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山陰本線旧線跡に残る井田橋梁。その北側には旧牧
山トンネルが竹林に護られ遺されておりました。では橋梁
南側にあるとされる旧十二越トンネルは?
橋梁上へのアクセスポイントであったアスファルト道を
旧線と同じ高さまで登ったところ、このような景色が広が
っていたのは、前半戦のレポ通り。
果たして旧十二越トンネルは無事なのか???
あるとすれば、奥の砂山の向こう側付近と思われます
が。。。 |
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砂山上から振り返り撮影。
旧路線のかけらも見受けられません。ちょうどショベル
カーの真後ろから奥に向かって、旧路線はありました。
井田橋梁もその先にあります。 |
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。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
ない、ないっす。。。
奥の森沿いにぐるっと廻ってみましたが、それらしき物
が全く見受けられません。
ルート的にもうこの場所しかありえなく、どうも埋められ
てしまった可能性が大です。
トンネルがあったかも知れない斜面をじっくり観察する
と、煉瓦が数個固まった破片を確認できましたので、崩さ
れてしまった可能性も大です。
残念ながら北側は完全にアウトのようです。。。
こうなると後は南側からのアクセスしかないのです
が。。。できればそっちは避けたかった。。。なぜなら
「かしの木台」交差点から東側は住宅街なのです。。。
しかも住宅街と現路線、旧線の位置関係も非常にやっか
いなのです。。。 |
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さあ、やって参りました住宅街。。。
位置関係は、写真左手から住宅街。正面は今は営業
していない?パチンコ屋。で、現路線は右手にあります。
では旧線は???
皆様のご想像通り、一番あってほしくなさげな中央の
V字斜面の奥底です。奥の巨大な擁壁の下あたりで旧
路線はトンネルに突っ込んでいたはずです。
写真にカーソルを当てていただくと、その擁壁したに
煉瓦の構築物が見えるのです。。。
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視線を右にやると、現行路線の十二越トンネルが見え
ます。旧路線は左手に流れて、あの擁壁に突っ込んで
いったようです。
現行十二越トンネル「延長485m」です。 |
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高台が住宅街、土手下に旧線というのは、常に人目に
つく探索となり、どうもやりにくい。。。とりあえず第一段階
は、いかにスピーディに土手下に行くかが勝負です。
。。。ををっ
上手い具合に土手に降りる階段がありました。これがな
ければ、今でも探索は行けていなかったと思います。 |
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階段は確実に土手を下り、現行路線に向かっていま
す。何の為の階段か分かりませんが、救いの手である
ことは間違いありません。 |
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。。。おおっ!?
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土手下に降り立ちました。そこには小さな橋梁があり、
反対側に抜けることができます。手前側は煉瓦橋梁と
なっています。旧線がもともと使用していたのを、新線開
通に伴って拡幅して利用しているのでしょう。
「鯉沢架道橋」というそうです。着手竣工とも新線用の
事でしょう。 |
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橋梁下から階段を振り返ります。
。。。やっぱり上から丸見えです。やだなあ。。。
迂闊なことをもたもたやってると通報されやしないか
ひやひやします。。。 |
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橋梁下でこの有様ですから、現行路線付近なんて、ほ
んとに丸裸状態です。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
写真は歩道隣を流れる大き目の排水溝です。
この水の流れは、旧線沿い(!)から流れてきて、橋梁
をくぐり、新線沿いに流れていくルートです。
(!)の通り、目をつけたのはまさにソコ、です。。。
なんつー無茶な考えを。。。と今では思いますが、現場で
は、とにかく人目に付きながらの行動を避ける手段しか
考えていませんでした。
(しかし。。。結果的にはこのルートは×です。。。スマ
ート&スピーディには程遠い結果に。。。) |
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水深は殆どないナ。。。ざぶざぶ。。。
現場ではナイスアイデア!と思い込んでいましたが、
何度も言いますが×です。
しばらくは排水溝にまで侵略するトゲトゲ植物やその他
の雑草を払いのけつつ進みます。。。 |
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進めば進むほど雑草の数が増殖し、水深も深いところ
が点々と。。。長靴でないため、非常に厳しい。。。
見上げるとアノ擁壁が目の前に迫ってきていました。
ここまで30分以上費やしています。距離はホンの数百
mですが、心身の疲労が著しいです。なんかこういう進
軍は萎えます。。。 |
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振り返って撮影。。。
結局排水溝は擁壁にぶつかった後、トンネルになって
そのまま擁壁の中に消えていきます。とても中を見てみ
る気にはならず、写真も撮っていない始末。。。よっぽど
萎えています。
で、当初の計画では擁壁近くまで排水溝で進軍し、横
に並走しているであろう旧線に乗り移ろう、と考えていま
した。。。
ところが。。。
これが意外と排水溝の高さがある。。。足をかける場所
もなく、壁はヌルヌルしてる。。。しかも上には笹状の固く
て太い雑草が隙間ナシにびっしり生えている。。。
この最悪な状況に、マジで引き返そうと思いました。し
かし30分かけて、これだけ萎えさせた苦労は。。。と考え
ると引くに引けない心理状態に。。。
そして、やっちまいました、強行突破。。。
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10分後。。。ついに旧線上に降り立ちました。。。
あっさり書きましたが、ほんとにズタボロになりながら
排水溝と旧線間の擁壁を乗り越えてきました。。。
排水溝の高さは2mほどですが、旧線の擁壁は3m以
上絶対ある。。。滑り落ちるように旧線上に降り立ちまし
た。。。ズボン、軍手が泥まみれ。。。よとと探索史上最も
強引でガサツな進軍となりました。。。
ちょっと凹みました。。。 |
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しかし。。。しかし!
過程はどうあれ、その廃トンネルはこんな哀れな自分を
待っていてくれました。。。ああっ! |
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しかし、大小生育枯れ果て入り混じった植物のなんと
多いことか。。。踏み跡らしきものは一切見受けられず、
やはり探索の手の及ばないトンネルであることの証拠で
しょうか。 |
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他の山陰本線旧トンネルと同じ仕様です。
笠石、帯石が切石。他は煉瓦仕様。迫石の巻厚は
5層です。
福知山線が迫石のみ煉瓦であとは切石、という風に2
路線で特徴の分類ができそうです。 |
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煉瓦ピラスターの装飾も相変わらず。
どんなに籔にまみれようと、威風は変わりません。 |
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さあ、その未知なる穴の様子を探りに参ります。
片側閉塞は間違いないので、閉塞地点の確認です。 |
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振り返り撮影。。。こ、これは。。。
どういう現象でしょうか。煉瓦アーチから植物が生えて
きている?
かつて洞内アーチにまで植物の侵略を受けた廃トンネ
ルを見たことがありませんが。。。普通は日照不足でここ
まで緑は生えないと思うのですが。。。南向きの日当たり
の良さが成せる業でしょうか。
見事です。 |
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しかしいくら日当たりがよかろうと限界があります。
あっという間にいつもの廃風景が。。。
やや右にカーブしつつ地底を進んでいきます。白化も
ひどい。。。 |
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退避口もそりゃああります。
やはり他のと同じ構造です。 |
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ああ。。。光が遠のく。。。目標が対岸の光ではない心
細さはハンパではないです。。。 |
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モノクロ写真ではありません。念のため。。。
白と黒以外の色が存在しない世界です。異空間に迷い
込んでしまったような恐怖を感じます。。。 |
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(写真は明度を上げています)
む?むむむ?やな予感が。。。
路面が濡れてきました。。。いや。。。濡れたレベルで
ないぐらいの広がりを見せる水溜りが。。。
やばいな。。。 |
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(同じく明度上げています)
サイアクだ。。。ついに完全浸水してしまいました。。。
。。。。。。。。。んんん???
さらに奥の状況が。。。? |
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見えますでしょうか。。。閉塞地点が目の前に現れまし
た。。。
浸水と同時に閉塞。。。まあ自然な流れですね。 |
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水深はごく浅く、ここまで来れました。
そして明らかに人為的に盛り土された状況。北側から
土砂を入れたのでしょうか。 |
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いろんな廃材も同時に遺棄された感じです。 |
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ちょっと上が開いている?と思われましたが、登ってよ
く見ると塞がっています。
やはり完全閉塞です。 |
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土砂山から振り返り撮影(明度高)
真っ暗闇に一面に水を湛える廃トンネル。。。こうもりも
住まぬ、死の世界が広がっています。 |
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無事生還しました。
凄まじい閉塞感と息苦しさに苛まれながらの苦しい行軍
でした。
洞内入り口を包む緑が、現世へと導いてくれているよ
うに感じました。 |
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行軍の方法に疑問が残りますが、何とか難関旧十二
越トンネル攻略完了しました。
得難い景色を見ることができて満足です。
はあ。。。二度と行かんぞ。。。 |