鈴鹿海軍関地下防空工場隧道群


三重県

その8

 



 2011年10月に一旦完了した鈴鹿海軍関地下防空工場隧道群探索。
 実は僅かに未踏査ポイントが残っています。
 まずはA抗。ここは鉄格子に施錠付きで内部の探索ができませんでした。しかしながらピカさんの1000ルーメンライトにて閉塞は確認しております。
 そしてB坑。ここも鉄格子&施錠にて探索不能。ここもピカライトによって閉塞は確認しております。
 で、I坑。ここは膝丈以上の水没(ウェーダー導入前だったこともあり)にて即時撤退。
ここはとのたまさん、パパンさんによって奥の状況は一応分かっております。
 さらにO坑。ここは斜坑になっており、危険な状態なので今回も見合わせます。
 2015年2月、今回は自称4000ルーメンのヘッドライトを導入したことを受けて、再度A坑、B坑、I坑のチェックを致します。

 さあ、およそ3年4か月ぶりにこの地に還って参りました。
 公園や車道の両脇に平気で開口する関の穴。2011年10月にほぼ制圧はしていますが、やはり未踏査区間は限りなくなくし
たい!そんな思いから、新年会開けで竜王に向かう前に皆さんに無理を言ってここに寄って頂きました。
 昨夜から断続的に降り続いた雪はここまでの積雪となりました。
 さて、まず第一のチェックポイントはここ、A
坑です。
 例え入れなくても、4000ルーメンの威力を
テストするにはもってこいです。
 おおおお…禍々しい…
 何人をも寄せ付けないオーラを放つコンクリ
隧道。相変わらずですな。

 内部は…
 恐らくは3年4か月前と変わらぬ洞内であろうと思われます。すこしづつ朽ち果てていくんでしょうが…
 前回は当方のへぼへぼライトでは奥は全く見えませんでしたが、今回は薄ら奥のカベが視認できます。
 うむ、まあまあかな。ではズームしてみましょう。

 おお!こりゃはっきりと奥を視認できます。
 コンクリ巻き立てを維持しつつ、突然素掘りのカベに阻まれています。
 うーむ、これで完成としたのか、まだ掘るつもりだったのか…?ちょっと分かりませんね〜
 しかし思いのほか奥まで見通すことができたことに満足。B坑に向かいます。

 B坑です。こちらも鉄格子封鎖にて潜入することができませんでした。
 今回もライトで奥の確認をするだけの予定でしたが…

 なんと施錠されていません。簡単なワイヤーで留めてあるだけでしたので、少しお邪魔しました。
 A坑と比べて使用感がありますな。
 奥の様子もなんとなく分かります。

 A坑との違い。A坑はコンクリ巻きのまま閉塞でしたが、こちらは素掘りの洞内が続きます。
 見事に素掘りの洞内。
 しかしながら綺麗にアーチ状に成形されて
います。
 うむ。完全閉塞です。
 閉塞のカベ上部に穴が数か所開いていま
す。
 どうやらまだまだ掘り進める予定だったよう
ですな。

 

 最深部より振り返り。
 このB坑とA坑は他の壕と比べてコンクリの質がかなり良いです。崩れそうな雰囲気は一切ありません。
 やはりこの2坑がメインの壕だったんでしょうな。
 その割に他の壕よりも掘削の進捗が明らかに遅いですが… 
 床面には複雑な溝が掘られています。
 ご丁寧にグレーチングの溝も掘られていま
す。
 排水するような機材を設置予定だったんで
しょうかね?
 安定した巻き立て部。
 後ほど拡張予定だったんですかね。

 B坑内部から。外は真っ白です。
 さて、次はJ坑です。

 I坑にやってきました…て、むむむむむ!?なんか格子の数が…増えてない!?
 これが2011年10月の格子です。
 …明らかに横枠の数が違いますな。
 これはキビシイ…

 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

 そんなことで諦められません。なんとか潜り込むことに成功しました。
 3年4か月振りのI坑!そこは相も変わらず満面の水を湛えておりました。

 ご覧ください、このクリアな水面を。雨水のみが溜まった、天然のプールです。
 前回はウェーダーがなかったために、奥に潜入が叶いませんでしたが…今回は装着済み!
 

 水面に映る素掘りの洞内。まるでまん丸の坑道かのようです。
 そしてA坑、B坑以外の、あのスカスカコンクリ巻きよりもずっと安心感があります。
 …それでは入水…
 じゃぶ…おおおお、冷たい…
 しかし耐えられないほどの冷たさではあり
ません。水温が一定なのか、ウェーダーの性能
のお陰か…?
 そして水深は腰くらいまでに…久しぶりに
水圧によりウェーダーが足に吸い付く感触を
感じます。何度やってもこの感触は慣れん
な…
 対岸の崩落地点が近づきます。
 洞床の瓦礫は多くなく、透明度も高く、そして
何よりコンクリートの感触がはっきりしている
んで、足元の不安は全く感じません。
 
 素掘りの洞内、右手にコンクリートの壁が
出てきましたな…
 ついに憧れの対岸に上陸。
 上陸先は大量の瓦礫の上ですが…
 夥しい瓦礫の量です。これは天井部崩落の
ものなのか、上部に掘れ上がっています。
 そして完全閉塞。
 この場所はすでに坑道の上って感じですが。
 四方を大量の瓦礫に覆われ、どこにも開口部
を見出すことはできませんでした。残念。

 最深部より振り返り。
 このような感じで洞内が掘りあがっているのが分かって頂けると思います。
 本坑を見下ろすような感じになっています。

 本坑に降りてきました。
 ここが従来の坑道内ですな。しかしここまで水が溜まるとは…この水はどこからきたのか…?
 天井からの漏水の雰囲気は一切ありません。この崩落した奥からなのか、はたまた床面から湧き出ているのか…?
 謎ですな。
 それと、一つ気になっていたところが…
 今、I坑の右端、瓦礫の上にいるわけですが、
隣のH坑からI坑に向けて横坑が伸びており
ました。

 これは以前ピカさんが撮影したH坑からの
横坑映像です。
 ご覧のように土砂の流入により、閉塞してい
る?ような感じでした。
 で、改めてI坑。
 水中側面に穴らしきものはなく、やはりこの
瓦礫の中に口を開けていたものと思われます。
 てことはやっぱり横坑は完全閉塞なんです
な…残念〜
 左側のコンクリート側壁。
 一部は水面に沈んでいるようです。
 ただ、天井部までコンクリ巻きしてあった
訳ではなさそうです。
 部分補修でしょうか。

 ねえ。沈んでいる瓦礫があまりにも少なすぎます。
 澄み切っていた水面は、私が通ったために濁ってしまいました。
 さて、帰りましょうか。

 おおおお…相変わらず冷たい…
 ってか、左足が本当にちょっと冷たい気がする…ちょっと漏れてる!?
 無事辿りついて脱いでみたら、数oの穴が開いてました…危ね〜
 しかし数o程度の穴なら水が一気に入り込むことはないようです。よかった…

 I坑の坑口のコンクリ巻き…をいをい…やっぱり巻き立ての方が恐ろしい…
 戦時中とはいえ、無筋アーチとは何を考えているんでしょうか。やはり究極の鉄不足に陥っていたんでしょうねえ…
 だから苦肉の木筋コンクリートも生まれたわけですな。

 無事脱出…
 これでさらに踏査率が上がりました。斜坑っぽくなっているO坑はキビシそうですし、事実上当方の踏査はコンプリート
ということでカンベンして頂きたいと思います。
 
 では、また別の坑道でお会いしましょう〜(←w)
ネタは一杯眠っているんですが長編必至なので踏ん切りが…