播但線廃線跡トンネル

兵庫県 長谷駅〜生野駅間


  

向山トンネル編  
 その情報は地図以外で得られていません。
 地図を眺めている時にふと目に入った点線
道とトンネル表記2つ。ルート的にこれはJR
播但線の廃線跡と廃トンネルに間違いない、
と感じました。線形改良で、現在のルートとは
違い市川を挟んで対岸にあります。
 朝来市生野。播但線の中で最も難所とされ
ている場所で、以前は鉄道事故も発生してい
るようです。事故がルート変更の要因かは定
かではありませんが、ルート変更により廃され
た区間は僅か1kmと少し。福知山線の武田
尾区間とは目的が少々違うのかも知れませ
ん。とりあえずこの廃線廃トンネルに関する
情報は未だ不明なままです。
 この廃線跡へのアクセスは、北側の市川を
渡る橋からと思って、やって参ったのですが
。。。。。。。

※しろ氏から情報を頂戴し、廃止年やトンネル
名が判明しました!ありがとうございます。
 ありゃまああ。。。完全封鎖です。
 どうあっても通ってほしくなさげです。
橋向こうは会社の敷地内のようで、トラック等
が活動しています。
ここはだめやなあ。

 「穴原橋」というようです。
 竣工年度等の記載はありません。


 もう一方には、「架市」とあります。恐らく「架
市川」で、市川に架かる橋、ということではな
いでしょうか。
 北側のアクセスが不能ということは、かなり
状況が厳しくなります。
 とりあえず南側に参りましょう。
 南側にやって参りました。
 現行播但線の橋梁が市川を斜めに横切り、
車道の存在しない山手沿いに吸い込まれま
す。旧線は川向こうを一貫して走っており、現
行路線が旧線と合流するために川を渡ってい
る感じです。

 「下市川橋梁」というそうです。
 しかし、旧線跡、どうやって行けばいいの?
 対岸は線路しかなく、車道はおろか徒歩の
道もなさそう、裏手は山、川はそこそこの水流
で。。。困ったなあ。。。
 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
 数分後。。。
 ご覧の場所に辿り着きました。
 ここをこのまま真っ直ぐ行きますと、現行路
線と合流することになります。
 上の写真は南側を向いていますが、くるりと
180度ターンで北側に向かいます。ここから
廃線路のスタートです。
 現行路線からすぐに顔を見せます、一発目。
状態は悪くなく、武田尾廃線跡で見るトンネル
群と同じ姿形をしています。
 JR路線ということでは同じですから、納得で
きます。
 しかし、トンネル名が分かりません。
 この周辺の現行路線に、真名谷トンネル、
伯耆トンネル、そして生野トンネルなどがあり
ますが、これに関しては分からんのです。
 巻厚は4層、切石を積み上げた胸壁で構成
されています。さすがに上部切石同士の隙間
が気になりますが、危険な感じはしません。
 アーチ全面に配されたレンガ積みがよく
残っています。が、廃されて相当な年月が経っ
ているように見受けられます。
 集中的にレンガ積みが崩れて、岩肌が露出
しています。
しかし、そのお陰でレンガの組み方がよく
分かります。
 振り返って撮影。微妙に左カーブしつつ、川
に沿って現行路線と合流します。
 路面に枕木やバラスはなく、綺麗に整地さ
れています。
 退避口も綺麗に残されています。
 北側(生野駅側)坑口です。
 低地植物が少なく、ある程度手入れされた
跡がその路面上に見ることができます。
 はっきりとその全体像を見ることができます。
 延長は100m程と、そう長くないトンネルは
今も揺るぎなくここにあります。
 少し離れるとこの有様。
 最初は法面に植樹された木々が滑り落ちて
きたのかと思いましたが、どうも廃線後に路面
に直接植樹をした模様。被せた土に薄い部分
があったのか、根こそぎ傾いている木もありま
す。
 さあ、ここからは完全廃線跡ウォーキングと
相成ります。廃線延長1km程、その最中にあ
るとされるもう1本の廃トンネル発見がよととの
最終目標です。

 
いざ、後半戦へ!