(仮)黒蔵谷トンネル



大塔森林鉄道大塔支線

後半戦

 


               2010年4月訪問

 この辺りから路盤の状態が怪しくなってきます。
 一旦谷筋に降りてから回り込まないと通過できない
所も出てきました。
 この辺りが一番の難所でしょうか。
 上部の木が一本立っている所が路盤跡ですが、
その前後は崩落しており、谷筋の迂回を余儀なくさ
れます。
 迂闊にあの路盤跡に這い上がってみると、すぐ先
も崩落で、進退が極まりかけました。。。
 ひとしきり喘いだ後、また平静さを取り戻します。
 それにしても、この切り立ては大変そうです。
 左側、ぼこぼこになりつつも道が延び、やがて、
問題の地点へ。。。
 大流失!!!

 路面が地滑りの影響で見えなくなっています。。。

 しかし、問題はそこではなく。。

 !!!? 
 
 遂に隧道キタ!!!
 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。???

 。。。と100%思いましたよ、そりゃあ。。。
 左なんてまさにまんま。。。右も怪しい雰囲気。。。
 結論から、右は錯覚です。。。小さい赤いモノは、カラーテープです。

 ??????????????
 あれえ???

 右側に見えている場所ではありません。前の写真で暗くなっていた場所は、この写真で言う中央部分ですが。。。
 確かに窪みになっていますが、あんなに沈んでいるようには見えませんでしたが。。。
 またとことん土被ってるんやろ!と思いつつ、
 覗きこみますが、どうも穴っぽくない。。。
 埋めているのは側面を滑ってきた大量の石礫。
試しに1個1個取り除いてみますが。。。
 どうも隧道のような空洞に行き当たらず、凹みが
続くのみとなっています。。。

 先に見た写真ですが。。。ねえ。。。どう見ても口が開いているようにしか見えませんが。。。

 因みにここを隧道で抜けないとなると、正面の山肌を避けるために右に逸れ、谷筋に沿って迂回しないといけなく
なりますが、そちら方向に道筋が全く見出せない。。。
 登山用に、写真右よりにエスケープルート(正面の山筋に登るルート)がありますので、とりあえずそこから
脱出します。反対側が見つかればいいのですが。。。
 この隧道?っぽい窪みの場所が左です。
 これだと何がなんだか、という状況と思いますので
やっぱり地理院の地図をご覧下さい。
 ねえ?隧道あってもおかしくない場所でしょ?
 失意のエスケープ行き。。。
 エスケープルートですので、路盤では当然ありま
せん。
 。。。荒れ果てているものの、どうやら支線跡に
戻ってきたようです。。。

 しかし。。。見つけられん!反対側がありそうな
ポイントが。。。ここは再訪の余地を残しました。
 エキサイトの地図では、2本目の隧道表記はまだ
先でした。
 現地ではそれが分からずに、さっきの隧道?凹み
?ポイントにもやもやしっぱなしです。
 
 。。。しかし、そういうもやもやも吹き飛ぶいい光景
が現れます。
 なんと高い切り立て!路面状況も最高に良いです
なあ。
 久しぶりの水気登場です。
 暗渠や開渠の痕跡が無く、まさか林鉄の
「洗い越し」ですか???
 そんな訳ないか。。。
 軽く土台を設けて、そのままレールを渡していたん
でしょうかねえ。
 水は上部から滝で流れ落ち。。。
 路盤を横切り、また滝となって流れ落ちていまし
た。
 どうやら2段の滝になっていて、その中間に支線
跡があるといことのようです。
 なかなか面白いですねえ。
 また面白い景色が出てきました。
 今まで見た切り立てよりも、ややオーバーハング
ぎみになっています。
 いわゆる。。。片洞門?
 
 反対側から見ました。
 どうです?立派な片洞門ですよねえ?

 続きまして。。。
 この探索で最も美しい景色ナンバー1を独断と偏見で。。。
 この切り立ての高さ!路盤の状態!光の加減も良く、我ながら良く撮れたと自画自賛です。
 奥に入り込む程に良い景色を拝めます。
 さすがに秘境黒蔵谷。
 しかし。。。そろそろあってもおかしくないと思い
ますが。。。
 ちょっと不安になってしまいます。。。
 そんな不安が広がってきたころ。。。

 むむむむ!

 あの影は!

 !!!

 今度こそ間違いないでしょう!ついにホンモノの登場です!
 右側谷筋は絶壁。。。
 隧道から先も相当な絶壁ですので、耐えられずに
隧道化したのでしょう、斜め左に突っ込んでいます。
 いやあ、極端に左カーブですねえ。
 急遽谷筋を断念したような感じに見て取れます。
 さて、内部、と。。。

 うお!結構長い!支線の隧道の割に結構気合
入ってますねえ。
 東側坑口より振り返り。
 やっぱり道は急激に右に折れています。
 トロッコなら結構な迫力になりそうです。
 (カーソルオンでフラッシュなし映像)
 完全素掘りの美、です。
 路面に瓦礫は降っているようですが、丸みを
帯びた洞内は安定感があるように見受けられます。

 むむむ!!!

 路面に何か。。。待望のモノが!?

 かかか。。。完璧でしょう。。。
 枕木の登場!!! これで林鉄支線跡確定でしょう!
 イヌクギもしっかり確認!
 枕木はもう1本確認!
 よく路面を見ると、枕木間隔で凹んでいるように
見受けられます。
 廃線トンネル内でよく見る光景です。
 西側坑口付近はぬかるみがひどいです。
 枕木と思われる木片が散らばっています。
 西側坑口までやって参りました。結構長かった
ですねえ。
 しかしこのぬかるみは長靴でないときついです。
 西側坑口直前。漏水がすごい!
 坑口に沿ってえらい勢いで流れ落ちています。
 ぬかるみの原因はこれですな。。。
 それと、右側の斜面が崩落しているようですねえ。
 シャワーを潜って、無事脱出できました。
 道筋は左の切り立てに沿って先に伸びています。
 西側坑口も斜めを向いています。
 これは、林鉄トンネルの斜坑ということでしょうか。
 かなりレアな気がします。

 一応2本目の隧道(謎の凹みは次回の宿題)として。。。
 「黒蔵谷二号隧道」と命名します。竣工年度は一号と同じく1953年(昭和28年)付近と思われます。
 延長はおよそ140mと目されます。
場所はここ。ずばり地図通りの位置です。
 この後も探索してみると、結構軌道跡と思われる
区間が続きました。
 木製の橋跡っぽいのもありましたが、終点をはっき
りとは捉える事ができませんでした。
 ここは、もう一度来ようと思います。
 中間地点の隧道疑惑解明と、終点の確定を次回
の課題と致します!