瀬の谷隧道
滋賀県

 

 
 実は別の隧道を探していたのですが。。。
「滝山田隧道」付近で聞き込みをしていた所、
農家のおじさんから、かの場所に隧道がある

ことを聞き付け、やって参りました。
 かの場所とは、滋賀県甲賀市甲南町野川と
いう地区のことです。
 浅野川と背丈のない山に挟まれたこの地区
には数えられる程度の日本家屋が並ぶのみ
で、普段であれば決して探索の対象には
ならない場所です。
 が、この辺に、あれ、があるっていうもんだか
ら。。。
 すると、あれ、は、当然よととの視界に現れ
ました。
 ほぼ1列に並ぶ古民家の間にそれは開いて
いました。。。
 小さい、ホント小さい穴です。
 軽でも入るかどうか???
 照明等一切ないが、周囲の補強工事と併せ
て、この隧道も補修を受けているようです。
 ほぼ一体化してます。コンクリまみれの無表
情隧道になってしまってます。
 あまりの無表情ぶりに気を遣ったのか、扁額
を後付けながら設置してありました。
 「瀬の谷隧道」今まで全く見聞きしていない
物件。ネットでもお目にかかっていません。
 電子地図、地図帳でも見ないレアな隧道と
言えます。
 この石碑は、おそらく竣工当時から存在する
ものと思われます。肝心の竣工年月日が判別
できません。。。昭和十?五?年三月竣工
?で、起工が十?四年六月と読みましたが。。
最も重要な昭和何年なのかがはっきりしませ
ん。
 「隧道開鑿記念」中央の文字ははっきりして
います。
 本当に狭いです。高さは2mぐらいあるかも
知れませんが、横はなさすぎ。
 人道と考えてよいでしょうねえ。
 反対側に一体何があるんだろう。。。
 と思って出口を目指すとそこは???
 田んぼでした。
 この時点でやっとこの隧道の目的が分かり
ました。先に見てきた「滝山田隧道」や「谷比
山隧道」などとどうやら同じ目的で穿たれた
隧道のようです。農耕事業を促進したいが、
この辺りは小高い山と平地が混在しており、
効率的に促進するために、このような隧道が
多数掘られる要因となったのではないでしょう
か。こういった隧道は近畿ではここしか見たこ
とありません。
 こちら側の坑口は無表情そのもの。
 先の隧道たちと同じです。
 近年、ここの田んぼは使われていないよう
に感じます。非常に荒れ果てていました。
 本来の役目を終えたあとの使い道は。。。
 地元の方の散歩コースか、我々奇特な愛好
家(マニア)のためのみなのであろうか。。。