登尾隧道
京都府〜兵庫県

 

 
 京都府福知山市と兵庫県豊岡市の県境にあ
る三国山の西側を抜ける形で存在する現役
トンネルの「登尾トンネル」。国道426号線の
存在価値を高めるに十分な規模の、延長1777
mを誇ります。
 現役トンネル竣工は1997年と、およそ11年
前。それ以前は、道幅は悪くないものの結構
な峠付近までの登りを強いられ、「登尾隧道」を
くぐっていきます。積雪も多いようで、冬季の
通過はできなかったのではないでしょうか。

       
 なぜ「登尾隧道」に関するレポや写真が僅少
なのか、分かる気がしました。
 理由の一つに、旧国道の全長は3km近くあ
るでしょうか、さらにかなりの勾配を短い間隔で
稼いでいるため、到達が容易ではない。そして
京都府側旧国道は、入り口からロープにより閉
鎖。兵庫県側も大河内の地区があるほんの2、
300m行ったところで、野生動物除けのネット
に阻まれてしまいます。
 仮に、ロープやネットを越えたとしても、今度
は鉄製の頑丈な扉に阻まれます。
 よって、旧国道の入り口から徒歩の行軍を
強いられます。

 写真の地点は、兵庫県側の「目的地周辺で
す、行軍お疲れ様でした」って感じ。
 VOWネタちっくな看板がありました。関西弁
テイストに本当のカンカンで作った「缶」の文字
。。。おにぎりが心なしかうなだれていますよ。
。。ゼッタイアカンのや!
 その看板からすぐでした。
 最後の直線登り道を結構急に右カーブした
先にありました。。。。が。。。

 
またやっちゃったよ!おかあさん!

 トタン封鎖だけはやめてくれとアレほど言った
のに。。。しくしく。。。
 ネタが少ない最大の理由はコレかもね。。。

 道路は左手斜面から流れていたであろう土
砂で薄く覆われています。
 全くもって付け入るスキなし。内部を窺うこと
はできませんでした。
 造りも特にコレっていうものもなく。ふうーん
って感じです。
 トンネルの幅はやはり狭いですね。大型トラ
ックの離合はトンネル内部では無理かも。
 「志在千里」?とよととは読みましたが、
さて??反対から読むのかな?

 トンネル坑口から振り返り撮影。兵庫県但東
町となっていますが、現在は豊岡市となってい
ます。
 さて、反対側も一応見ないとな。。。反対側へ
向かうには、今来たながーーい旧道を下って、
新トンネルくぐって、京都府側の旧道をこれまた
ながーーいこと登らんといかん。。。
 そんなんいやや!
 ってことで、山をこえちゃる!作戦にでました
 急勾配のトンネル坑口上を直登するという
安直で無謀な行動にでました。
 幸いそう高くないところに、旧旧道らしき道が
出てきました。
 この旧旧道、倒木や少々の法面崩れはある
ものの、かなり状態よく残っています。
 少し下れば九十九折の道(左写真)もはっき
り残っています。先へ進めば旧道に接続する
ようです。
 下ってもしょうがないので、峠に向かいます。
そう遠くもなく、峠に迫ります。右へ曲がりなが
ら、切り通しの石垣が見えてきました。
 峠です。車幅以上十分な広さを有しており、
廃道のはずですが、かなり状態は良いと思い
ます。倒木さえなければここまで車で来れそう
。。。 
 峠越えて京都府側。。。突然道の終焉を
感じさせる有様に変貌。

 おそらく左手に急カーブしているんだとは思い
ますが、旧旧道にそってネット(野生動物除け
と思われる)が道にかぶるぐらいせり出して
設置されており、肝心の道は籔化が進行して
います。夏場は籔漕ぎ必至です。
 こんな感じです。
 途中にネットに角を絡ませた野生鹿の白骨
死体が2体ありました。。。ナンマイダブ。。。
 峠付近は籔がひどかったものの、また平静さ
を取り戻してくれました。しかし、しかあし、一向
に旧道と接続する気配なく、逆に離れるばかり
。それもそのはず、この旧旧道は旧道ではなく
、南方にある、府道530号(桑村雲原線)に合
流するようなのです。
 またしても高低差を無視して、強行ショート
カット作戦にでました。
 15分後。。。
 脱出成功。。。足があああ、つりそう。。。
 京都府側の旧道も通行止め。比較的広めの
道路が逆に寂しく感じます。
 右カーブの先に。。。。あああああ。。。
 やっぱしこうか。。。
 ちょっと逆に裏切られる期待をしてたのに
なああ。ガードレールまでついてるよ。。。
 中が見たいなああ。
 しかし!扁額は確認できました。
 峠越えた甲斐があったよ。
 銘板もありました。昭和38年(1963年)3月
竣工で、45年もの歳月が流れています。現行
「登尾トンネル」が出来るまでの34年間、現役
生活を送っていたようです。
 旧旧道が現役だったころ、この「登尾隧道」
が出来たことによる利便性向上ははんぱなか
ったのではないでしょうか。
 結局、帰りは本当にトンネルの真上を直登し
て越えました。もう限界です。
 兵庫県側の旧道帰り道、左手に旧旧道入り
口らしい道がありました。一度逆方向に上って
180度ターンする形で旧道横を一足上行きま
す。
 今はとても訪れにくい「登尾隧道」でした。