旧寄宮トンネル


山陰本線 八鹿−江原間


 


 兵庫県は養父市を南北に走る山陰本線、ここより北方
の豊岡市にはあの旧浅倉トンネルもあるわけですが、こ
の養父市にも旧トンネルが存在します。
 その旧トンネルは現行トンネルの真横に位置し、また、
国道312号線からも非常に目立つ位置に存在しているた
め、愛好家でなくともこの廃トンネルの存在を見知る方は
多いのではないでしょうか。
 写真はこのトンネルの南側です。で、少し珍しいのです
が、旧トンネルの方が現行トンネルよりも内側に位置して
おります。新トンネルのが延長を長くして内側を通る傾向
を覆すトンネルですねえ。
 現行トンネルは、

 寄宮トンネルといい、延長は162mです。で、旧トンネル
は国道から相当に目立つ位置にあるだけに、これ以上
近付く事は叶いません。国道から見える坑門には、レンガ
仕様のピラスターが見えますが、他はコンクリで覆われて
しまっているようです。
 南側はこんな状況です。。。じゃあ北側は???
 当然抱く好奇心に導かれるまま反対側にやって参りま
した。
 反対側へのアクセスは、トンネルを国道で廻り込んで
一つ目を左折します。その道はすぐ終点となり、人道とし
て神社に向かう階段に繋がります。
 階段は上がらずに正面を見ると、現役の寄宮トンネル北
側坑口が見えます。
 南側の様子から、旧トンネルは現行の右手にあるはず
ですが。。。
 現行トンネルの右手にはスペースがあり、旧トンネルは
見えないものの、明らかな路面幅を有しております。
 枯れて尚、立ちふさがる木々に遮られ、先は見通せま
せん。
 それでも枯れ木を掻き分け、そう遠からずの所ですぐ
旧トンネルが顔を見せました。
 ビンゴ!北側は閉塞されず、またコンクリ補修もされず
原型を留めておりました。素晴らしい!
 多くの旧トンネルの銘板が朽ちる中、ここのは生き残っ
ておりました。寄宮とはっきり読めます。
 下方の数字は延長かも知れませんが、前半が解読で
きません。「??130M76」と書いてあるような???

 右手には見慣れぬ黄色い看板が。
 「ずい道避難所⇒有」と書いてあるような。。。どこを
指しているのでしょう???
 レンガ坑門としてはオーソドックスな造りですが、やはり
イイです。笠石、帯石は石材で、後はレンガ仕様。ピラス
ターも備え、要石はないものの、迫石は4層で構成されて
います。
 坑門前より振り返り。
 すっかり自然に覆われてしまっています。
 洞内です。
 アーチはオールレンガ仕様です。綺麗にバラスすらも
取り除かれている感じで非常にフラットな洞床です。
 対岸には、南側外から見た景色の内側を見ることが
できました。
 今回は深入りせずに、ここで探索終了と致しました。

 しかしこの界隈は本当に旧トンネル存在率が高いです
ね!発見できる限り全て制覇したいと思います!