鈴鹿海軍関地下防空工場隧道群


三重県


  


 2011年10月某日、ピカさんのお誘いで三重県亀山市の某所にやってまいりました。
 戦時中、海軍工廠は全国14か所あったそうです。そのうちの1か所がここ鈴鹿市に、鈴鹿海軍工廠として存在したそうです。
 ところが度重なる市街地の空襲により、1945年1月に5か所に分けて疎開することになったようです。その疎開先の1つがここ、観音山の地下工場
だったようです。
 地下工場ですから、当然地下にあるわけで、その様態は隧道そのもの。まあ、地下壕といった方が正確かもですが。
 その隧道の総数、さるサイト様情報によるとなんと14本!

 
 現地を訪れると、かつての疎開軍需工場の趣は一切感じられず、周りではテニスをする人、散歩やランニングをする人がそこかしこにいます。
 そんな場所に穴なんて。。。って、さっそく不気味な穴が見えていますが。。。
 取りあえずあそこの穴を確認してみましょうか。
 コンクリートで固められたその姿はまさしく隧道!
 鉄格子でがっちりガードされています。
 仮にここを「A坑」と致しましょうか。
 内部もコンクリートでしっかり覆われています。
 しかしゴミだらけですなあ。
 当方のカメラでは奥まで見通すことはできません。
 高明度の懐中電灯をお持ちの方の情報によると、
この先はコンクリートで覆われているようです。
 写真提供ピカ氏
 
 後日ピカさんが1,000ルーメンの懐中電灯で奥を
確認したところ、どうもコンクリートではなく、素掘り
の状態のようです。掘削跡も確認できたようです。

 ちょっと想定外です。反対側に貫通するぐらいの
延長があると踏んでいたんですがねえ。
 この一本の道、この道の両側に隧道が存在する
そうです。信じがたい。。。
 ちょっとざっと見てみましょうか。
 おお、あるある!
 向かって左手に鉄格子で塞がれた穴が見えま
す。
 最初の穴から僅か数mでもう1本穴がありまし
た。ここを「B坑」で。
 それ以降も。。。

「C坑」

「D坑」

「E坑」

「F坑」

「G坑」

「H坑」

「I坑」

「J坑」

「K坑」
 うおおおおっ!
 ありもあったり、左右に穴がびっしり!!!ざっと道から見えるだけで、最初の鉄格子の穴2本併せて11本!!!
 14本中11本が一般道から見えてしまいます。。。向かって左手に5本、右手に6本です。
 しかも最初の2本以外は全て木製の格子で、あまりにスキだらけのような気が。。。いいのか、これで。。。
 ま、まあいい、取りあえずさらにこの14本のうちの7本は山の反対側に貫通しているかも、という話ですんで、そっちも確認に行くとするか。。。
 7本(現在は5本しか確認していない)が貫通し
ている?はずの山の反対側に来ました。反対側
といっても、歩いて5分ぐらいで来られるぐらいの
位置でございます。
 で、既に何か見えてますねえ。。。?
 おおう。。。
 道の真横に木の格子が。。。
 これってやっぱりあれですか?
 随分昔に封鎖したようですが。。。
 道と擁壁の新しさと一致しませんなあ。
 じゃあこれを「M坑」で。 
 内部は。。。
 横に穴は開いていません。
 殆ど埋まってますが、強いて言えば斜め下に穴
が続いているような?
 取りあえず人が入り込める隙間はなさそうです。
 しかしなんで法面の一部として埋めてしまわずに
遺してあるんでしょうねえ。
 ピカ氏提供写真

 隙間がなかったように見えた内部ですが、1,000
ルーメン懐中電灯で照らしてみると奥があることが
判明!でもちょっと入るのは厳しいですな。。。
 以降の穴は道の下側にありました。
 この写真の穴の上部が、「M坑」のあったアス
ファルト道です。
 なんか植樹されてますねえ。
 ここを「N坑」とします。
 そして「O坑」。。。
 殆ど埋まってるがなっ!!!
 すごいですな。。。
 これでも埋まってしまわないとは。。。
 よく見ると、アーチになってます。材質はコンク
リートのようです。 
 カメラを突っ込んでみました。
 おお!見事に貫通しとるがな!
 しかし内部で鉄格子してあります。。。むむむ。
 そしてそして「P坑」です。
 一杯開いとるなあ。。。
 これはなんか入りやすそうな。。。
 内部にちょっと入ってみました。
 おおお、禍々しい。。。
 素掘りとコンクリアーチが見えますが、特にコンク
リアーチの損傷が酷いことがわかります。
 奥では相当の崩落も起こっているようです。

 。。。。。。。。ゴクリ。。。
 振り返ると外で見つめる2人の目。
 今回案内していただいたピカさんと、前日居酒屋
からお付き合いいただいていたYori-yanさんです。
 ここ以降は堰堤が造られており、穴は発見する
ことができませんでした。
 で、振り返りです。
 穴は左手に複数開いておりました。
 ところが、例外が一つ。。。
 ナント!右側にも1本、穴が開いておりました!
 シダ類が鬱蒼と被さっており、不気味そのもの。
 これを「Q坑」とします。
 ここは最後に回しましょうかね。
 Q坑方面からM坑方面を見ます。
 左上の擁壁がM坑の近くにあったものです。
 藪が刈り払われているので歩きやすいですが、
そうでなければえらいことになってるでしょうねえ。

 この地下工場跡は、防災の森を縦に伸びる道の左右に存在します。観音山の西端って感じでしょうか。
 獅子の岩遊歩道の真下にも地下壕が広がっている、はずです。
 ちょっとこれじゃあ分かりにくいですね。。。ってなわけで!
Copyright(c)2011,ピカ氏.微調整版
 ピカさん作成の超詳細マップの登場です!これならどこにどのように穴があるか一目瞭然!
 A坑が最初に確認したコンクリ&鉄格子隧道です。M坑は竪坑状態閉塞寸前のブツです。
 L坑は車道から目視はできてませんが、非常にありそう。。。ってなことで記入してあります。
 この地図は回を追うごとに精密化していきます!乞うご期待!!!
 さて、ここでYori-yanさんとは別用の為お別れ
です。ピカさんと2人だけの進軍と相成りました。

 さあ、どっから探索を開始するか。。。協議の
結果、「E坑」に狙いを定めました。恐らく「N坑」〜
「P坑」のいずれかと接続するはずです。貫通して
いることが分かる物件の方がとっつきやすいです
からね〜

 ってなわけで、次回遂に内部潜入開始!

 
その2 に続く!