧道の場所はここです。
 どういった由来のある道なのか…
 その辺りは全く不明ですが、隧道が確かに存在しており
ました!
 さて、2件目に向かいます。
 2件目もネットで拝見したんですが、よくこんなもの見つけ
たな〜!と驚きを隠せない物件です。
 場所はここ。
 掛川市遊家という地区内にあります。
 ここも隧道別にいらないんぢゃね?的な場所です。

 県道81号線から南を向くと、大きな池があります。

 振り返って北側。ちょっと平地になっているとはいえ、奥に何かがある匂いは微塵も感じません。
 本当によく見つけたな…

 入ってすぐ。右手の山肌に開く塞がれた穴を発見。どうやら防空壕的なものであるらしい。
 この辺りに複数こういった穴が開いているそうです。

 さらにもう一か所発見。
 この穴たちに誘われるように奥に奥に歩を進めます。 

 さらに奥に進むとこのような切り込みがちらほら見られます。
 なんだろう、これは?足元を照らすランタンみたいなものを置いていたんでしょうか。
 それか、お地蔵さんがいらっしゃった?

 不規則にちょろちょろ開く謎の窪み。気になる…

 やがて平地は姿を消し、奥の山肌が迫ってくるころになって、なにやら地形に違和感が出てきます。

 木々の間に不自然な窪みが続いています。
 小川の筋なのか? 

 しかしそうではないことがすぐに分かります。そして、急速に”ヤツ”の匂いがプンプンし出します!
 これは明らかな掘割り!そしてやや右に曲がった先に”ヤツ”の存在を感じる!!!

 本当に”ヤツ”は潜んでおりました…
 こんな所に…。

 人工の掘割りから繋がる穴。明らかに他の防空壕とは雰囲気が異なります。

 振り返り。
 見事な掘割りが伸びています。

 西側坑口から内部の様子です。
 むむむ?奥で閉塞してる?

 三角屋根の隧道内部に潜入します。
 何か落ちてますね。
 農機具の部品でしょうか。

 予想外に綺麗な洞内。
 土質なのか、ごつごつ感がなく、白っぽくさらさらした雰囲気です。
 いやあ、関西ではありえない隧道です。

 振り返り。
 いびつな形ですねえ。

 で、閉塞?と思われた隧道ですが、先に進むと突然東側の光が現れました。
 どうなってるんだ???
 よく見ると東側に向けて坂になってるのが分かります。どうやら両坑口で高低差があるようです。

 両側から掘り進めて、高さが一致しなかったから無理矢理合わせたって感じですかねえ。。

 坂の寸前で振り返り。
 ここまではフラットなんですがねえ。

 車のシートが2つ転がっています。

 坂の途中で振り返り。
 結構坂感が出てるかと。もう西側の坑口が消えました。

 冷蔵庫が転がってたりします。

 坂の上から振り返り。
 これも結構坂感出てますねえ。

 東側坑口に辿り着きました。
 こちら側は丸く成形されてますね。
 で、先人様の情報になかった、看板が立てられています。

 東側坑口から洞内を望む。えらい下っているのが分かります。
 こっち側から来たら怖かったでしょうねえ…。

 東側坑口に到着!
 …で、看板は…「危険 立ち入り禁止 掛川市」
 ぬおおおお!何と、掛川市が把握しとるがな!!!?
 さすが穴王国のお役所。しかし看板一つで、封鎖してしまわない所がいいですねえ。

 東側坑口前には茶畑が広がっています。
 少し前までは休憩場所として使っていたのかもしれません。
 通路としてはもう何十年も使ってないでしょうねえ。

 道はすぐ下る感じになってます。
 坑口前で上って洞内で下る…うーむ…謎ですな。
 で、名称何ですがこれが非常に困ります。

 隧道データベースには 
遊家隧道 一般県道赤根金谷線 所在袋井市(→掛川市かと)遊家
 延長80.0m 幅員3.0m 高さ0m(不明ってこと?) 竣功年度不明

 というのがあります。
 が、明らかにこれとは違います。こちらは開削されてしまっていると思われます。
 
 周辺に防空壕があることから隧道が穿たれたのもその時期ではないかと推測します。
 なので恐らく名前はないのでしょう。しかし名無しも困りますんでやはり地区名を入れて、
(仮)遊家隧道
 しておこうと思います。

 以降、 
2日目その2 へ続く!