旧吊鐘隧道
和歌山県

 

 
 和歌山県那智勝浦町方面に違う目的で訪れて
いた時のことです。
 ちょうど、那智勝浦町と太地町境にグリーンピア
南紀という保養施設があり(今は運営主体が違い
名前も違うようですが。。。)、この周辺にトンネル
があるよ、という情報をもらっていたのを思い出しま
した。(Heera氏情報)
 掲示板で頂いていた情報だと、R42から出てい
る、遊歩道である、閉鎖されている、という3つの
ポイントがあります。
 急遽、その探索を計画に組み入れ、やって参った
次第であります。
 旧グリーンピアの真ん前から国道42号線を渡ると
このような歩道橋が現れます。この奥に見える小さ
な山付近が怪しいと、地図上では感じました。
 
 狭い、機能重視の飾り気ない遊歩道です。
 特に両側のフェンスの高いこと!なんでこんなに
高くする必要があるのかというと。。。
 をを。。。鉄道が走っています。
 この歩道橋は跨線人道橋という位置づけです
ね。そら陸橋から物を落とされたら敵わんし、フェン
スは高くて然るべき。。。
 因みに奥に見えるトンネルは紀勢本線の現役ト
ンネルの「三軒家トンネル」です。この辺には旧ト
ンネルはなさそうです。
 陸橋は線路を跨いだ後に下りに転じます。
 労せずして線路を通過する事ができます。
 対岸に降り立ちました。国道が上部を走り、鉄道
は一段下がった所を走っており、陸橋は片側を階
段にするのみで用を足しています。

 この陸橋の名前と竣工年度の銘板がありました。
。。。これも旧グリーンピアの設備ですか。。。
 おお〜いい眺めですなあ。
 施設の目玉の一つでもあったのでしょうねえ。。。

 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

 んん???

 湾の向こう岸の陸地に、新しめの穴が見えます
よ?(カーソルあわせてみて下さい)
あれは、未成トンネルの「岩屋トンネル」ですね
え。こんなところから見えるとは。。。

 さて、目指すのは岩屋では当然ありません。
 陸橋を降り立った場所から周辺は明らかに管理
されていない、籔生え放題の景色が広がります。
 この陸橋真下、線路沿いに唯一今も歩いていそ
うなアスファルトの遊歩道が見えています。
 
 籔まみれになった公園のようなスペース、そこを
外回りするように、歩くスペースが残されています。
フェンスの内側、公園の中に建物が残っています。
 建物は事務所のようですね。
 一応設備は中に残されているようですが。。。
 その建物から少し進んだ所。。。山が眼前に迫り
つつ、その山に突っ込む形で右カーブする遊歩道
。。。ここか!
 !ありました!
 見事に情報通りの場所にありました。
 遊歩道らしくその小振りなトンネルは、決して古い
造りではありませんが、使用されていない感満天
で、結構不気味です。
 
 振り返れば管理事務所の建物が。。。ってよく見
たらトイレも併設してあるようですね。
 それにしても脇道は今でも通る人がいるのかも
知れませんねえ。
 もう少し近付いて撮影。

 三軒家トンネル、1992年の竣工で、ほんの17年
前の物件なんですが、もうお役御免ですか。。。
 排気ガスの影響を全く受けていないと見えて、17
年経過後、廃トンネル(休眠?)となってもこの白い
お肌はどうですか!勿体無い。。。落書きも見当た
らないとは、非常に驚きです。
 使用されなくなっても洞内の管理はされているの
かも知れません。
 内から見るその景色はやはり廃の風景と言わざ
るをえません。
 南側坑口にやって参りました。同じ廃っぽい風景
ではあるものの、南向きの明るさ、木漏れ日の光
がそういう雰囲気を消し去っています。
 中央には車止めがあり、やはり遊歩道であった
ことがはっきり分かります。
 南側坑口は植生の勢いが強く、トンネルを構成
するコンクリ巻きが覆い尽くされようとしています。
 緑のトンネルになる日も近いかも知れません。
 少し離れればこの有様です。
 
 右手の茂みの中に「この先行き止まり」の看板が。
現役時の車に対するアピールだったのでしょうか。
 国道まで出てきました。南側は国道と同じ高さで
接続していました。(国道が下がってきた、というのが
正しいですが)
 この眼前の茂みは元々駐車場のようになっていた
ようです。それがここまで自然に戻されるとは。。。
 南側遊歩道の入り口です。
 こちら側には、「不法投棄多発の為閉鎖中」の看板
がありました。
 やはり使われなくなるとあっという間にこういうこと
で悩まされるんですねえ。。。多くの峠道やトンネル
脇がそうであるように。。。残念でなりません。
 いつか、遊歩道が再開されることを願います。