煉瓦みち



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水路橋梁・隧道(疏水用水等水路由来限定)
※内部が素掘りやコンクリでも坑門(ポータル)に煉瓦や石積みが使用されている場合は掲載。
※コンクリやコンクリブロック製、煉瓦や石函渠でも装飾性の高い物件はノーカウントで参考掲載。

橋梁名 形式  備考
水路名
 接続水路元or先
所在市町村
訪問日
関東圏
埼玉県
※論文1:明治期埼玉県の煉瓦造・石造水門建設史 是永定美氏
※論文2:樋門の分析:江戸の木樋と明治の煉瓦樋門 伊東孝氏 曲渕克宏氏 三井和雄氏

※掲載は竣工年度順(論文1の順番。論文1に記載がないものは論文2や現地銘板、説明版を参照)
谷古田領元圦 アーチ型取水 土木学会選近代土木遺産Cランク
・竣工:
論文1:1891年(明治24年)4月
論文2:(記載がない)
現地説明板:1891年(明治24年)4月18日
・径間:実測1.21m(4尺)
・現況:呑口側:延長され、従来の坑門は消滅。
吐口側:煉瓦巻厚3層の半円アーチ。
面壁、翼壁ともにイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手の2段積みで、迫り出しはない。
向かって左側の翼壁に小振りな巻厚2層の欠円アーチがある。
内部:側壁も煉瓦でイギリス積み。吐口側はBKにて拡幅されている。
谷古田用水
逆川
(瓦曽根溜井)
越谷市
2023年12月
倉松落大口逆除 アーチ型逆水止 土木学会選近代土木遺産Aランク
土木学会選奨土木遺産
・竣工:
論文1:1891年(明治24年)
論文2:1891年(明治24年)6月 
※論文2ではめがね橋堰
現地説明板:1891年(明治24年)6月
・径間:実測1.95m(約6尺4寸)
※計測ミスの可能性(土木学会では1.6m)
・現況:呑口側:煉瓦巻厚3層の4連半円アーチ。
アーチ環の中央部に竪積みがある。
イギリス積み煉瓦の水切りが3箇所にある。水流を受け流す為に、3
角形にしている。ピラスター調であり、天端部が装飾的。
吐口側:煉瓦巻厚3層の4連半円アーチ。
面壁、翼壁ともにイギリス積み。
翼壁の天端部は迫り出しており、下段には雁木の装飾がある。
アーチ環の中央部に竪積みがある。
イギリス積み煉瓦の水切りが3箇所にある。下流側だが、5角形にし
ている。逆流防止用の角落しの溝が掘られている。天端部にセメント
の跡があり、上流側と同じような装飾煉瓦が乗っていたのかもしれ
ない。
欄干部分は煉瓦調にしてあるが、改修されている。
内部:側壁も煉瓦でイギリス積み。
倉松落
倉松落
大落古利根川
春日部市
2023年12月
村岡樋管 アーチ型送水 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:
論文1:1891年(明治24年)
論文2:(記載がない)
現地説明板:1891年(明治24年)
・径間:当時実測不能
・現況:呑口側:従来の坑門は消滅。
吐口側:煉瓦巻厚3層の半円アーチ。
翼壁が辛うじて残存する。面壁、翼壁ともにイギリス積み。
笠石として煉瓦で雁木にしている。
五角形に陽刻された要石を有する。
内部:未確認だが、補修を受けているように見える。
吉見用水
熊谷市
2023年12月
五ヶ門樋 アーチ型逆水止 土木学会選近代土木遺産Bランク
土木学会選奨土木遺産
・竣工:
論文1:1892年(明治25年)7月
論文2:1892年(明治25年)5月 
※論文2では五会門樋
銘板:1892年(明治25年)5月
・径間:実測3.04m(10尺)
・現況:呑口側:煉瓦巻厚4層の欠円アーチ。
面壁、翼壁ともにイギリス積み。
笠石にはデンティルの装飾がある。
アーチ環中央部に竪積みあり。
面壁中央部に銘板があり、竣工年月日が刻まれる。
吐口側:煉瓦巻厚4層の欠円アーチ。
面壁、翼壁ともにイギリス積み。
帯石と笠石があり、笠石にはデンティルの装飾がある。
アーチ環中央部に竪積みあり。
イギリス積みの胸壁に銘板があり、名前が刻まれる。
逆水止の観音開きのゲートがあった名残の丁番がある。
内部:側壁も煉瓦でイギリス積み。
新堀悪水路
中川
(庄内古川)
庄和町
→春日部市
2023年12月
甚左衛門関枠 2連アーチ型逆水止 土木学会選近代土木遺産ランク
・竣工:論文1:1894年(明治27年)5月
論文2:1892年(明治25年) 
※論文2では甚左衛門堰
現地説明版:1894年(明治27年)
・径間:実測未計測
・現況:呑口側:ゲートで一部しか視認できないため煉瓦巻厚不明。
控壁の続きで翼壁がある。各接続部分に隅石を配している。
面壁、控壁、翼壁ともにイギリス積み。アーチ環頭頂部に縦積み煉瓦を
配しており、両アーチ共に12列ある。
その縦積み煉瓦の間に銘板があり「甚左衛門堰枠」とある、はずだ
が、後付けゲートのコンクリ壁によって「甚左」と「枠」しか見えない。
「枠」の左側にも何か文字があるかも知れないが分からなかった。
後付けのようなコンクリ製の水切りがある。
ゲートも後付けのようで、当初は吐口側にあった模様。
吐口側:煉瓦巻厚3層の2連欠円アーチだが、起拱部から2列は迫石
を使用している。迫受石も切石は坑門側の1個のみで、内部は煉
瓦になっている。隅石がある。
控壁の続きで翼壁がある。各接続部分に隅石を配している。
面壁、控壁、翼壁ともにイギリス積み。アーチ環頭頂部に縦積み煉瓦を
配しており、向かって右側が11列左側が10列になっていることから
構造上の意味はなく装飾的な意味合いと考えられる。
面壁の天端には小口を縦積みにした雁木の装飾がある。
控壁で隠れている壁柱の突き出し部にも雁木の装飾がある。
逆水止のゲートがあった名残の溝がある。初代はこちらにあったと
思われる。
内部:側壁も煉瓦でイギリス積み。
伝右川
綾瀬川
草加市
2023年12月
篭嶌門樋 アーチ型逆水止 土木学会選近代土木遺産Cランク
・竣工:論文1:1895年(明治28年)6月 ※論文1では篭島門樋
論文2:1895年(明治28年)5月
現地説明版:1895年(明治28年)5月
銘板:1895年(明治28年)5月
・現況:呑口側:切石の欠円アーチ。
楯状迫石14個、要石で構成される。
坑門の切石はパズルピースのように整形され、楯状迫石とピッタリ合う
ようにしている。
坑門と輪石は薄く江戸切り加工をしており、丸みを感じる。
坑門と翼壁上の笠石は黒みがかった大きめの切石を使用し、坑門
上の笠石には竣工年度が刻まれる。
翼壁の切石は切り込み接ぎで布積みされ、且つ仕上げを平滑にし
ている為、パネル張りを疑う程の出来栄えとなっている。
・吐口側:後付けのスライドゲートが坑門を隠しており、未確認。
翼壁は呑口側と違い薄く江戸切り加工を施している。
・内部:側壁、アーチ共に、呑口側の翼壁の切石と同じ施工がされて
いる為、凹凸が一切ない現代的な仕上がりになっている。
不明
新河岸川
志木市
2023年12月
四箇村水閘 アーチ型逆水止 土木学会選近代土木遺産Cランク
・竣工:
論文1:1896年(明治29年)5月 
※論文1では四ヶ村落樋管
論文2:(記載がない)
銘板:1896年(明治29年)2月
? ※掠れていて竣工か起工か不明
・径間:実測漏れの為不明
・現況:呑口側:ゲートで一部しか視認できないため煉瓦巻厚不明。
控え壁の続きで翼壁がある。接続部分に隅石を配する。
吐口側:煉瓦巻厚2層の欠円アーチ。
アーチ環の中央部に竪積みがある
翼壁がそのまま控え壁の役割を持つ。
笠石の下部に両端に抜けていない雁木の装飾がある。
四ヶ村水閘改築の碑文が刻まれた扁額を有する。
内部:側壁も煉瓦でイギリス積み。
四ヶ村落
中川
春日部市
2023年12月
米野谷樋管 桁型逆水止 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:
論文1:1897年(明治30年)5月
論文2:(記載がない)
銘板:1897年(明治30年)5月
・現況:呑口側:新たなゲートに覆われてはいるが、内部で凡そその
まま残存する。
巻き上げバルブが刺さっていたであろう天端の切石は露出してお
り、そこに竣工年月日が刻まれている。
面壁はなんとなくイギリス積み。僅かに残る翼壁の煉瓦は幾何学的な
積み方で規則性がない。
・吐口側:完全にゲートが下ろされており、坑口の様子は不明。
面壁はゲートと共に改修されたらしく、コンクリになっている。
翼壁は凡そイギリス積みだが、上段は長手の縦積みなどが入り不揃
いに。
・内部:はっきり分からなかったが、往時のままの石桁(甲蓋)、側
壁は煉瓦積みと思われる。
※名称の刻まれた切石が近所で発見されており、「米野谷」は読み取れるそうなので、
当サイトはこの名称を支持する。
不明
中川
杉戸町
2023年12月
  no photo 大島新田関枠 土木学会選近代土木遺産Cランク
 
 
 
未訪問
  no photo 大小合併門樋 アーチ型逆水止 撤去済み(移設一部保存の可能性あり)
土木学会選近代土木遺産Cランク

・竣工:論文1:1898年(明治31年)3月
論文2:1898年(明治31年)2月
・現況:呑口側:現存しない。
・吐口:現存しない
・内部:現存しない。
不明
新河岸川
志木市
2023年12月
吉根樋管 桁型取水 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:1898年(明治31年)3月
論文2:(記載がない)
・現況:呑口側:完全に改修された模様。
・吐口側:坑門、翼壁共にイギリス積み。
・内部:石桁(甲蓋)、側壁はイギリス積み。
不明
高麗川
坂戸市
2023年12月
鎌田樋管 管型取水 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:
論文1:1899年(明治32年)3月
論文2:1899年(明治32年)4月
銘板:1899年(明治32年)4月
・現況:呑口側:坑門、翼壁共にイギリス積み。
戸当たりは切石で、向かって右側に「明治三十二年」、左側に「四
月竣工」と刻まれている。
扉体や巻き上げバルブ一式は改修後のものと思われる。
・吐口側:坑門、翼壁共にイギリス積み。笠石は消滅と思われる。
周囲をコンクリで固められているが、往時の雰囲気は充分感じられる
・内部:陶管で、往時のままと思われる。
不明
九十九川
東松山市
2023年12月
北美圦樋 桁型逆水止 土木学会選近代土木遺産Cランク
・竣工:
論文1:1899年(明治32年)10月 
※論文1では北美樋管
論文2:1899年(明治32年)5月
現地説明版:1899年(明治32年)5月
銘板:1899年(明治32年)5月
・現況:呑口側:面壁、翼壁共にイギリス積み。
翼壁の天端下部に長手の縦積みを配している。
石桁(甲蓋)を銘板にしており、竣工年月日が刻まれる。
・吐口側:坑門、翼壁共にイギリス積み。天端部分に切石の銘板を
配しており、「北美圦樋」とある、左隅に縦書きで文字が見えるが、
読み取れない。
翼壁の天端は小口と長手、長手の3段積みで、持ち送り積み。
翼壁の天端下部に長手の縦積みを配している。
戸当たり部に隅石を配している。ゲートは取り外されている。
・内部:床面はコンクリ製のインバートがある。後年モルタル補修か。
石桁(甲蓋)、側壁はイギリス積み。
不明
新河岸川
志木市
2023年12月
新田圦樋 桁型逆水止 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:
論文1:1901年(明治34年)3月 
※論文1では新田樋管
論文2:1900年(明治33年)6月
銘板:1900年(明治33年)6月
・現況:呑口側:坑門、翼壁共にイギリス積み。
翼壁の天端下部に長手の縦積みを配している。
扁額があり、竣工年月日が刻まれる。
・吐口側:坑門、翼壁共にイギリス積み。
笠石部分に切石の銘板を配しており、「新田圦樋」とある。
笠石銘板下部の坑門煉瓦が小口の縦積みになっている。
翼壁の天端下部に長手の縦積みを配している。
・内部:石桁(甲蓋)、側壁はイギリス積み。
不明
新河岸川
志木市
2023年12月
山王樋管 アーチ型取水 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:
論文1:1901年(明治34年)3月 
※論文1では山王圦
論文2:(記載がない)
・現況:呑口側:論文によるとアーチ型だそうだが、水門がぴったりと
覆っている為、確認ができない。
面壁、翼壁共にイギリス積み。
面壁上部は新しいゲート設置に伴いコンクリに改修されている。
翼壁天端は縦小口で迫り出している。
面壁中央部に銘板があり、「山王樋管」とある。
・吐口側:コンクリート造りで増築されている。
「昭和4年増築」と刻まれている。
・内部:呑口側内部の確認はできなかった。
不明
長楽用水
川島町
2023年12月
榎戸堰組合用水樋管 アーチ型取水 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:1901年(明治34年)3月
※論文1では榎戸圦
論文2:1901年(明治34年)5月 ※論文2では榎戸樋管
銘板:1901年(明治34年)2月
・径間:1.15m(3尺8寸)
・現況:呑口側:煉瓦巻厚3層の欠円アーチ。
面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口で、迫り出している。
アーチ環頭頂部に小口の縦積みが6個並んでいる。
橋梁の親柱のような塔が両サイドにある。
・吐口:煉瓦巻厚3層の欠円アーチ。
面壁はゲートに隠れて見えない。翼壁はイギリス積み。
翼壁天端は縦小口で、迫り出している。
煉瓦造りの門柱と塔が一体になっており、戸当たりも付いている。
その塔両方に銘板があり、向かって右側に「榎戸堰組合用水樋
管」、左側に竣工年度が掲げてある。
・内部:側壁も煉瓦でイギリス積み。
榎戸堰組合用水
元荒川
吹上町→鴻巣市
2023年12月
松原堰 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:1901年(明治34年)5月
論文2:(記載がない)
銘板:1901年(明治34年)5月
・現況:曲面と平面仕上げの側壁で、曲面では小口積み、平面で
はイギリス積みになっているようだが、大半が埋没している。
側壁天端はこれも曲面と平面仕上げで、曲面では半枡の縦小口、
平面では通常の縦小口となっている。
天面はモルタルで覆われていたようだが、剥げている箇所が多い。煉
瓦の組積造が見えるが、曲面部分に相当な無理矢理感がある。
切石の門柱があり、往時はスルースゲートがあったようだ。
門柱の笠石の呑口側に「松原堰」、吐口側に竣工年度が刻まれる。
石桁が2本架かり、片側にゲート操作用の煉瓦の踏み台がある。
不明
熊谷市
2023年12月訪問
堂前堰 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:1901年(明治34年)5月
論文2:(記載がない)
銘板:1901年(明治34年)5月
・現況:曲面と平面仕上げの側壁のようだが、大半が埋没している
為詳細は分からない。一部見える箇所だけで言うと、曲面の天端は
縦小口と長手で迫り出している。側壁部はイギリス積みだろうか。
曲面で使われている長手は湾曲しているように見えるので、専用の
矩形煉瓦を製造したのだろうか。松原堰と比較して、こちらの方が
施工技術が高いように思える。
切石の門柱があり、往時はスルースゲートがあったようだ。
門柱の笠石の呑口側に「堂前堰」、吐口側に竣工年度が刻まれる。
石桁が2本架かり、片側にゲート操作用の煉瓦の踏み台がある。
不明
熊谷市
2023年12月訪問
永傳樋管 桁型取水 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:(記載がない)
論文2:1901年(明治34年)5月
銘板:1901年(明治34年)5月

・現況:呑口側:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手の2段積みで、迫り出している。
面壁の中央部に銘板があり、「永傳樋管」とある。
スルースゲートは後付けと思われる。戸当たりは煉瓦積み。
・吐口:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手の2段積みで、迫り出している。
面壁の中央部に銘板があり、竣工年月日が刻まれる。
・内部:石桁(甲蓋)、側壁はイギリス積み。
※1:都幾川の治水と利水の歴史-東松山市PDFより
神戸用水※1
都幾川
川越市
2023年12月訪問
笹原門樋 アーチ型逆水止 土木学会選近代土木遺産Cランク
・竣工:論文1:1901年(明治34年)6月
論文2:1901年(明治34年)5月
現地説明版:1901年(明治34年)
銘板:1901年(明治34年)5月
・径間:実測1.82m(6尺)
・現況:呑口側:元々なかったであろうゲートが設置されたために、
アーチ環の大部分が隠れており視認できないが、欠円アーチである。
坑門、翼壁共にイギリス積み。
笠石部にデンティルの装飾がある。両サイドに塔がある。
扁額があり、竣工年度が刻まれる。
・吐口側:ボックスカルバートにより延長されており、坑門はない。
アーチ環の2層までは確認できる。
・内部:側壁も煉瓦でイギリス積み。
八幡川(笹原排水)
旧荒川
川越市
2023年12月訪問
永府門樋 2連桁型逆水止 土木学会選近代土木遺産ランク
・竣工:論文1:1901年(明治34年)6月 ※論文1では永腐門樋
論文2:(記載がない)
現地説明版:1901年(明治34年)
銘板:1901年(明治34年)5月

・現況:呑口側:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手の2段積みで、迫り出している。
石桁(甲蓋)を銘板にしており、竣工年月日が刻まれる。
煉瓦造りの水切りがある。
角落しのはめ板と戸当たりが残るが、戸当たりはコンクリで雑に取り
付けたように見えるので、後年物ではないかと思われる。
・吐口:面壁、翼壁共にイギリス積み。
面壁の天端は縦小口と小口、雁木と小口の3段積みで持ち送り積
み。
翼壁の天端は縦小口と長手の2段積みで、迫り出している。
石桁(甲蓋)を銘板にしており、「永府門樋」とある。
逆水止の観音開きのゲートがあった名残がある。
隅石がある。中央部のピラスター(付柱)は装飾的ではあるが、バットレ
ス(控え壁)や水切りの役割もあると思われる。
・内部:石桁(甲蓋)、側壁はイギリス積み。
不明
市野川
吉見町
2023年12月訪問
三原樋管 管型逆水止 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:1902年(明治35年)5月

論文2:1903年(明治36年)
・現況:呑口側:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口。面壁の方は迫り出しなし。
後付けと思われるスルースゲートに左書きで「三原樋管」とある。
右側の戸当たりに煉瓦5段分の謎の切り込みがある。角落しのは
め板を差し込むための切り込みではないだろうか。よって往時は角
落しのゲートだった可能性がある。
・吐口:面壁、翼壁共にイギリス積み。両天端共に縦小口。
・内部:陶管で、往時のままと思われる。

※1:都幾川の治水と利水の歴史-東松山市PDFより
高坂用水※1
都幾川
東松山市
2023年12月訪問
杣殿樋管 桁型逆水止 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:1903年(明治36年)3月
論文2:(記載がない)
銘板:1903年(明治36年)4月

・現況:呑口側:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口。迫り出しなし。
面壁は煉瓦3段分しかない。
・吐口:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口。迫り出しなし。
石桁(甲蓋)の上に銘板があり「杣殿樋管」と竣工年度が刻まれる。
逆水止の観音開きのゲートがあった名残がある。
隅石がある。煉瓦造りの塔が1基ある。元々4基あった?
・内部:石桁(甲蓋)、側壁はイギリス積み。
不明
忍川
熊谷市
2023年12月訪問
秋葉前堰 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:1903年(明治36年)3月
論文2:(記載がない)
銘板:1903年(明治36年)4月
・現況:曲面仕上げの側壁で、イギリス積み。
側壁天端は、これも曲面仕上げの切石で、迫り出している。
呑口側に角落し用の切石造りの戸当たりがある。隅石の役割もあ
る。
石桁が2本架かり、呑口側に「秋葉前堰」、吐口側に竣工年度が刻
まれる。
不明
熊谷市
2023年12月訪問
高畑樋管 桁型取水 近々に撤去される可能性大
R3都幾川左岸高畑樋管改築工事

土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:1903年(明治36年)4月
論文2:1903年(明治36年)4月
銘板:1903年(明治36年)4月

・現況:呑口側:入間川流域緊急治水対策プロジェクトの一環で、堤
防工事の真っ最中の為、確認できなかった。
・吐口:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手の2段積みで、迫り出し。
翼壁天端下部に長手の縦積みを配している。
面壁中央部に銘板があり、竣工年度が刻まれる。
両サイドに塔がある。
・内部:石桁(甲蓋)、側壁はイギリス積み。
※1:都幾川の治水と利水の歴史-東松山市PDFより
上用水※1
都幾川
東松山市
2023年12月訪問
矢来門樋 桁型逆水止 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:1903年(明治36年)5月
論文2:1903年(明治36年)4月
銘板:1903年(明治36年)4月

・現況:呑口側:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手の2段積みで、迫り出し。
翼壁天端下部に長手の縦積みを4列1組で並べている。
石桁(甲蓋)を銘板にしており、竣工年度が刻まれる。
・吐口:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手の2段積みで、迫り出し。
翼壁天端下部に長手の縦積みを4列1組で並べている。
石桁(甲蓋)を銘板にしており、「矢来門樋」とある。
平成14年7月15日新設のスイングゲートが付いている。往時から片開
きのゲートだったと思われる丁番が向かって左側にある。
・内部:石桁(甲蓋)、側壁はイギリス積み。
※1:都幾川の治水と利水の歴史-東松山市PDFより
上用水※1
都幾川
東松山市
2023年12月訪問
奈目曽樋管 桁型取水 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:1903年(明治36年)5月
論文2:1903年(明治36年)
銘板:判読不能

・現況:呑口側:面壁、翼壁共にイギリス積み。
面壁天端は煉瓦張りRCの門柱増設により失っている。
翼壁天端は縦小口と長手の2段積みで、迫り出し。
翼壁天端下部に長手の縦積みを配している。
面壁中央部に銘板があり、「奈目曽樋管」とある。
・吐口:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手の2段積みで、迫り出し。
翼壁天端下部に長手の縦積みを配している。
面壁中央部に銘板があり、竣工年度が刻まれていると思われるが
全く判読できない。
塔が両サイドにある。
・内部:水没しており未確認。
※1:都幾川の治水と利水の歴史-東松山市PDFより
高坂用水※1
都幾川
東松山市
2023年12月訪問
10 落合門樋 アーチ型逆水止 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:1903年(明治36年)5月
論文2:1903年(明治36年)4月
現地説明版:1903年(明治36年)
銘板:1903年(明治36年)4月
・径間:実測困難
・現況:呑口側:煉瓦巻厚4層の欠円アーチ
面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手の2段積みで、迫り出している。
面壁中央部に銘板があり、竣工年度が刻まれる。
両サイドに塔がある。
・吐口側:煉瓦巻厚4層の欠円アーチ
面壁、翼壁共にイギリス積み。
面壁天端は縦小口と長手、小口、長手、小口の5段積みで、持ち送
り積み。翼壁天端は縦小口と長手の2段積みで迫り出しである。
面壁中央部に銘板があり、「落合門樋」とある。
「樋」はほぼ見えないが…
両サイドに塔がある。
逆水止の観音開きのゲートがあった名残の丁番がある。
戸当たりは三角形の切石。
・内部:側壁は埋没しており確認できない。
不明
見沼代用水(星川)
騎西町→加須市
2023年12月訪問
前吐樋管 管型逆水止 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:1903年(明治36年)6月 ※論文1では悪水吐樋管

論文2:1903年(明治36年)5月
・現況:呑口側:面壁はフランス積みになっている。小口2個と長手1
個の計3個だけで一列が構成されるほど狭い。
その面壁下部は小口を縦積みしてある。
翼壁はイギリス積みで、前樋管の翼壁と一体化している。
両天端共に縦小口、長手の3段積みで、持ち送り積み。
翼壁天端下部に長手の縦積みを配している。
ゲートが完全に閉じており、管型なのかどうか目視できないが、上部
の隙間から石桁(甲蓋)のようなものが見える。戸当たりかもしれな
い。
・吐口:矢来門樋の吐口の真横に並ぶ。
坑口に戸板が打ち付けられている。
坑門というものが存在しないと思われる。
・内部:ゲートが完全に閉じており、内部が確認できない。
吐口側も戸板が打ち付けてある。
※1:都幾川の治水と利水の歴史-東松山市PDFより
上用水※1
都幾川
東松山市
2023年12月訪問
前樋管 桁型送水 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:1903年(明治36年)6月 ※論文1では用水樋管
論文2:1903年(明治36年)5月
銘板:1903年(明治36年)5月

・現況:呑口側:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口、長手の3段積みで、持ち送り積み。
翼壁天端下部に長手の縦積みを配している。
面壁天端下部に銘板があるが、ゲート上に積もった土で文字が一部
しか見えないが、辛うじて「前樋管」と推測できる。
このゲートを閉じて、前吐樋管で都幾川に流す、ということも行ってい
たと思われる。
・吐口:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口、長手の3段積みで、持ち送り積み。
翼壁天端下部に長手の縦積みを配している。
石桁(甲蓋)を銘板にしており、竣工年度が刻まれる。
・内部:石桁(甲蓋)、側壁はイギリス積み。
※1:都幾川の治水と利水の歴史-東松山市PDFより
上用水※1
東松山市
2023年12月訪問
皿田樋管 管型逆水止 土木学会選近代土木遺産Cランク
・竣工:論文1:1903年(明治36年)6月

論文2:(記載がない)
・現況:呑口側:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手、小口の3段積みで、迫り出し。
向かって左側に大正4年竣工(後に改修)の辨清排水樋管が増設
され、翼壁を喪失している。
・吐口:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手、小口の3段積みで、迫り出し。
ゲートはコンクリ製で、後年改修のものと思われる。扉体がない。
翼壁が非対称で、元荒川の川上からの影響を受けにくいような工
夫がされている。
・内部:陶管で、往時のままと思われる。
不明
元荒川
蓮田市
2023年12月訪問
11 北河原用水元圦 アーチ型取水 土木学会選近代土木遺産Cランク
・竣工:論文1:1903年(明治36年)7月
論文2:(記載がない)
銘板:1903年(明治36年)4月
・径間:未測定

・現況:呑口側:煉瓦巻厚3層の2連欠円アーチ。
面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手の2段積みで、迫り出し。
面壁中央部に銘板があり、「北河原用水元圦」とある。
両サイドに塔があり、雁木の装飾がある。
隅石と水切りがあり、戸当たりの溝が掘られている。
ゲートは鋼製であり、後年物か。
・吐口:煉瓦巻厚4層の欠円アーチ。アーチ環中央部に竪積みがある。
面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手の2段積みで、迫り出し。
面壁中央部に銘板があり、竣工年度が刻まれる。
両サイドに塔があり、雁木の装飾がある。雁木から上が失われてい
る。
・内部:側壁も煉瓦でイギリス積み。
北河原用水
福川
行田市
2023年12月訪問
12 楕円排水塔・卵形水管
/(仮)天神沼樋
卵型排水 土木学会選近代土木遺産Aランク
・竣工:論文1:1903年(明治36年)7月
論文2:(記載がない)

・現況:呑口側:余水吐きのような構造のため、坑門はない。
楕円形で煉瓦小口積みの排水塔が垂直に埋め込まれ、卵形水管
に接続する。一度縦に落してから横に流す構造は、水の勢いを減
衰させ、下流域への氾濫を防ぐ意図があるのではないかと考える。
呑口側の卵形水管にアーチ環はなく、要石のような形で縦小口が4つ
差し込まれている。残りの外周は主に長手積みで固めている。
・吐口:煉瓦巻厚2層の卵形アーチ。神田下水(明治17~18年)の構
造と同じに見える。東京都下水道局のPDFによると、この卵形水管
は、管内に流れる水量が少なくても流速が確保できるため、ゴミが
体積しない合理的な断面、としている。
アーチ環下部が窄んでいる為、楔形の煉瓦を使用している。
面壁はイギリス積みだが、翼壁は小口積み。
面壁の天端は後付けの余水吐き施工により消失している。
翼壁天端は縦小口と小口の2段積みで、迫り出している。
両サイドに塔がある。
・内部:一周丸々アーチ環という特殊構造。全て長手積み。
不明
天神沼
吉見町
2023年12月訪問
京塚樋管 桁型逆水止 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:1903年(明治36年)9月
論文2:1903年(明治36年)9月 
※論文2では高塚樋管
銘板:1903年(明治36年)9月

・現況:呑口側:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手の2段積みで、迫り出し。
石桁(甲蓋)を銘板にしており、竣工年度が刻まれる。
・吐口:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手の2段積みで、迫り出し。
石桁(甲蓋)を銘板にしており、「京塚樋管」とある。
甲蓋(石桁)部分からしか切石の戸当たりがない為、ゲートは角落し
だったと思われる。
両サイドに塔がある。
・内部:石桁(甲蓋)、側壁はイギリス積み。
不明
長楽用水
川島町
2023年12月訪問
13 水越門樋 アーチ型逆水止 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:1903年(明治37年)5月 ※論文1では水越樋管
論文2:1904年(明治37年)3月
現地説明版:1904年(明治37年)
銘板:1904年(明治37年)3月

・現況:呑口側:煉瓦巻厚3層の欠円アーチ。
面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手の2段積みで、迫り出し。
面壁中央部に銘板があり、竣工年度が刻まれる。
・吐口:煉瓦巻厚3層の欠円アーチ。
面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手の2段積みで、迫り出し。
面壁中央部に銘板があり、「水越門樋」とある。
逆水止の観音開きのゲートがあった名残がある。
・内部:側壁も煉瓦でイギリス積み。
水越排水
新河岸川
富士見市
2023年12月訪問
山形樋管 桁型逆水止 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:1904年(明治37年)5月
論文2:(記載がない)
現地説明版:1904年(明治37年)

・現況:呑口側:現存しない。
・吐口:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手の2段積みで、迫り出し。
石桁(甲蓋)を銘板にしていたようだが、ゲートがあり確認できない。
手動引き上げ式のスルースゲートが往時のまま残っているようである。
・内部:石桁(甲蓋)、側壁はイギリス積み。
氷川排水
新河岸川
富士見市
2023年12月訪問
14 千貫樋 アーチ型逆水止 土木学会選近代土木遺産Bランク
土木学会選奨土木遺産
・竣工:論文1:1903年(明治37年)6月
論文2:1918年(大正7年)
現地説明版:1904年(明治37年)
銘板:1904年(明治37年)5月

・径間:実測2.42m(8尺)
・現況:呑口側:煉瓦巻厚4層の2連欠円アーチ。
面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と小口、長手の3段積みで、持ち送り積み。
坑口面のみに迫受石があり、隅石が下部に続く。
中央部に切石の水切りがあり、水切りの笠石は迫受石と一体型に
なっている。
・吐口:煉瓦巻厚4層の2連欠円アーチ。
面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と小口、長手の3段積みで、持ち送り積み。
面壁中央部に一文字ずつの銘板があり、「千」「貫」「樋」とある。
また、左側に縦書きの竣工(改造)年月日の銘板がある。
逆水止の観音開きのゲートがあった名残がある。
隅石がある。中央部のピラスター(付柱)はバットレス(控え壁)や水切り
の役割もあると思われる。
・内部:側壁も煉瓦でイギリス積み。
鴨川
荒川
浦和市
→さいたま市桜区
2023年12月訪問
  no photo 四反田樋管 桁型取水 撤去済み
土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:1905年(明治38年)3月 ※論文1では四反田圦樋
論文2:1905年(明治38年)3月
・現況:呑口側:現存しない。
・吐口:現存しない
・内部:現存しない。
矢来用水※1
都幾川
東松山市
2023年12月訪問
権現堂川用水新圦 桁型取水 土木学会選近代土木遺産Cランク
土木学会選奨土木遺産
・竣工:論文1:1905年(明治38年)3月
※論文1では権現堂川用水元圦
論文2:(記載がない)
銘板:1905年(明治38年)3月
・現況:呑口側:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手の2段積みで、迫り出し。
面壁中央部に銘板があり、「新圦」とある。
戸当たり部に面壁と翼壁も同時に保護する隅石がある。
・吐口:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手の2段積みで、迫り出し。
面壁中央部に銘板があり、竣工年度が刻まれる。
・内部:石桁(甲蓋)、側壁はイギリス積み。
権現堂川用水
中川
幸手市
2023年12月訪問
沼口門樋 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:(論文に記載がない)
論文2:1905年(明治38年)4月
現地説明版:1905年(明治38年)
銘板:1905年(明治38年)4月
・現況:側壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口、長手の2段積みで、迫り出している。
側壁の両端に1本ずつ石桁を渡してある。
ゲート寄りの石桁の呑口側に「沼口門樋」、吐口側に竣工年度が刻
まれる。
3本の堰柱、切石の笠石で2門のゲートを構成している。
ゲートはほぼ失われている。
八幡川(笹原排水)
伊佐沼
川越市
2023年12月訪問
辨天門樋 桁型逆水止 土木学会選近代土木遺産Cランク
・竣工:論文1:1905年(明治38年)6月※論文では弁天門樋
論文2:(記載がない)
現地説明版:1905年(明治38年)6月3日
※説明版では辯天門樋
銘板:1905年(明治38年)5月
・径間:実測1.06m(3尺5寸)
・現況:呑口側:煉瓦巻厚3層の欠円アーチ。
面壁、翼壁共にイギリス積み。翼壁は曲面施工。
面壁天端はゲート設置跡と思しき素材不明の板材で多くは覆われて
おり、判然としない。翼壁の天端は縦小口と長手、長手の3段積み
で、持ち送り積み。
面壁中央部に銘板があり、竣工年度が刻まれる。
塔が片側に残る。
坑口両サイドにゲートがあったような痕跡の穴があってそれが上方に
伸びており、コンクリで埋められている。
・吐口:ゲートが下りており、巻厚不明だが欠円アーチ。
面壁、翼壁共にイギリス積み。翼壁向かって右側だけが曲面施工。
面壁天端は縦小口と長手、小口の3段積みで、持ち送り積み。
翼壁天端は縦小口と長手、長手の3段積みで、持ち送り積み。
面壁中央部に銘板があり、「辨天門樋」とある。
両側に塔がある。
後付けのスルースゲートが設置されている。
・内部:側壁も煉瓦でイギリス積み。
小針沼排水
旧忍川
行田市
2023年12月訪問
坂東樋管 桁型取水 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:1905年(明治38年)7月
論文2:(記載がない)
銘板:1905年(明治38年)4月
・現況:呑口側:面壁上部2割程改修後の長手積み煉瓦。下部8割
が往時のイギリス積みとなっている。
向かって右側に翼壁が残るが、全改修で長手積み煉瓦となってい
る。
両天端共に笠石は残存している。
面壁の笠石下部に銘板があるが、「樋」以外読み取れない。
後付けのスルースゲートが設置されている。
・吐口:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に笠石となっている。
面壁の笠石が銘板となっており、竣工年度が刻まれる。
・内部:石桁(甲蓋)、内部は堆積物が多く、覗けなかった。
不明
横見川
吉見町
2023年12月訪問
古笊田堰 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:1909年(明治42年)3月
論文2:1909年(明治42年)3月
銘板:1909年(明治42年)3月
・現況:側壁はイギリス積み。
天端は縦小口、長手、小口の3段積みで、持ち送り積み。
呑口側両サイドの側壁には手上げ式木製ゲート付き取水樋管があ
る。戸当たり部分は切石。
5門ある鋼製のスルースゲートは後付け。
装飾的な水切りがある。
5列の石桁が渡してあるように見えるが、下流側の1列はコンクリで拡
幅されているようで、実際は4列のようだ。
備前堀川
久喜市
2023年12月訪問
15 三軒家樋管 アーチ型逆水止 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:(論文に記載がない)
論文2:1910年(明治43年)5月
現地説明版:1910年(明治43年)
銘板:1910年(明治43年)5月

・径間:実測2.18m(7尺2寸)
・現況:呑口側:煉瓦巻厚4層の欠円アーチ。
面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口と長手の2段積みで、迫り出している。
面壁中央部に銘板があり、竣工年度が刻まれる。
・吐口:煉瓦巻厚3層の2連欠円アーチ。
面壁、翼壁共にイギリス積み。
面壁天端がない。ゲートを外した際に失われた可能性がある。翼壁
の天端は縦小口と長手の2段積みで、迫り出している。
面壁上部に一文字ずつの銘板があり、「三」「軒」「家」「樋」「管」と
ある。銘板の上部の煉瓦は失われていると思われる。
逆水止の2門のスルースゲートがあったと思われる。戸当たりは切石で
隅石や水切りも兼ねている。
・内部:側壁も煉瓦でイギリス積み。吐口側だけ2連アーチとなっており
坑内に切石の水切りがある。
不明
新河岸川
川越市
2023年12月訪問
大樋圦 桁型排水 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:1911年(明治44年)4月?
※論文では伊佐沼溜池用水樋管(本郷圦等5基の樋管)←これに該当するか定かでない
論文2:(記載がない)
・現況:呑口側:コンクリ製門柱と鋼製スライドゲートが増設されている
が、本来の呑口の面壁切石が部分的に視認できる。
・吐口側:面壁と呼べるものがない(強いて言えば石桁(甲蓋)の上
に乗る切石がそれか)。
土被りが吐口側までなく、裏面の構造が観察できる。
・内部:石桁(甲蓋)、側壁から床面まで全面切石積み。
不明
伊佐沼
川越市
2023年12月訪問
高坂千年樋管 桁型逆水止 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:(記載がない)
論文2:1912年(明治45年)3月
銘板:1912年(明治45年)3月25日
・現況:呑口側:面壁、翼壁共に切石
面壁上部の切石が銘板となっており、改築年月日が刻まれる。
・吐口側:コンクリートで周りを固められているが、切石が部分的に残
っている。
ゲートの笠石部に銘板があり、「高坂千年樋管」とある。
・内部:石桁(甲蓋)、側壁は切石の布積み。

※1:都幾川の治水と利水の歴史-東松山市PDFより
高坂用水※1
都幾川
東松山市
2023年12月訪問
  no photo  高坂萬世樋管 桁型逆水止 撤去済み
土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:(記載がない)
論文2:1912年(明治45年)3月
・現況:呑口側:現存しない。
・吐口:現存しない
・内部:現存しない。

※1:都幾川の治水と利水の歴史-東松山市PDFより
高坂用水※1
都幾川
東松山市
2023年12月訪問
小剣樋管 桁型逆水止 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:(記載がない)
論文2:(記載がない)
銘板:1914年(大正3年)5月
・現況:呑口側:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口、長手の2段積みで、迫り出している
翼壁の天端下部に長手の縦積みを配している。
面壁中央部に銘板があり、竣工年月日が刻まれる。
両サイドに塔がある。
・吐口側:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に縦小口、長手の2段積みで、迫り出している
翼壁の天端下部に長手の縦積みを配している。
戸当たり部に隅石がある。
重厚なマイターゲートが設置されており、上部の面壁も一部改修されて
いる。その部分に銘板があった可能性がある。
両サイドに塔がある。
・内部:床面はコンクリ製のインバートがある。後年モルタル補修か。
石桁(甲蓋)、側壁はイギリス積み。

※1:都幾川の治水と利水の歴史-東松山市PDFより
高坂用水※1
都幾川
東松山市
2023年12月訪問
16 (仮)小針落伏越 アーチ型伏越 土木学会選近代土木遺産ランク
・竣工:論文1:竣工年度不明
論文2:(記載がない)
土木学会:1914年(大正3年)
・現況:呑口側:煉瓦巻厚3層の欠円アーチ。
面壁、胸壁、翼壁はイギリス積み。
胸壁天端は縦小口と長手、小口の3段積みで、持ち送り積み
面壁天端(帯石に該当する箇所)も同様の積み方となっている。
翼壁の天端は植生が濃く、視認できなかった。
胸壁と面壁両方の中央部にそれぞれ銘板があったようだが、脱落
している。
因みに野通川の起点の碑がここにある。ここより上流が小針落と
思われる。
・吐口:煉瓦巻厚3層の欠円アーチ。
面壁、胸壁、翼壁共にイギリス積み。
胸壁天端は小口、小口、長手(中央に小口あり)、小口の4段積み
の持ち送り積みだが、最上段は後退している。
面壁天端(帯石に該当する箇所)、翼壁天端は縦小口と長手、小口
の2段積みで迫り出している。
面壁中央部に銘板があったようだが、脱落している。
・内部:確認できなかった。
野通川
(交差河川名)
旧忍川
行田市~川里村
→川里町→鴻巣市
2023年12月訪問
新久保用水樋管 桁型逆水止 土木学会選近代土木遺産未登録
・竣工:論文1:(記載がない)
論文2:(記載がない)
銘板:1915年(大正4年)4月
・現況:呑口側:面壁、翼壁共にイギリス積み。
両天端共に小口、長手の3段積みで持ち送り積み。
面壁中央部に銘板があり、上段に「新久保用水樋管」、下段に竣工
年度が刻まれる。
塔がある。笠石はコンクリ製か、切石にモルタルを塗っている。
・吐口:面壁、翼壁共にイギリス積み。
面壁の天端は煉瓦ではなく切石か。迫り出しもない。翼壁の天端は
ほぼ小口、ほぼ長手の3段積みで持ち送り積み。
戸当たり部は切石で、隅石の役割もある。
坑門前面にもコンクリ製の翼壁があるが、隅石との結合はされておら
ず、後付けではないか、と考える。スルースゲートも、門柱は塔にモルタル
を塗り、上部にコンクリ桁を乗せた感じに見えるので、これも後付けと
考える。
・内部:石桁(甲蓋)だが、先頭は煉瓦でその後に石桁?が縦向き
になっている。
内部側壁はコンクリだが、煉瓦を削ってコンクリを塗り付けたような印象
を受ける。
不明
備前堀川
菖蒲町→久喜市
2023年12月訪問

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