播但線廃線跡トンネル
兵庫県長谷駅〜生野駅間


後半戦

 

畑山トンネル編  
南側の廃トンネルはすぐに発見できました。
しかし2本目はここから北におよそ1km弱。
 平地ならいざ知らず、旧線上は植樹され、あ
るいは育ち、あるいは朽ち果て、特に手入れさ
れた形跡の無い荒廃した空間に成り下がって
います。しかし、これぞ廃線ウォークの真骨頂
!!上等やあ〜!
 上の写真でも見えていた、何かしらの遺構
が残されていました。何かの土台。。。信号機
でしょうか。

 廃線跡に整然と並ぶ植林たち。。。特に将来
使用目的ではなく、早くに森に還るように、さな
がら、ここに線路が通っていたことを忘れさせ
たいかのように思えてなりません。
 それにしても、意外と歩きやすかったりしま
す。
 右手の法面にはかなりの古さを感じる石積
みが見えます。木々が朽ち果てようとも、その
法面を護る姿は感動ものです。 
 延々続くこの光景。ある意味すごい所です。
 ところで、この路線が廃線となったのは、い
つなのでしょうか。
 この後、国土地理院から古地図を取り寄せ
て確認してみました。この「生野」地域の国土
地理院初版の測量年度は1972年で、その
地図を確認すると、すでに廃線跡となっていま
した。最低でも36年以上前から廃線ということ
になります。古い!
 それと、この付近で鉄道事故が発生したのが
1959年ということなので、この事故を機に線
形改良したのであれば40数年前に廃線化し
ている可能性もあります。
 因みに武田尾廃線化は1986年ということで
すから、14年以上も廃線リーダー?です。
 このような、石積みがしっかりと残っています
30年、40年と持ちこたえるのは、こういった自
然に近い素材を使用しているからでしょうか。
 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
 なんかますます増殖の一途を辿る植林群。。
。なんなんだ、こんなに植える必要がどこにあ
るのか?まさか自然に生える事はないでしょう
し。。。
 ふぉおおおお。。。。向こうが見えん。。。
 こんなに群生してたら、忍者もサルもモモンガ
ですら、飛び移るのに往生しそうやなあ。
 見上げると天を衝かんばかりに伸びる木々。
お陰さまで、本日も35℃オーバーの猛暑日な
がら、比較的過ごしやすい環境にはしていただ
いております。
 そんなこんなで植林と戯れつつ、7、800m
は進んだと思いますが。。。!
 橋梁跡か!!
 これまた延長は短いけどやけに深い橋梁跡
ですな。しかし、この渡してある朽ち感満載の
「棒」数本はなんなんでしょうか。
 軽く踏んでみたら案の定「みしっ。。。」ていう
し。。。現役時代の桁の成れの果てなんでしょ
うか???後で架けた人用の丸太橋だったと
いう推論が最も納得できます。もちろん何十年
も前に、ですが。
 けっして新しくない周りの石積みの中、橋脚
に関してはかなりがっしりとした揺るぎない姿
を保っています。今からさあ現役ですよ、と言っ
ても全く差し支えないように素人目には感じま
す。
 北側から撮影。当然飛び越えたわけではな
く、谷から回ってきました。微妙に飛び越えられ
そうだけど、やっぱ無理する意味全くないしっ、
と自制して素直に回り道しました。
 そろそろ廃トンネル出てきても。。。と思って
いた矢先に出てきた掘割。まさか開削!?と
ほんの一瞬たじろぎましたが、地図上の表記
はこんなに短くなかったしね。
 とにかく、いままでの植林地獄から開放され
つつあるのは事実です。
 掘割にあるねじりはちまき、いや注連縄、蔦
の竜巻。。。
 自然は時折面白いことをしでかしてくれます。
 。。。。。。。。だんだんと雰囲気が変わってき
ました。。。どう変わったかはうまく言えません
が、なんかじめっとして周りが薄暗くなって。。。
とにかくダークな雰囲気が漂ってきました。。。
廃道歩きでままある感覚。。。こういう場所には
眠っている事が多いのですよ。。。何がって、
あれですよ、アレ。。。
 やはり。。。見えませんか写真の中心部。。。
禍々しい雰囲気を放つブラックホールが現代の
何もかもを吸い込まんと待ち構えるあのお姿
が。。。(何言ってんだか)
 でたあ!最初に見た廃トンネルなど子供騙し
だと思わせるその存在が、今目の前に現れま
した。
 両脇の法面には何の施工も無く、湿気を帯び
た血色の悪いコケと栄養っ気のない木の根が
からみつき、かなり不気味。しかも路面はもう
何十年もこのまま乾いたことはないのでは、と
思わせる沼化した水溜り。。。
 沼は幸いごく浅く、石を落としつつ、踏み石を
して、少しづつ沼地を進む。。。廃トンネルの下
は陸地があるので、そこを目標に進みました。
 しかし、なんつー所や。。。
 現代から離れすぎやないかーい!
 るねっさーんす!
 巻厚5層のいたって他と変わらぬそのお姿。
なのになんでここまでダークなのだきみは。。。
それはよととが生まれる前から廃トンネルだか
らなんだよ、坊や。彼にそんな返事を貰ったよ
うな気がしました。
 坑口より振り返り撮影。
 沼地沼地汚泥汚泥。。。えらいこっちゃ。
 で、ようやくの内部映像でございます。
 総レンガアーチであるが、その剥離は大分と
進んでおり、路面に溜まる水溜りからちらほら
頭を出しています。奥はもっとひどそうな。。。
 水深は深いところでも20cmぐらいまで。
 長靴装備は正解です。慎重に歩を進めます。
水は入り口の惨状に反して非常に澄んでいま
す。
 廃隧道でもレンガアーチは崩れずに残って
いる隧道はたくさんありますが、この廃トンネル
に関しては、勝手が違うようです。
 水があるのはここまで、先の写真で見たひど
そうな場所は、やはり土砂が積もっています。
 反対側の光は見え初めています。
 その堆積物の上を見ますと。。。やはり。。。
 しかし想像以上の傷口が広がっていました。
 ばっくりレンガアーチが崩れ去り、岩盤が見え
てしまっています。ここまでひどい損傷を受けた
レンガアーチは初めて見ました。
 床面は更地になっており、待避所の足元付
近にこんなコンクリが横たわっています。何で
しょう??
 真四角に穴が開いて、岩盤が露出している
所もあります。ますます何なんですか?
 反対側坑口が近付いてきました。
 この辺りは、アーチ両サイド下部に厚めの
コンクリ補強が為されています。
 この待避所はかなり拘りをもって造られてい
ますね。欠円アーチ付きです。
 北側坑口に無事辿り着きました。
 南側と違って随分明るい印象を受けます。
 沼地も無いですしねっ
 しかし、そのライトなイメージがふっとぶ光景
が。。。洞内左側に斜めに走る大きな亀裂を
発見しました。
 とにかく脱出!
 両サイドの坑門を拝む事ができました。
 しかし名前が分からないのは相変わらず。
銘板の類は一切無く、全く手がかりなしです。
 胸壁にも切石に沿った亀裂が入っています。
やはりこの廃トンネル、病が相当進行している
ようです。30年以上手入れも受けずに風雨に
晒されているわけですから、自然の流れでしょ
うかねえ。
 この廃トンネルの先も、以前のような植林ま
みれの廃線跡が続きます。この先は、現行路
線に辿り着く前に、会社の敷地内に入ってしま
うことがほぼ確実なため、探索はここまでとし
ました。
 とにかく謎が多い場所でした。
 @いつ廃線化したのか?
 
昭和2年8月(!!)古すぎです!
 Aこの2つのトンネルの名前は?
 
南から「向山トンネル」「畑山トンネル」
 B廃線化した理由は?
 
「畑山トンネル」に何らかの不具合があった
 Cそもそも播但線の廃線跡ですよね?
 
もちろん!
 
以上4項目、しろ氏の情報により判明致しま
した!