(仮)水無谷隧道


奈良県


その5

 

                   2010年5月再訪


 車両限界地点より3kmあまり。。。
 こんな所に隧道が存在するとは。。。情報無ければ絶対見つけられなかった物件です。
 左手の水無谷の清流。
 この右上に素掘りの隧道があるわけで。。。
 おおお。。。向こうが見えませんが。。。

 幅は狭いが高さはあります。

 そして、当然ながらどこの資料にもデータは
ありません。

 中を覗きこみますと。。。ああ、対岸の光が見えました。
 えらいうねりの入った隧道です。こりゃあ、走りぬけにくそうやなあ。。。
 それにしても路面はえらく綺麗です。
 一瞬路面に枕木が埋まっているように感じ
ましたが、よくよく見ると違いました。
 やっぱり、軌道は通ってなかったようです。
 西側の坑口です。
 西側の路面は3分の1が崩れ去っています。
 滑らかな岩質ですねえ、崩れる恐怖を全く
感じさせません。
 東側方面はちょっと落石が多いですねえ。
 でも全体的には安定している感じがします。
 このままほっといても、閉塞することはない気が
します。
 東側坑口です。
 緑が眩しい!
 隧道から先もガレてはいるものの、道は
続いています。
 斜め左に吸い込むその坑口。
 こっち側のほうが坑口付近の崩落がある
ようですねえ。
 少し離れるともう隧道の姿をはっきりと捉える
ことはできません。
 しかも明らかに隧道までの道のりと表情が
異なります。。。 
 此処から先、訪れる人が一気に少なくなる
のか、車道幅あった道筋は一変しました。

 目標は捉えましたが、もう少し進んでみる
ことにします。
 何とか道幅を確認できそうですが。。。今まで
とは何か違う気がします。

 んんんんんん???

 対岸に何か。。。何か構造物があるような。。。???

 ななな。。。なんだ、ありゃあ。。。
 どでかい石積みと手前のコンクリ柱???
 (カーソルオンで拡大します)
 
 川床まで降りてきました。。。
 で、でかい。。。こりゃあ間違いなく橋梁跡ですな。。。

 (カーソルオン)の通り、こんな感じで道が繋がっていたと思われます。
 あの短いコンクリ橋脚がどう接続していたかが分かりませんが。。。

 自然石の隙間をうまく石材で空積みしています。
 かなり力を入れて造ってますねえ。
 この現場で初めてのコンクリ構造物。
 なんでこんな中途半端なサイズ???
 細長い橋台?なのかな?
 真下から巨大石積み橋台を見上げてみます。
 
 。。。高い。。。2段の橋台は聳え立つ風体で
そこにあります。。。
 何とか橋台の左端からよじ登ります。
 
 。。。ナンなんだ。。。こんな山中に車道の遺構
がまさか眠っているとは。。。

 この巨大橋梁跡の他にも。。。
 九十九折れ車道跡、土留めの石積み、コンクリ構造の法面、ご欄のシャープな切り通しが2、3個。。。
 はては林道の線形改良から発生した旧道跡など。。。
 かなり濃厚な廃車道林道跡が残されています!

 今回は時間の都合で途中までしか攻められませんでしたが、この林道は分断林道です。然るに、徒歩であれば
完抜け可能と思われます。
 次回は全容を解明したいと思います。

 
一時完
 簡単に地図を添付します。
 辿るにはそれなりの装備が必要ですので、
ご注意下さい!