前山トンネル


JR山陰本線前山トンネル(京都府船岡駅−日吉駅間)


 


                    2010年3月訪問


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 今更ご紹介する程の物件ではないとは思いますが、
やはり関西圏全てを網羅しておきたいので、今回ご紹
介させて頂きます。
 「前山トンネル」で検索すると多数のサイト様が紹介
されておりますが、当方もそれ以上のネタは持ち合せて
おりません。

 京都府南丹市園部町船岡から日吉町殿田にかけて
やっかいな地形が存在します。まるで半島のように突き
出た山塊は、桂川を迂回させ、県道19号線も迂回を
余儀なくされています。
 その厄介な半島に真正面から挑んだのが水路と鉄道
です。水路は勝貫隧道として貫通に成功。まさに「勝ち
貫いた」感じです。
 もう一方、鉄道も貫通に成功はしていますが、諸事情
からもう一本掘らざるを得ないことに。
 情報では、地質に問題が発生したため、という話です
が、具体的なことは分かりません。
 この旧前山トンネルは南西側、県道からアプローチ
可能です。
 訪問は3年も前になります。現在はアプローチ可能か
どうかは保証しかねます。
 3月という季節柄、見通しは大分良いです。
 

 旧前山トンネル南西側坑口です。
 冬枯れが続くお蔭で全体像が視認可能でした。
 巻厚4層の単線馬蹄型アーチという典型鉄道煉瓦
トンネルです。
 ピラスターがあり、坑門、胸壁ともにイギリス積み。
 笠石帯石を備え、全てにおいてスタンダードなトンネ
ルと言えます。
 坑口は新しめのコンクリートで塞がれ、上部に空気
抜きと思われる穴が3つ開いています。
 開口中に内部に入った方はおられるんでしょうか。
 ネットでは封鎖写真しか見当たりません。
 話題の?「11 新前山」の文字。
 11はトンネルの通算数だと分かりますが、「新」前山
ってのは?この謎は未だに解けていません。
 これより古いトンネルはないと思いますが。。。
 振り替えれば。。。
 残るレール!これだけでも見る価値ありです。
 橋梁は撤去されたのにここだけ残るレール。
 廃線後に訪れるマニアの為としか思えません(違う
でしょw)


 レールから県道と桂川を挟んで対岸。
 見えますか、あの遥か彼方にあるあの築堤。。。
 見事な煉瓦橋台です。
 あそこからここまで、大きな橋梁でここまで鉄道が
やってくるわけです。開設は明治ということですから、
その当時の工事の大変さが見て取れます。

 無駄にアングルを下げてみます。
 しかし!どうですか、レールから橋台までの一直線っぷり!橋台から真っ直ぐトンネルに突き刺さっていたことが
よく分かります。
 右に目をやれば、現行の第一大堰川橋梁も見えま
す。
 ずいぶん右に逸らしたものです。

 これもレールにカメラを置いて撮影。この無駄な低さが予想外にいい廃景を出してくれています。
 もうこのレールの存在が必須ですな。

 若気の至り(3年前もおっさんだよw)か何故かトンネル真上の尾根に登ってしまいました。
 そこから見下ろせば、あの対岸の築堤がよく見えます。

 見事に弧を描いています。で、右手に架線?の支柱が残っている気がします。
 いや、電化は付け替え後だった気が。。。あれは別の送電線でしょうか。
 それよりなにより、あの築堤下に暗渠(煉瓦アーチ)があるかもしれないと思うと夜も寝られません(笑)
 地形的にかなり薄いですが。。。

 視点を変えて。
 鳥瞰図さながら、県道、桂川、新線、旧線の立ち位置が明確に分かります。
 交通量がもっとあれば県道もトンネルになったことでしょう。
 反対側に回って来ました。
 こちら側は石橋台になっています。
 煉瓦だったり石だったり、この基準はどこからくるんで
しょうねえ。
 振り返ればこの有様。
 浄水場へと変貌し、新線合流まで遺構は確認でき
ません。
 築堤上より。
 枯れすすきぐらい除いてから写真撮ればいいの
に。。。(昔の自分に苦言)
 すっぽり浄水場が収まってますな。
 こちらが日吉側の坑門です。
 あんまり変わり映えはしませんな。

 こちらもコンクリートでぴっちり封鎖です。
 ここまで封鎖する理由は。。。
 思うんですが、地質に問題があったとすれば、空洞をそのままにするんでしょうか。ひょっとしたら内部は全て埋めてあるって
ことも考えられますな。であるからしてこの大層なコンクリ張り。納得なんですが。。。
 何やら金具がたくさん付いています。
 何が付いていたかは今となっては分かりません。
 坑口から振り返り。
 レールがないだけでこのもの悲しさは何なんでしょう
ねえ。
 前山トンネル。内部は未来永劫確認できないので
しょうね。。。