秋町隧道、六厩川橋、小簑谷隧道


岐阜県


その2

  


            2018年6月訪問

 さて、内部を見てみましょうか。
 どんな状況かはネットで散々見ております
が、やはり実際にどんなものなのか確認しな
いとですな!
 入洞してまず目につくのがこの猫車。
 古いものではないし、明らかに近年持ち込ま
れたものと思います。
 いつ、誰が、どうやって持ち込んだんでしょう
かねえ?持ち込み当時の廃道はそこまで
瓦礫がなかったんでしょうか。
 それとも担いで!?
 洞内はいたってシンプルなコンクリアーチで
す。
 土砂は坑門両側の法面が崩壊し、流入した
ものと思われます。
 この大量の土砂の流入が巨大なプールを
作る要因になっています。

 で、目の前にあるのがゆたさんデスさんが
用意してくれた2人乗りボートです。
 お二方は我々第2班が到着する前に、既に
試験的に往復されたそうです。はやっ
 振り返り。
 凄まじい土砂の流入です。
 これは猫車一台でどうにかなるレベルでは
ございません。
 重機が要ります。
 ちょっと靄がかっています。
 満面の水を湛える秋町隧道。
 その貯水量は如何ほどでしょうか。
 よくここまで溜め込んだもんです。
 秋町隧道湖の湖面を覗きます。
 うーむ…深い…
 一目見て後ずさりをするような水深です。
 そこそこの透明度はあり、底も見えます。こ
れは確かに2m、というのも分かります。
 ウェーダー余裕で無理です。
 これがその2人乗りボート。
 いやあ、有難いです。

 相談の結果、先ず私とピカさんが船出するこ
とにしました。
 で、申し訳ないのですが、ピカさんに往復し
て頂いて、私は先行して六厩川橋までの廃道
道普請を行います。
 草刈り機は持って行けないので、ナタdeノコ
のみです(笑)
 私が前で、ピカさんが後ろに乗船。
 
 因みに某地下壕の水没洞内でボート乗船
は経験済みですが、その時は相方が漕いで
くれました。
 今回は自分でやってみます…が…

 超むずいっ

 オールを同時に操作しないとすぐにボートが
横を向きます。壁にノーズを引っ付けて動け
なくなります。リカバリーもむず…
 いやあ、こんなムズイとは…

 てなわけで超必死で写真撮るヒマなし。

 この画像はゆたさんからお借りしました。
 なんやかんや暴れ倒して漸く慣れてきたか
な…という段階でゴール。
 無事に対岸に辿り着きました。
 ふ~やれやれです。

 で、復路は申し訳ないですが、ピカさんにお
願いしました。
 ピカさんが返って行きます。

 
 力の抜き具合を心得ていますなぁ。スーっと
前に進んで行きます。初めてのはずなんです
が。凄い!
 私よりずっとセンスがあります。
 後は頼んます!!
 ピカさんの姿が遠くなっていくにつれ、洞内
の静寂さに水滴が水面を打つ音のみが強調
されてきます。
 結構な滴りの量です。これではサイフォン
排水なんて間に合いそうもありませんねえ…
 側壁に大きな穴が。
 何でしょう?人工的な雰囲気もありますが…
 で、念願の東側坑口…って、ええ!?
 想像以上の大量の瓦礫が埋め尽くしており
ます。こんなに入り込むもんですか!???
 うーむ、腰屈みだけでは抜けられません。
 リュックを降ろして身体を斜めに膝を尽き、
ずるずると外に出ます。
 ふう。
 抜け出て振り返り。
 結構うず高く土砂が盛られた状態です。

 秋町隧道 東側坑口 第二目標達成!

 すみません。皆様に先んじて拝ませて頂きました。
 …それにしても…この詰め込まれた土砂は崩落によるものではありませんね…。明らかに人為的に塞いだ感じです。
 ひょっとして西側もそうなんでしょうか。
 扁額は掠れてしまって読めません。
 恐らく西側と同じく秋町隧道と書いてあるんだ
と思います。
 さて、ここからはどんな廃景が待っているの
でしょうか。
 胸が高鳴ります。

 秋町隧道東側坑口から、六厩川橋西詰までの道をレベル4と致します。距離は…およそ1.46kmと出ています。
 レベル3の廃道区間は3kmだったので半分の距離ですが、廃景は一層増しているものと推察致します。
 草刈り込みでレベル3踏破は2時間半。同じく草刈りが必要と思われるレベル4。純粋に考えれば1時間15分で到着するはずですが…
 そう上手くはいかんでしょうなあ…只今の時刻、9時30分。果たしてその実態は如何に…
 山側の側壁が寸断され、谷側に1mほどズレ
落ちています。
 車道が切れ落ちています。
 降りて振り返ると、こんな感じになっていま
す。
 どういう状態なんでしょうか、コレ。
 ここからの路面が消失し、コンクリ擁壁のみ
がずれ落ちて残っています。

 このまま進むと谷底に向かい、穴の開いた
湖岸の石積み擁壁の裏側に辿り着きます。
 要するに、湖面からこの擁壁を見ると、穴だ
け開いた状態に見えますが、裏側は石積みが
崩れ、土砂も大方流失した状態になっていま
す。
 写真を撮るのを忘れました…
 谷底に向かうと、路盤に復帰するのが大変
なので、路盤と平行になるように斜面を突っ切
ると、路盤に復帰することができます。

 そこからは…やはりの廃道。
 そしてさらにやはりの植生マシマシです。
 ここからは草刈り機がありません。先行させ
て頂いた分、しっかりナタdeノコで道を開けま
すよ!
 先の写真で見えていた、木の棒。
 どうやら電柱のようです。
 いいですねえ、木製電柱。
 同じ電柱ではなかったと思いますが、こんな
感じで、配線まで残っている箇所もあります。
 ここは良い掘り割りですね!
 往時の姿が残されています。
 で、そこには…
 カーブミラーのポールですね!
 本体はどこにいってしまったんでしょうか…
 …はっきり言ってどこのタイミングの写真か
全く分かりません。
 行きしなは草刈りに専念していたので、写真
は殆ど撮らず。これは帰りに撮った写真です。
 ので、先の掘り割りの場所とここの場所の位
置関係が全く分かりません。
 まあ、こんな雰囲気であるということだけの
写真ということで…
 ここには玉石積みの擁壁が残っています。
 やはり道は大分荒れていますねえ。
 時折、路盤を見失う程の崩土があったりもし
ます。
 時々木々に紛れて取り残されている電柱
たち。そこそこの本数が残ってます。
 その中で、プレート付きの電柱が。
 …うーむ…

 肉眼では読めたはずなんですが、写真では
判別できません。何て書いてあったかな~

 ○○電話線 110 関西電力

 これは間違いないと思いますが、○○が何
だったかな?「白川」だったかな…

 
6月28日同日追記
 
ピカさんが覚えてくれていました。
 
白山電話線 110 
 で間違いないと思います。
 その後も荒れてはいるものの、完全に道を
見失う事もなく、未明の雨粒に塗れながらナタ
を振るいます。
 しかし遠い…
 レベル3の半分ですが、やはり廃度はこちら
の方が高く、歩むスピードも落ち込みます。

 その内に後続メンバーが続々と追いついてき
ます。何とYOさんとアンシャイさんは山越えを
されたそうです。凄い…
 大きなツルに負けた電信柱。
 この電柱は何番だったんでしょうか。
 何にも構造物が見つからないので、電柱写
真ばかりです…
 こっちは2本複合タイプですね。
 一本は補強の意味でしょうか。
 良い雰囲気です。
 どのぐらい奮戦したでしょうか。
 もう結構右腕が痛いです。
 
 そんな中、路肩が急速に窄まっていき、湖面
の絶壁、山塊の絶壁が接近してきます。
 そしてコンクリの擁壁で守られた法面…
 
 明らかに今までと雰囲気が異なります。
 屋根型の切り込み入りです。
 節約ですかね。
 湖面方向です。
 見事なガレガレの滑り台になっております。
 これは滑り落ちると結構痛そうです。
 そして戻って来れんな…

 って、おおお!?なんだ、アレは???
 突如として巨大なコンクリのカタマリが2基現れました。
 ナント、あれが六厩川吊り橋のメインケーブル(主索)を定着させるアンカーレッジ(アンカーブロック、アンカーレイジ、橋台とも言う)だそうです。
 ひと言、でかい!こんな山中にこんな巨大なアンカーレッジが必要な吊り橋って一体!?

 因みに只今の時刻11時40分。何と2時間10分もかかっています。半分の距離だったのに…
 ボートでの往復や、道普請などで時間が掛かったこともありますが、とてもレベル3の半分の距離とは思えませんでした。実際はもう少し距離があるの
かもしれません。
 で、その前に立ちはだかるのがこの崩落地
帯。全体像を写したものがありませんでした
が、かなりの傾斜&湖面までの高低差&崩れ
やすい瓦礫&確たる足場がない&確たる掴む
場所ない。と悪条件が重なっております。
 
 ここの高低差は、ちょっと滑り落ちると生死に
関わりそうな雰囲気もあります。気を抜けませ
ん。

 そんな中、ノーロープでゆたさん、デスさん、
アルプさんは既に渡り終えた後。

 ほんまかいなー

 念のためユタさんにロープを張ってもらい、
保険にします。しかしロープを張る場所もなく、
已む無くいつ動くかも分からない大きめの岩に
絡ませます。
 まずカザフさんが越えます。やはり確たる足
場は存在せず、ヒヤヒヤもんです。
 こっちの方が傾斜がよく分かりますね。
 しかしながら足場を一歩一歩確保すれば
ロープなしでも渡ることはできます。
 続いてアンシャイさんが越えます。
 さすがにこの方はロープなしですんなり渡っ
ていきます。
 続いてYOさん。この方も百戦錬磨です。
 すんなりとクリアします。

 結構な急勾配。落ちたら痛いですよ~
 最後にピカさんが渡ります。
 この人も問題なくすんなりと…みんな強いで
すなあ!助かります。
 巨大なアンカーレッジが2基。
 この隙間に入っていくと吊り橋方面です。

 皆さんそちらに向かいましたが、ふと上を見
上げると、何だかアンカーレッジの上に立てる
ような…

 因みにここにきて画像が悪いです。これでも
精いっぱい補正してるんですが…
 どうやら長時間の雨粒飛散がカメラに悪影響
を及ぼしている模様です。マズいなあ…

 それはそれで自然治癒を待つしかありませ
ん。それより…
 次回、遂に巨大吊り橋の姿が目の前に!

 以降、 
その3 に続く!