2008年1月初訪問は西側坑口のみ。そして5月には東側内部訪問が叶った、高野山森林鉄道湯川トンネル。
あれから8年と半年が過ぎ…
2度と入らないと誓ったトンネルではありましたが、思えば当時はああいう廃トンネルは初めての事でした。
装備も経験も増えた今ならもう少し見るべき所をしっかり押さえられるのではないか?と思い立ち再々訪を決意
致しました。
8年半が経過していますが、この辺りは全く変化がありません。トンネル4本を含む高野山道路ができましたが、
それはここよりももっと北側で影響はありません。 |
8年半振り!東側のお口は相も変わらず開いておりました。 |
ずっと待っていてくれたように感じます。おお…愛しき湯川トンネル…(病気w)
しかし、8年半前に見た時よりも、全然禍々しさが違います。もっと開口部も少なかったような気がしましたが…
目がこういった物件に慣れてきたんでしょうな。これが経験の成せる業でしょうか。 |
入ってすぐ、枯れ木が充満していて非常に入り辛い印象でしたが、8年半経過してすっかり朽ち切ってしまった
ようです。 |
すっかり嵩が減って本来の洞内の大きさを取り戻した湯川トンネル東側坑口。 |
ライトも格段に良くなったので、結構奥まで見通せます。 |
振り返り。こうして見ると開口状況は以前と変わらないようです。
やはり経験からこういった状態に目が慣れてきたんでしょうな。 |
おおお!よく見通せます!
8年半前の貧弱なライトとは雲泥の差です。カメラもデジカメから一眼レフに変わりましたしね。
比較画像をロールオーバーでどうぞ。 |
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ありました。
8年半前は立っておりましたが、今は力なく
転がっております。
中にあったゴミはちゃんと収集されたようです
な(笑) |
以前と違う事がもう一つ。水がありません。
以前はうっすらと水没していましたが、すっかり水が引いています。
しかし、意外と結構安定してますな。モルタル覆いをすれば現役で使えそうです。コンクリ巻きなら尚良し。 |
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枕木が確認できました!
以前は必死のパッチでしたんで見る余裕は
ありませんでした。 |
…先の様子がもう分かります。
かなりの崩落が発生している模様です。 |
こんな崩落があったかどうか記憶はもうありません。
のでロールオーバーで8年半前の画像を入れてます。
やっぱあったんですねえ。それもどうやらこの期間で大きな崩落はなかった模様です。 |
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ものすごい掘れ上がりです。
しかし経年を感じます。 |
崩土の上から振り返り。
ここまででも結構な延長です。 |
崩土からは第2ステージに入ったな、という雰囲気です。
靄が発生し、加えて水没区間も出てきます。 |
またも崩土です。一切崩れていない所と、崩れている所の差が激しいです。しかも崩れている所はごっそりです。
この差はなんなんでしょうか。 |
2度目の崩落個所からまた平穏さを取り戻します。
このころから対岸、西側の光が見えるようになります。
このまま平穏のまま行けるんぢゃね?と思えますが、そんなに甘くはございません。 |
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さっきから写っている碍子たち。
残存率はかなり高めです。 |
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おおお!こちらは電線が残っています。
これは珍しいですね。 |
ここらはちょっと質の異なる色をした岩盤です。
それにしてもずっと岩盤ですねえ。これだけの距離、大きさを掘るのは相当大変だったのではないでしょうか。 |
ここは左側側面が崩落しています。 |
コンクリートの側壁が出てきました。 |
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何か蓋をしているような真四角のコンクリ壁。
気になりますが、横穴とは考えにくいです。 |
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こちらは側壁の崩落を補修したような感じ
に見えますね。
で…この先から突如カオスの第3ステージに
突入します。
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初潜入の8年半前、恐れおののいた最凶区間の登場です。
相変わらずどえらい状況です。 |
林鉄レールのアーチに平板を並べただけのシンプルな支保工。
さすがにこれだけでは岩盤の崩落は防げないと思いますが… |
ここは丸太を組んで側壁の支保工としています。上部はすっかりなくなってしまっております。
瓦礫も混じっていることから、崩落に耐えかねて押し潰されてしまった模様です。恐ろしや… |
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完全に林鉄レールの転用品ですな。 |
側壁の支保工跡。 |
まさにカオス…
側壁の木組みに加えてレールアーチがあった模様です。
この辺りは一本残して全て崩壊してしまったようですな。 |
側壁の丸太木組みにはこのような横木が入れられていたようです。結構ちゃんとしてますね。 |
やはりこの区間は当初から崩落多発地点だったんでしょうね。念入りに支保工を入れていたんですがねえ。
それを上回る規模の崩落があったんですね。(廃線になってからかもしれませんが。) |
ここは辛うじて崩壊せずに堪えてますね!
瓦礫は乗っていますが、崩壊には至っておりません。しかしトラップっすよね、これ。
前回もこの状態だった気がしますんで、8年半崩壊せずに堪えてきている模様です。 |
この平板、よく割れずに受け止めていますよねえ。
奇跡的です。 |
通り過ぎて振り返ってみると、このような状況に。
これは往時の状態が最も残っていると思われます。どうやらレールアーチ&平板の上にもう一回り丸太を主体とした
支保工を備えていたようです。
側壁の丸太と連結させて、上部をリブアーチにした丸太組を乗せていたようです。
完成当時なら、これなら崩落はかなり防げる!と思えますね! |
側壁丸太組みとリブアーチ丸太組み接続部分です。
上下の丸太の先を「く」の字に削って横木丸太を銜えさせています。その上で鎹(かすがい)を打ち込んで補強して
います。
現役当時はこれで万全だったのかもしれません。廃線後、経年劣化と落盤による崩壊ですかね。 |
最も往時の姿を留めていた支保工を過ぎるとぱったりと支保工がなくなります。
ここが台風一過の最終ステージです。 |
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ここにもコンクリ補修の跡があります。 |
少し水没、そしてまた側壁から天井部にかけての崩壊…
側壁はコンクリ補修されているのでその上部が崩壊した模様です。 |
ここもかなりの崩壊ですねえ。やはりかなりの箇所で崩壊がありますね。 |
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崩壊の向こう側にもコンクリ補修が続いて
います。 |
西側坑口が近付いてきました。
ここも少し崩壊が発生しています。総じて西側の地質状態が思わしくないようですね。 |
今回こそ完抜けできるのでは…?と思ってましたが、やはり最後の水没区間は残っていました。 |
ざぶ、ざぶ、ざぶ…
うぬぬぬぬ…あかん…ぎり長靴アウトや…
まだこの後も探索を控えています。ここで長靴水没は避けたい…冷たいしね…
てことで、今回も諦める事にしました。 |
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西側坑口も変わらぬ状態で開いているよう
です。
もう行くことはない、かな? |
今回も無事生還できました。
装備や経験も増えたことで8年半前程の恐怖は感じませんでしたが、やはり危険であることには変わりありません。
しかしこれほどの距離の素掘り隧道はそうそうお目にかかれません。今後も変わらず開いていてくれますように。 |