武田尾廃線トンネル
兵庫県 生瀬−西宮名塩間


最終決戦編

  

城山トンネル編
 早朝とはいえ体感気温はすでに30℃オーバー
に感じます。。。暑い。。。
 自分のやってることを客観視できずにのこのこ
死地に赴きました。もちろん対策は可能な限り
施している。ここまできたら行くっきゃない!
 ここは、国道176号線と生瀬駅前へ向かう道と
の交点。駅通りと反対側へ進めば前回登場した
西宝橋を渡ることになります。
 奥手のコンクリ橋梁は現行福知山線のもので、
竣工から何回か修繕を受けているのか、結構き
れいな状態を見せ付けています。
 で、手前の1段下がった橋台に見えないけど
橋梁跡と思われるコンクリの構築物があります。
 あるいは廃線後にコンクリで修復されたのかも
知れません。
 兎に角緑がこんもりです。
  橋台からは登れそうもありません。一応国道
側、橋台の側面に階段があって上に行けますが
そこから超激籔。。。ここからだとトンネルまで遠
すぎ、と判断しやめときました。
 少し国道沿いに歩きます(ホンの数歩ですが)
と、奥手にバス停が見えます。
 青看板の通り、200m先の丁字路を左折して
 すぐの所に路駐しています。
 歩道の欄干から鉄道方向を見ると、よく他サイト
様でも見かける光景がありました。
 手前が旧橋梁です。
 バス停を過ぎた辺りで石垣が途切れ、鬱蒼と
した草木が生える地肌露出部分のみとなります。
 さらに奥はフェンスで遮られてしまいます。
 この辺はどうか?と斜面を見上げると。。。
 !!ちょうど青看板の裏側の辺りでしょうか、
斜面に踏み分け道らしき1本の筋が入ってます。
 直感的にここや!と即断し、躊躇は行き交う車
から怪しまれることも考え、堂々と衆人環視の元
乗り込みました。(よととはいつも作業着スタイル
です。汚れても平気だし、何より作業の人と思っ
てくれるのを期待しとるのです。)
 ここはどこ?さあどこでしょう?
 分かるか!!
 恐らく旧軌道の直上だと思われます。想像以上
の荒れっぷりです。背丈をゆうに超える木々が
生い茂り、それらに激籔最凶の蔦がからみつき、
低地にはトゲゾー植物、枯れ木群、くもの巣大量
、何か分からんモノがブンブン飛び回る最悪環境
です。
 ふっ、上等やんけ!かかってこんかい!

 チクチク、ガサガサ、ブーン。。。。。。。。。

 ひー、ごめんなさい。。。
 すぐ下は車道で、車がガンガン行き交っていま
す。しかし、ほんの数mしか離れていないよととの
いる場所は、すでにジャングルの奥地のようなサ
バイバーな場所なのであった。。。
 出先地点刈り込み完了!所要時間およそ15分
 それでこんだけかい!と突っ込みを受けそうで
すが、これでもかなりやっつけましたが、さすがに
木は倒せません。。。
 進軍10歩程で木の群生地帯を過ぎました。。。
が、全く喜べない展開です。木々が日光を遮って
いたお陰で、先ほどの地点は低地植物が少なか
ったんですが。。。よっしゃ!わしらの出番や!と
ばかりに大暴れする低地植物にまたも最凶蔦が
からまりまくって。。。あーもう手が付けられん!
 籔漕ぎで強引に突き進む事も不可能です。
 時折、列車の音が聞こえます。見上げるとあん
な高い位置に構築物が。。。あれは、福知山線の
現行トンネルです。ここから見たら、あれも遺跡
のように見えるけどなあ。
 車道側を見れば。。。武庫川の向こうには民家
がたくさんあり、いつもと変わらない平和な営み
が送られているのでしょう。なのになーのにこの
人は何をやってるんでしょうか?
 自分でもバカじゃないの?と標準語っぽく突っ
込んでしまいますが。。。うーん、もう変態ですね。
 しかし暑い、どえらい暑さですよ、全く。さっきま
で背丈以上の木々が生い茂っていたおかげで
日陰になっていたのに、より環境劣悪。しかも1
歩踏み出すのに5分〜10分要しています。異常
だ異常。
 で、アホな話ですが、ムキになって徹底的に
応戦、1時間以上費やしてこんなモーゼ道を開拓
しました。もう汗何g出したかわからんな。
 しかし、さっきから緑一色の写真構成になっとる
なあ、いかんいかん。
 刈り込みは、少し左にずらして行いました。何が
狙いかというと、コレです。コンクリの側壁。ちょう
どこの上が現行トンネルですので、トンネルの土
台部分ということになりますか。この土台に添って
進めまいか、という目論みっす。
 あのまままっすぐ激籔を突き進むと、マジで3時
間はかかりますって。。。その前に体力が持たん
。。。
 
 やはり、かなりイイ!!
 日陰になるのか、低地植物の勢いが弱い。
 しかも排水側溝付きなので、植物が生えにくく
なっています。くもの巣を振り払い、一気に前進
します!
 カベ伝いの進行はかなりクリティカルヒットです。
一気に奴の喉元に喰らい付くことができました。
 長い間夢となっていた城山の口をこの目で。。。
 雪崩のように垂れ下がる蔦、巨大な枯れ木を
押し退けて、ようやくおおよそのお顔を拝見でき
ました。この沿線の廃線隧道と何ら変わらぬそ
のお姿。特に珍しいものはないものの、これまで
の進軍が走馬灯のように頭をめぐり、瞳には熱
いものがこみ上げて。。。とそこまでは感動できま
せんでしたが、やはり達成感はヒトシオです。 
 巻厚は5層で、当田より1層薄いです。地質的に
薄くしてもOKだったのでしょう。
 内部です。武田尾トンネル群の中では最短の
部類ではないでしょうか。最短のくせに最長の時
間を取らせるトンネルとは。。。いやはや。 
 生瀬駅側坑口より。
 すばらしく良い景色です。
 内部には良い景色でないものがたくさん。
 はあ。
 枕木はしっかり残っています。
 短くても待避所はしっかり完備。安全第一です
からね!
 ついにあの崖っぷち、城山の武田尾側坑口に
辿り着きました。あの大茂山トンネルと同じです。
 崖っぷちから下を見下ろす。。。が草木がすごく
て、イマイチ写真では分かり辛いですが、やはり
絶壁です。
 限界ぎりぎりショット。迫り出し幅も少なく、これ
以上前へ進めませんので、もう無理です。

 
 銘板には「城山」の文字が見えるような見えな
いような。。。
 太多田川の向こう岸には、確かに駐車中の我
が愛車が見えます。
 向こう側から、このトンネルの口ははっきりわか
らなかったのになあ。
 ついに武田尾廃線跡トンネル全12本完全攻略
致しました。もうないですよね?
 ここまでこれたのは、赤猫氏の助言が大きいで
す。ありがとうございました。
 関西には廃線トンネル群はまだまだあるようで
すし(夜久野の1000m超、三重青山は恐らく最
終目標。。。)可能な限り踏破して、レポしたいと
思います!(でんしゃみちコーナー作るかもです)

 
 武田尾廃線跡 完