(仮)旧笹川隧道


富山県


 

 
 富山県下新川郡朝日町を走る県道103号(田中
横尾線)に存在するこの笹川トンネル。
 竣工は1986年(昭和61年)3月。普通のコンクリー
トトンネルですが、実は地図ではこの右隣にもう
1本同じような延長を持つトンネル表記があります。
 
 どう見ても旧道の隧道の匂い。。。
 遠征隧道集に入れるべく訪れたのでありました
が。。。
 様子がオカシイ。。。
 地図で見ると東側は近接して隧道の坑口がある
はずですので、こちらからアプローチしたのです
が。。。
 
 ??????????????

 ナンだコレ???

 県道の欄干から旧道と思しき方向を見ているので
すが、どうも巨大な要壁で道が半分なくなっている
様です。
 そして奥は。。。
 残された半分?の道からアプローチしますが、
もう廃化は間違いないようです。
 
 県別マップルでも、電子地図でもその姿を残す
旧道と隧道ですが、まさかこんな状態だとは。。。
 こりゃレポせんとイカンなあ。。。と、思いつつ、
歩を進めます。
 橋は全体が残っています。
 その奥は植生が激しく見えませんが、まさしく
廃隧道感が満点です。
 。。。。。。。。うおおおお。。。

 想定以上に不気味なオーラを放っています。。。

 橋梁は苔むしつつも揺ぎ無くそこにありますが、
隧道に関しては。。。

 出た。。。。。。

 目一杯廃隧道。。。梅雨真っ只中の午後、その姿は思いっきり廃隧道然としています。
 コンクリート隧道です。
 扁額は。。。ないようですねえ。。。

 1940年(昭和15年)竣工 延長407m
 限界高2.6m 幅員3.4m


 というデータが残っています。現役が430mですの
で、匹敵する長さです。

 それにしても、封鎖は脇が甘いですねえ。

 おおお。。。なんと禍々しい。。。
 内部は当然真っ暗。そしてそれにも増して漂う靄の量がハンパではありません。
 あああ。。。やはり。。。

 少し入ってフラッシュ炊けば、あっという間に
この有様。。。

 これはきついな。。。
 振り返り撮影。
 その坑口は四方から植生に脅かされています。

 靄に霞む旧笹川隧道。
 コンクリートで覆われつつも2車線ないことが、2代目に現役を譲る最大の要因となったのでしょうか。
 
 正面が靄で一向に写せませんので、天井とか、
近接物を写すしかありません。
 上の写真で垂れ下がっていたコードは、照明用
のようです。
 路面は常に濡れており、多少の泥濘も見受け
られます。
 水の流れもあり、細々と奥に向かって流れて
いってます。
 ああ。。。出口が遠のく。。。
 闇に背を向けていると、背中が非常に寒くなりま
す。
 もうどのぐらい来たでしょうか。
 心なしか靄が薄らいできましたが、何故か反対側
坑口の明かりは見えません。。。

 久々の恐怖体験アンビリバボーです。
 長距離、闇、靄、冷気、届かない懐中電灯の
光。。。久々にビビッてます。。。

 先の見えない隧道。。。例えば、山陰本線、福知
山線の片側閉塞長距離鉄道トンネルなんかと同類
です。。。

 そういったものは結構乗り越えてきましたが、
やっぱり怖いもんは怖い!
 をを!
 靄、晴れました!
 。。。しかし、対岸の光は見えず。。。
 闇、冷気の支配は依然として脅威です。。。
 天井には依然として照明器具が付いています。
 。。。けど、これってハダカ電球!?
 お!
 まともな照明器具発見。
 この照明器具、東側には全然付いてませんでし
たが、西側には結構設置してあります。
 なんで?
 。。。おかしい。。。
 もう大分奥まで入り込んでいます。。。
 こういう時って、どこか違う空間と繋がっているん
では。。。とマジに思って背筋が寒くなるんです
が。。。
 これは恐らく閉塞していると考えて間違い
ないでしょう。。。

 。。。ほら、奥に何か見えませんか。。。?

 やはり!!!
 完全閉塞です。もうほぼ西側出口寸前にて蓋がされている感じです。
 木製の型枠みたいなのでみっちりと蓋がされて
います。
 ちょっとオーバーハング(手前に傾斜)していま
す。
 排水路が両側に付いており、水が流れ出ており
ます。
 水だけは外に脱出できるみたいです。
 本当に隙間がありません。
 そして、外界の物音一つ聞こえません。
 木製の蓋以上に何かで密閉されているのかも
知れません。
 最深部より振り返り。。。
 直線なのですが、見えるはずの光が見え
ません。

 やはり400mの長さ、靄の深さが成す業でしょう
か。

 さあ、早いトコ脱出や。。。

 すぐ脱出!
 。。。本当は数分かかってますよ、そりゃあ。。。そりゃあ、背筋ずっと寒かったっすよ。。。

 ああ、緑が眩しい。。。お外はホンといいもんですねえ〜
 ちなみに旧道半分塞いでいるあの要壁は、企業さんの敷地のようです。
 でも、旧道化してから建てた?にしては、すごい古そうなんですよねえ。

 とりあえず閉塞してましたので、反対側に廻って状況確認しましょう!
 すぐ反対側!

 。。。ぐはっ。。。

 こないなっとるとは。。。
 ゴルフの打ちっぱなし場の敷地にされてしまって
いるようです。。。
 おっ。
 排水溝です。
 閉塞地点で見た排水溝と繋がっているに違い
ありません。
 そうすると、一応空気の通り道はある、というこ
とですよね。(だからあんまり空気の澱みはありま
せんでした)
 一応上から確認してみましたが、やっぱり笠石
部分だけ出ていて、そこ以外は埋まってしまって
います。
 後ろのモルタル塗りは、隧道上の土留め施工
だったのでしょう。
 近くにあった「横尾城遺構」看板。
 ここにトンネル表記が2つあります。が、右側の
は北陸自動車道のトンネル、真ん中のが現役笹川
トンネル。。。
 そして、左手にあったはずの隧道表記は既に
ありません。
 1993年(平成5年)3月設置の看板のようですの
で、少なくとも17年以上前に旧笹川隧道は役目
を終えてしまっているようです。
 まあ、現役笹川トンネル竣工が1986年(昭和61
年)なんで、最大で24年前に廃止された可能性も
あります。

 それでも地図上では未だに現役を続けさせられ
ておりますが。。。