林道大平線隧道群


富山県


後半戦

 


                    2016年8月訪問

 境川第一発電所取水口と第三発電所の位置です。
 地図計測で、駐車場所からおよそ2.5kmの行程
です。
 ゆっくり探索しつつで40分程の所要時間でした。

 第三発電所を横目にカーブを曲がります。そして振り返り。
 右の道から来ました。左の道は上記地図の通り、点線道に向かう道です。

 そのまま直進すると、2本目の隧道ポイントはすぐとなります。
 さあ、一体どんな隧道なのか…

 きました2本目!
 橋梁を挟んでの隧道!やはり地理院地図は正確です。本当にありました! 

 山中奥深くに人知れず眠る(一応現役ですが)欠円タイプのコンクリ隧道!
 素掘りのままでも不思議ではない場所だけに、やはり発電所が絡むとかなり手が入るようですな。

 険酷隧さんがお仕事をこなしてらっしゃいます。 

 ふと川床を見ると…
 むむむむむ!あ、あれは!

 おおお!古レールダ!90度折れ曲がった状態で川床に…
 発電所建設時に使用されていたトロッコ用のレールでしょうか。これは気になりますねえ。

 まあ、考えても分かりませんので隧道に戻ります。
 残念ながら扁額はおろか、銘板的なものも一切ございません。
 当然、各種資料にも存在しない無名隧道。勝手に名称を付けさせて頂きます。

 
(仮)亀ヶ淵隧道 地名から付けさせて頂きました。なかなかいい名前です。

 内部へ…おお!内部は素掘りです。素掘りのモルタル吹き付けとなっております。
 岩盤を刳り貫いたお馴染みの雰囲気です。

 振り返り。

 いやあ、結構おどろおどろしい雰囲気になっておりますなあ。
 坑門の欠円アーチ同様、素掘りの洞内も四角に近い掘り方になっています。
 これならそこそこのトラックなら容易に潜れそうです。

 また欠円コンクリアーチに戻ります。先は少し右に曲がってますね。

 天井部が綺麗に補修されています。
 かなり新しい補修です。

 何やら赤いペイントが。
 ひびのラインですね。
 ひびを挟んでボルトで固定している金具は何で
しょうねえ。

 右に曲がっていく線形になると、左側に小窓が連なるようになります。
 どうやら途中から洞門になっている模様です。

 真っ直ぐになりました。結構長いです。

 少し進んで振り返り。左側にはアンカーが3本1セットで打ち込んであります。
 右側のアーチ小窓の足も補修されているようです。

 漸く抜けました。(仮)大平2号隧道は洞門とワンセットになっていました。
 そして補修の度合いが凄い。とてもこんな山間部のトンネルとは思えない程の補修です。
 やはり発電所関連というのが大きいようですねえ。

 少し進んで振り返り。
 何か線形が変です。未舗装部分とコンクリ床面との繋がりがありません。
 原因は左の法面にありそうです。法面崩壊により土砂が流出。除去後、分厚いコンクリで擁壁を作り、流れ出た土砂を利用
して路肩を広げてこのような姿になったのではないでしょうか。あくまで推測ですが。

 さらに進んで振り返り。まだ2号隧道付属の洞門が見えています。発電所の鉄塔も見えますねえ。

 どんどん奥に入り込む林道。開設時の苦労が思いやられます。

 おお!?隧道らしきものが現れました。予想よりも少し早いですが…?

 おおお…これは洞門、ですな。

 短い洞門。ここは全く補修されておらず、建設時のままの姿に感じます。

 土被りは殆どなく、草木だけが侵食しています。
 それにしても薄いですなあ。

 反対側には坑門が付いておりました。向こうは欠円アーチ部しかありませんでしたが…

 ずんずん進みます。いやあ、さすがに疲れますなあ。
 しかし暑さがだいぶましな気がします。土地柄です、助かりますねえ。
 無名の橋を渡ります。

 険酷隧さんが擁壁部分に面白いものを発見します。
 むむむ!?あやつは!

 なんと贅沢な古レールの防護柵です。しかしこれは強いでしょうな。しっかり瓦礫を受け止めています。
 よく見るとレールの太さが異なります。
 上のはトロッコ軌道でよく見られる軽レールですが、
下のはどう見ても太い。
 軽レールでも最大22kgレール(1mあたりの重量
22kg)というのがあり、それかもしれませんが、ひょっ
としたらローカル在来線用の40kgNレールかもしれ
ません。
 刻印などを探す気力はありませんでした…

 そして…やつは突然現れます。
 道は何事も無くまっすぐ進み、左にやや曲がる…が…右側の暗い影はナニ?

 どでかい擁壁に思いっきり被られている謎の…隧道!?

 おおお…このパターンか…
 何か分かりました。元々の隧道(洞門?)は右側山肌の異変により放棄。川床を一部埋め立てて新しいルートを開設した…
 そんな感じではないでしょうか。
 このパターン、記憶があります。奈良県の(仮)旭隧道と似ています。

 巨大な擁壁が半分ぐらい被っています。よほど法面の状態が思わしくないんでしょうねえ。
 全力で支えに走っています。

 内部は…えらいことになっています。
 法面用の防護ネットが押し込められています。どこかで使用していたものを詰め込んだようです。
 どうでもいいですが、これって、思いっきり洞門ですな…。しかしコウモリさんがたくさん住んでおられます。
 で、こちら側から抜けられませんな、回り込みます。

 拡幅したであろう現車道。右側の洞門が擁壁の代わりをしているようです。

 振り返り。うーむ、えらい状態ですなあ。そしてやっぱり(仮)旭隧道に似とるな。
 あっちもかなり洞門っぽかったですが、こちらはますます洞門です。
 国土地理院の地図と見比べてみると、やはりこれが3本目のトンネル表記の物件に間違いないようです。
 うーむ、何とも複雑な幕切れですが…しかし未知の物件が確認できたのは良かったです。

 そして、先程から気になっていた廃車様。マイクロバスのような感じです。

 ドライブイン 境川

 おおお…まさかの送迎バス!?
 ドライブイン境川は現在は廃業しており、存在しません。
 ドライブインのあった場所はここです。ストリートビューではこんな感じです。
 2016年8月現在、この建物が存在するか分かりません。当方もここを通過してますが、記憶にございません…

 車内の様子です。

 で、この車両の車種が気になっておりましたが…

 トヨタ車です。丸ランプとエンブレムが懐かしい雰囲気です。
 トヨタのコースターでした!

 今も生産されている車種ですね!
 Wikipediaによると、これは初代コースターです。
 丸ランプは初代の証です。
 今では3代目まで出ております。

 
 3本目のトンネル表記はここです。
 駐車場所からの所要時間はおよそ1時間半。
 距離にして約3.6kmの行程でした。
 
 当初は、これが3本目?という疑問があったので、
もう少し足を伸ばしています。本当は第三発電所の
取水口がある寺谷まで行きたかったんですが、時間
的な都合で諦めました。

 

 隧道ではなく残念ですが、もやもやが解消されてよかったです!
 こんな山中奥深くの廃洞門まで記載するとは、国土地理院、素晴らしい!そのマニアックさ、今後も期待しております(笑)

 で、この後、帰り道にエクストラステージその1(謎)を堪能し、境川第6砂防堰堤でその2を楽しんでおしまい!だったんですが…
険酷隧さんがエクストラステージその3を発見してしまいました…

 それがこれです。…ええええええ!?ナニコレ???
 あんな上空にコンクリの穴!?

写真提供:険酷隧さん
 高低差はこんな感じです。こんな中途半端な場所に、何故開口!?

写真提供:険酷隧さん
 取り急ぎ攀じ登ってみました。やはり斜面と対角に飛び出しており、境川の対岸に向けて…という様子もありません。
 なんなんでしょうか。昔の林道の床面はここだったとか?うーむ…???
 取り敢えず中に入ってみます。

 おおおおお…何だこれは…閉塞することなく伸びています。

 振り返り。そのまま林道までまっさかさまです。

 左に折れて、素掘りになります。左は上流方面ですな…

 素掘りになるものの、足場はコンクリで固められており、人道隧道であることを窺わせます。

 振り返って、コンクリとの境目…うーむ…

 まだ続いています…。少し崩落している場所が出てきました。

 土砂の向こうは…あちゃ〜…水没してしまっております。
 今は長靴ではないので、これ以上の進軍はできません。
 因みに奥でブレてるのはこうもりさんです。それにしてもこうもりさんのグアノ臭が凄まじい…環境は良くありません。
 残念ですが、エクストラステージその3はお預けです。

 限界地点から振り返り。
 一体何者なのか、この隧道は…???
 単に発電所用管理用雪中隧道なのか?反対側は確認できておりません。
 境川第一発電所の導水隧道はこちら側ではありませんので、点検用横坑ではありません。
 えらい宿題を残してしまいましたが、最低でもまた来年の夏に富山県に参ります。リベンジ決定!