京福電鉄越前本線 福井県勝山市下荒井六呂師口駅〜大野市新在家駅間
2008年6月訪問
2015年4月再訪
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これまた古い7年前のネタを今年再訪し、レポート にてまとめました。 えちぜん鉄道勝山永平寺線は、かつて京福電気 鉄道が運営し、越前本線として勝山駅からさらに 南方、京福大野駅まで路線が伸びていました。 しかし不採算を理由に1974年、勝山−京福大野 駅間が廃止され、本線唯一のトンネルである下荒井 トンネルも同時に廃されることとなりました。 7年前はこの路線もトンネルの存在も知らず、福井 県の道路トンネル巡りで、国道157号線の下荒井 トンネルの写真を撮った際に偶然目にしたものです。 |
偶然目にした光景がこれ。大野市側です。 そりゃあ驚きましたよ。なんじゃこりゃ!?旧国道の隧道か!?にしては狭すぎやし、歩道隧道の廃止ってのもわけわからん し…、周りに鉄道線もないから旧線トンネルでもなし…などといろんな妄想が頭を巡りました。 |
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ただちに接近。 木製の板で封鎖されているものの、左側から内部 は見ることができます。 すると… |
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ガチトンネルぢゃねーか!!!!(ピンボケorz) 反対側の光が見えています。貫通している…なんなんだ、これは!?なんでこんな所にトンネルが!? その答えは帰ってからやっと知るのでありました。 |
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振り返るとこんな感じです。 …うーむ…何の痕跡も見いだせないな… このトンネルの先には何があったんだ…? |
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ちょっとお邪魔することに。 どうやって入ったのか、もう忘れてしまいましたが ようこんなとこ入ったな…って感じです。 |
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それにしてもかなり狭く感じる洞内。 馬蹄型のようなので、やはり鉄道物件なのか…? などと考えつつ前進します。 |
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これを見て確信しました。 退避坑だ!やはりこれは鉄道トンネルなんだ… しかし、何線?周辺に線路なかったよな…? |
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といいつつ、勝山市側坑口が目前に。 なんか資材が積まれている光景が目に入って きました。??? |
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おおおお…? なんだこりゃ?どうやら資材の保管場所として 再利用されているようです。 |
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振り返り。 お手製の木製扉が付いています。 |
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はい、これが2008年6月、およそ7年前に見たかつての越前本線の下荒井トンネル、勝山市側坑口です。 で、当然これのさらに前代のトンネルがあることも知らず、帰途についたのですが… ネットで見てびっくり。これは再訪せねば! と思いつつかれこれ7年余り…そして!遂に!!! |
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2015年4月の下荒井トンネル勝山市坑口がこれです! やっと、やっと再訪が叶いました!季節も良く、デジカメの性能もアップしたお陰で格段に画質が上がりました。 コンクリート製ではあるものの、装飾にはかなり拘っています。 |
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迫石風のデザインみ加え、要石風のデザインは帯石風のデザインにまで達する特殊形状をしています。 胸壁部には扁額が。 |
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嘗ての社章を添えた扁額があります。 …うーむ、読めん… 最初の文字は「吉」かな? 2文字目は糸ヘンぽいですがわからず。 3文字目は手ヘンで「探」的なイメージ。 4文字目は「安」で間違いないでしょ。 左側の文字はある程度読めました。 「大正拾三年 大澤 道忠」 「道」の字が違うかもしれません。 |
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内部です。前回完抜けしているので、今回は自粛しました。 奥の方に新しくできたフェンスが見えます。 |
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引いて撮影。左側の建物は嘗ての下荒井六呂師駅の駅舎を使用している、と言いたいところですが、どうやら建て替えを されたようです。因みに個人様所有です。 さて、今回のメインはこれではありません。この下荒井トンネルの旧トンネル!これを見ないと話しになりません。 |
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場所はこのあたり。 旧線とあって、山を巻く路線となっています。 |
これは県道171号線から山肌を見上げた映像です。 4月初旬、冬枯れがまだ残っており、線路敷きの石積みをずらっと見ることができます。 |
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この辺から斜めに上がっていけそうです。 | |
途中法面補修された絶壁の上を通るのでかなり 危険なルートでした。おすすめできません。 そのまま斜めに登り続けると… |
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このようなプチ切り通しが。 鉄道のものではありません。 トンネルで抜ける国道、その前身であろう県道 171号線、さらにその前の道の名残ではないでしょ うか。 ちょっと得した気分です。 |
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振り返り。 県道171号線が見えています。 ここまでは一部かなり際どい登りがあります。 |
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路線はさらに上です。 道がありませんが、ここからV字ターンして登って いきます。 |
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無事に線路敷きに辿りつきました。 さあ、隧道拝見…といきたいところですが、焦らさ せて下さい。 帰りはこの見ている線路敷きを踏破して脱出しま した。 その逆再生でちょっとレポさせて頂きます。 |
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…というわけで場面は変わり… ここは国道157号線の下荒井トンネル北側坑口 前です。 かつての線路敷きは右側のコンクリートよりも さらに一段上、見えますでしょうか、大きな木が生え ているところがそうです。 |
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振り返り。 この舗装された道は当然線路敷きではありません が、ある程度勾配を稼いだ後、旧線敷きと合流しま す。 旧線敷きにすぐ行く場合は、コンクリ壁が途切れる 個所にある未舗装路を上がります。 |
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未舗装路を上がるとこのような景色に。 左側から上がってきました。 右側のフラットな部分が旧線敷きと思われます。 |
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振り返り。 そこは植林され、旧線敷きを見ることはできま せん。 |
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2枚上の場所から先に進めないので、未舗装路 途中から下荒井トンネル方面の斜面を上がります。 |
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先程言っていた、大きな木がある場所に来れまし た。 旧線敷きはここから一旦下荒井トンネルの影響で 消滅します。 |
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国道の下荒井トンネル真上です。 路盤は削られて下がっていると思われます。 |
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下荒井トンネルをやり過ごし、少々ごそごそすると フラットな場所が現れます。 ここで旧線敷き復活となります。 |
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旧線敷きからの景色。 国道は左寄り、青看板のある所です。 |
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この季節だから踏破できるんやろな…てな感じの する場所。 |
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ここはええ感じですな。 | |
倒木が遮ります。 ここを越えた辺りで…遂に… |
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出た!!! 遂にその姿を現しました!その存在を知り得てからかれこれ7年余り!遂に念願の初代下荒井トンネル! |
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良い雰囲気ですね!ただ、季節が季節だとかなり緑に覆われてしまいそうですが… |
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そう…そして忘れていることが一つ… 初代下荒井トンネルは総切石造り!なのであります! |
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その姿がこちら! こりゃすごい!まんま総切石造りです! 馬蹄型のフォルムに輪石、迫石に気持ち大きい要石付きです。立派なもんです。 初代下荒井トンネル 開業が1914年(大正3年)なので、竣功も同じと思われます。 二代目下荒井トンネルは、扁額から1924年(大正13年)竣功のようです。 |
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内部です。非常に良い雰囲気ですね!今年(2015年)で101歳となる初代下荒井トンネル。 廃されてなおトンネル体を全く崩しておりません。 前後を整備すれば遊歩道トンネルで十分使用できそうです。 |
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勝山市側を振り返り。 うーむ、いいすな〜 |
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少し進むとアーチがコンクリに変わりました。 後年改修でしょうか? |
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初代下荒井トンネル唯一の退避坑が現れました。 | |
しっかりと切石でアーチを形成しています。 内部も石積みですな。 |
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使用されている切石。長方形に綺麗に整形し、布積みにしております。 |
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天井部分は少々ムラが大きいですな。モルタル充填補修も受けている感じです。 しかしながら総切石仕様であることには変わりありません。 鉄道トンネルで切石アーチというのは非常に珍しいと思います。 |
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大野市側の坑口です。 軌道ラインがきっちりと残されています。 |
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両側の擁壁も揺るぎありません。 本当にちょっと整備すれば遊歩道として使えそうです。 |
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大野市側の坑門です。 立派なもんです。とても100年経過しているとは思えません。 |
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廃線により2本ともに廃棄されてしまった鉄道トンネル。結構珍しいことではないでしょうか。 しかも初代は切石アーチトンネル。是非前後整備して、遊歩道として保存していただきたいものです。 |