大鳥居発電所導水路隧道橋梁群


滋賀県

田代川取水編 前半戦

  


                2013年12月/2014年1月訪問


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 大鳥居発電所は1914年(大正3年)5月に京
都電燈によって運転開始されました。
 大戸川発電所よりも3年後輩ですな。
 滋賀県内では古い部類の水力発電所のようで
す。
 大戸川とともに目を付けていた水力発電所で、
やはり石造りの橋梁や隧道を持つらしいです。
 しかも同じ大戸川からの取水、両発電所間の
距離僅か4.6km、車で約7分!
 大鳥居の方が上流に位置しており、大戸川
運用の成功に伴って増設されたのかも知れませ
ん。
 大鳥居発電所で使った水を大戸川発電所で
また使う。。。水力発電所ならではですな。同じ
河川であれば何回でも利用可能なエコ発電で
す。

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 大鳥居発電所には取水堰堤が2か所あります。
 大戸川取水と田代川取水。なぜ2か所もあるの
かは現時点では分かりませんが、田代川の方が
短いです。
 2013年12月、大戸川発電所探索が早めに
終わったものの、時雨れてきたため一同解散
しました。しかし、時間あるなら短い方の田代川
取水導水路だけでも見ておこう、と思い立ち、
単独で見に行きました。

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 因みにこちらは大鳥居発電所の大戸川取水導水路です。こちらは大戸川発電所導水路に匹敵する長さ。
 ここは単独では往復するのが大変です。ここは来年のお楽しみとしてとっておきます。
 さあ、こちらが大鳥居発電所です。
 大戸川の総煉瓦建屋に比べると、明らかに
残念な結果に。
 建て替えだとは思いますが、元々の姿は不明
です。
 そしてこちらが上部水槽です。
 って、あれ?水がありません。どうやら2013年
12月現在、稼働休止中のようです。
 その理由は年明け明らかに。。。
 うーむ、なかなか見られない光景です。
 右側から水圧鉄管を通って発電所に送られる
ようですな。左側の水門が開いています。
 あそこから排出された模様です。
 導水路は少しの暗渠を通過後、開渠となる
ようです。
 それにしても。。。こちらの方角は南。田代川
に沿うルートです。
 大戸川は東、左なんですがねえ。。。
 振り返り。
 こじんまりとした上部水槽と建屋ですな。
 開渠部にきました。
 通常ならなみなみと運ばれているであろう水
が全くありません。
 そして、開渠は僅かで、また暗渠になるよう
です。

 暗渠になったところで、大戸川でお馴染みの
数字プレートが。
 これは取水堰堤からの距離だと思われます。
 よって、取水堰堤まで3950m、ということになり
ますな。
 。。。でもどっち?田代川?大戸川?
 ゼンリン地図で見る限りは大戸川取水の方の
距離と思われます。
 完全暗渠のまま進み、何やら面白い線形の
場所に。

 。。。うーむ、何じゃこりゃ?です。
 導水路は「く」の字に曲がるその通りの線形なんでしょうが、なんでわざわざ「く」の字に?
 真っ直ぐ行けばいいぢゃないか、てな感じがしますがねえ。
 「く」の字の内側は石積みで盛り上がっていま
す。ますます謎です。
 謎の「く」字地帯を抜けるとまた少し開渠が。
 しかし暗渠部の方が多そうですな。
 また暗渠化し、また謎の石積みが出てきまし
た。しかも嵩が高くなってます。
 山側の石積みは理由が分かりますが、谷側
はよく分かりませんな。。。
 その先にコンクリの横断水路が見えます。
 暗渠ですが一応水路橋なんでしょうなあ。
 で、さらに奥に気になる物件が!
 お?なんだ?沈砂池?

 ぬお!なんだこれは?隧道坑口が2つある!?

 小さい方。こちらが南を向いています。てことは田代川取水の導水隧道ってことでしょうか。
プレートが掲げられており、「3号隧道」になっております。
 坑門上部と笠石は切石が残りますが、下部はコンクリート補修され、土管化しています。

 そして大きい方。こちらは東を向いています。南北に走る導水路とは完全に方向が異なります。
こちらには「7号隧道」のプレートが。3号と7号?どういうことでしょうか。
 こちらは坑門全体が生き残っています。総切石造りの立派な坑門です。
 そしてこの隧道が出会う槽には「○流点」の
プレートが。
 恐らく「合流点」だと思いますが。。。
 これでなんとなく分かります。
 「3号隧道」は田代川取水方面で、あと1号、
2号隧道がある。
 「7号隧道」は大戸川取水方面で、あと4号、
5号、6号隧道がある。
 ってことではないでしょうか。
 一部の電子地図では、両導水路は別々に
上部水槽に至っているように表記されています
が、意外な所で合流しておりました。
 そして、やはり沈砂槽の役割もしているよう
で、水門及び排水路が設けられています。
 えらい急降下ですな。
 下部には田代川に並行して走る県道12号が
走っています。

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 合流点はずばり、ここです。
 ここから東側に隧道が伸びていたとは。。。
 因みに3号隧道の内部です。
 。。。。。。。うーむ。果てしなく丸い。。。
 屈めば奥に行けなくもないですが、やめとき
ます。

 一方、7号隧道の内部。これは大きいです。総切石造りの洞内!水がない今だからこその光景です。
 水が流れると8割近く埋まってしまうようですな。。。

 普段ならあり得ない場所からの振り返り。
 稼働中なら常に満杯の水が流れているわけで。。。凄いですな。
 。。。しかしあまり長居はしたくありません。早々に脱出し、3号隧道の向こう側、つまり田代川取水方面に向かうことに
します。

 田代川取水方面に繋がると目される3号
隧道。
 ちゃんと巡視路は確保されています。
 。。。。。。。。。。。。。?
 少し山肌を巻いた辺り。。。いつの間にか
足元に導水路のコンクリートが見えます。
 どうやら3号隧道は短く、且つ呑口は外に露出
していないようです。。。
 ずっと暗渠が続きます。
 ところどころに切石積みの。。。横断水路とは
呼び難い物件があります。
 当然内部確認ができないので、これはノー
カウントです。

 ここの柵に青いプレートが。
 そこには「TD1366m」と書かれています。
 取水堰堤から1366mってことでしょうか。
 やはり田代川取水の方が短いようです。
 。。。うーむ、このフォルム。
 何とも悩ましい。。。
 内部でアーチになっているのでは。。。と思う
と夜も寝られませんw
 これなんかまさに水路橋って感じです。
 むむむむ。。。
 どこが導水路かわからないぐらい枯葉などの
堆積。
 一見したら林道ですよね。
 林道に遺る謎のコンクリート構造物。。。って
な感じですな。
 おおお。。。?
 これ、スキ!
 ミニチュア切り通しです。
 ホンマに最小限ですな。
 岩が露出する山肌に石積み。
 石積みはほぼここでしか見てませんが、何で
ここだけ?
 久し振りの開渠です。
 こうして見ると、大戸川発電所の導水路や
大鳥居の7号隧道方面に較べると幅が狭い
ですな。
 思うに昔は導水路はここだけで、7号隧道
方面は発電容量拡張の為に増設されたので
はないでしょうか。
 また暗渠に。。。
 この時点で「100」のプレートが。

 その先に小さい谷が。
 小さい谷はコンクリートに埋まってました。
 小さなバルブも付いています。
 なんじゃこりゃ?
 。。。うーむ。。。
 どういうシステムだったんでしょうねえ。

 その先には、これまた好きな光景が。
 いいっすねえ!一応切り通しというか、掘り割りですな。隧道を穿たずに高低差を保つために掘り割りにしたようです。
 手前の石積みもいい感じ。この下に現役の導水路が通っているとはよもや思われません。

 もうワンカット。うーむ長い掘り割りですな。
 掘り割りが途切れ、少し前進。
 またかわいらしい水路橋が。
 これは。。。石桁!?
 水路橋で石桁のパターンは初めてです。
 ネタバレですが、この田代川取水導水路の
橋梁は全部で3基確認できています。
 よって、これが
第3号水路橋ということに
なります。
 暗渠が多いですな、ここの導水路は。
 また開渠あり。
 しかし橋梁が少ないですなあ。
 コンクリートで蓋をされています。
 予定ではもうすぐ大き目の谷が出てくるはず
ですが。。。
 おお!谷が見えてきました。。。が、えらい
高低差がないですな。。。

 むむむ。。。これは外れの臭いがプンプンです。
 水路橋ですがコンクリっぽいです。
 足元にこんな設備が。
 沈砂池ではないですが、木枠の水門が.
 何かあった際にはここから排出できるように
なっているようです。
 うーむ。。。
 床面はコンクリですが、側壁は石積みになっ
てる感じがします。
 ので、内部では欠円アーチの香りがぷんぷん
します。しかし!完全暗渠。。。
 上に乗ってる桁はコンクリです。

 。。。で。。。奥にプレートが見えますが、まさ
かの撮影し忘れ。。。何谷か分かりません。
 ナントカ谷を越えてまだ暗渠です。
 ここにも悩ましい石積みが。。。
 全て確認できません。。。

 おっと。暗渠のまま隧道の坑門らしきものが見えてきました。
 さしたる収穫ないまま1kmを切ってますが大丈夫でしょうか。。。

 以降 
田代川取水編 後半戦 に続く!