秋町隧道、六厩川橋、小簑谷隧道


岐阜県


その3

  


            2018年6月訪問

 何とかアンカーレッジの上に。

 うおっと…結構高低差がありますな。しかも
瓦礫が満載です。うっかり石を落としたら大変
です。

 (少しの間画像の曇り、ご容赦ください…)
 そして前を見ると…
 おおお!遂に夢にまで見たあの構造物
が!!!

 六厩川橋 日本最大級?の廃車道吊り橋!←他にご存知の方、ご教授下さい(;´∀`) 

 第三目標にして、最大の目標ポイントに遂に到達致しました!(曇り画質に我慢ならず、りんご携帯にて撮影)
 ひとこと、
でかい!こんな山中にこんな規模の吊り橋が存在するとは…
 床板の木材は朽ちているようですが、支柱やワイヤーは全て生きているように見えます。凄すぎます…しばし呆然…
 アンカーレッジに突き刺さる、メインワイヤー
合計8本。
 錆びてはいるものの、破損している様子は
ありません。
 …ちょっとムラっとしましたが、自重しました。
 (何を?)
 アンカーレッジから振り返り。
 御母衣湖の湖面は森茂川にまで遡っていま
す。
 おや?誰か出てきました。
 あのピンク色の服はアルプさんですね。
 って、思っていると…
 おいおいおい…何だか一人でざかざか進み
始めましたよ!大丈夫かな…
 中ほど近くまで進んで余裕の振り返り…
 うーむ、なんという胆力の持ち主…
 普通の橋を渡るかの如く歩いてましたよ。
 ピカさん早く行ったって~。
 そのまま何事もなく渡り切るのでありまし
た…
 をいをい、この床板、実はそんなに腐ってな
いの!?とこの時点では思いましたが、そんな
ことは全く以てありませんでした。
 
 なんやかんやで廃化後女性初渡り?
 うーむ、参りました…
 さて、私も吊り橋を渡りに行きましょうかね!
 いやあ、胸が高鳴ります。

 メインカメラが復旧したので、ここからは通常
画質でお届けします。
 
 六厩川橋西詰に到着。
 主塔が見えてきました!
 植生が濃くて全体を撮影できませんが、かな
りでかいことは分かります。
 脇からチラ見。
 横に張り出す耐風索と、吊り橋本体と接続さ
せる耐風支索にも損傷は見られません。
 主塔に銘板がありました。

 1959年6月
 電源開発株式会社建造
 建示(1955)二等橋
 制作 株式会社 宮地鉄工所

 電源開発は御母衣ダムの事業主体です。
 また、御母衣ダムの着工が1957年、竣功が
1961年であることから、まさに御母衣ダム工事
の一事業として建造された構造物と言えるで
しょう。
 建示(1955)は、鋼道路橋設計示方書が建
設省により制定された略称でしょうか?しかし
制定は1956年みたいですが。近年は道示(道
路橋示方書)と書かれているようです。
 1956年制定の二等橋では活荷重は14tと
なっています。吊り橋でも同じ適用でしょうか?
 宮地鉄工所は現在は宮地エンジニアリング
となり現役です。
 最後の材質(だと思うんですが)SSは一般
構造用圧延鋼材(Steel-Structure)のことで
しょうか?14は活荷重?
 ご存知の方ご教授お願いします。
 見上げると…
 おおお!扁額があります。
 六厩川橋。立派な扁額です。
 下部を覗き込むと…吊り橋とはいえ、かなり
の鋼材が使用されています。
 これは補鋼桁(トラス構造)といって橋面荷重
を支持します。
 やはり車道用ですね、しっかりしています。

 そして、肝心の床面…ぼろぼろやないかっ!!!
 かなり腐食が進んでいます。そこかしこに穴が開いています。いや、いっそ穴が開いていればマシです。見えない、うっすくなっている箇所がどこなのか
分からないのがますます恐ろしい…
 ここをスタスタ歩いたっていうんですか?アルプ嬢は…
 因みに帰りの動画、アルプさん追っかけピカさん動画をユーチューブで配信しているのですが、あまりにも恐ろしいので限定公開にさせて頂いておりま
す。申し訳ありません…
 私、ここ歩くの、イヤや…
 振り返り。
 本当に大きい主塔ですねえ。
 床面さえ敷き直せば現役で使えそうです。
 うわあ…ホンマボロボロです…
 他がしっかりしているだけに、ギャップが凄
い…

 補鋼桁を吊り上げる吊索(ハンガーケーブ
ル)も総じて問題は見られません。
 す~き~ま~

 完全になくなってますね…
 って、私のいる場所、ヘンですか?
 方角的には北向きでしょうか。
 左手が御母衣ダム方面、右奥が森茂川、こ
の吊り橋を潜るのは六厩川となっております。
 おおお…
 ここが一番酷いでしょうか…

 ここで確認できるのは、縦向きの鋼材が4本
走っていること。この上をしっかり踏んでいれ
ば、踏み抜いて墜落ってことはなさそうです。
 しかしイヤなもんはイヤですな…
 そんな床板がイヤで、私が採った手段は…
 ここです。
 手摺りもあるし、不安定な腐った床板もあり
ませんし、ここが一番安全な気がするんです
が…ちょっと感覚おかしいですか?
 …おかしかったようです(苦笑)

 アルプさん提供&加工写真です。
 しかし高い…
 幸い高所恐怖症ではありませんが、バンジー
ジャンプをする人の気がしれません。落っこち
系はダメっす…
 振り返り。
 4本ある縦の鋼材の内、やはり外側2本のど
ちらかを歩くのがスタンダードでしょうか。
 手摺りも近いですしね。
 でも両端の床板は手摺の下の鋼材にまで
渡っていない箇所が多く、天秤状態になること
もあるので気を抜けません。
 南側、六厩川方面です。
 こちらも御母衣湖の延長の湖面になっていま
す。
 こちらはピカさん撮影です。
 縦の鋼材の上に角材を敷き、その上に横板
を並べたようです。
 横板、踏みたくないっすよねえ~
 対岸が近くなってきました。
 下に陸地があるのも怖いですねえ。
 万が一墜落しても、湖面なら助かる?かも?
 無事に東詰に到着。
 最後の植生は結構床板の広範囲にまで侵食
しており、足場を探すのが大変でした。

 
 主塔の足元です。
 これはピン支承といい、ピンによって1方向
の回転機構を持つ固定支承だそうです。
 これにより主塔やワイヤーにかかる様々な
外的要因による荷重を吸収するみたいです。
 凄いことを考えますねえ。
 こちら側は下に降りられるようなので、行って
みました。
 植生の囲い込みがすごいです。
 裏側の状況です。
 鋼材の方はなんの損傷も見受けられません
ねえ。
 暫くは架かったまま維持しそうです。
 本当に巨大な吊り橋ですねえ。
 吊り橋構造でなければ、橋脚が絶対2本は
いりそうな延長です。
 このワイヤーは耐風索ですね。
 このワイヤーの先はどうなっているかという
と…
 コルゲートパイプの中に突っ込んでおります。
 中を覗くと…
 うおっ、なんか色んな道具が散在していま
す。
 …おいおいおい…

 三脚やら望遠鏡、懐中電灯他、測定機材の
中に、リュックや片っぽの靴なんかが散乱して
います。なんなんすか…奥を覗くのが怖くなり
ます。
 ふう、誰も居ません。
 しかし奥には衣服や布団ぽいものも風化寸
前で残されています。
 幸い衣服や布団の下には何もないようでし
たが、一体何なんでしょう?
 何かしらの目的で誰かがここに滞在していた
ようです…一体何のため?
 耐風索はしっかりコンクリの壁で繋がれて
おりました。このフードは風雨による腐食を防ぐ
意味合いでしょうか。
 奥から振り返り。
 巨大吊り橋、いろいろな工夫がされています
ねえ。
 反対側にも同じものがありました。
 こちらは結構埋められています。
 潜らないと気が済まないタチです(笑)

 いやあ、巨大すぎる廃吊り橋。なかなかこのような構造物にはお目に掛かれません。非常に貴重です!
 トラスにせず、吊り橋にしたのにはどんな理由があったんでしょうか。お陰で素晴らしい体験をさせていただいております。

 大目標は達成しましたが、最後に隧道を残しております。
 以降、 
その4 に続く!