(仮)内原隧道
奈良県

 

 
 電子地図にも地図帳にもくっきりと旧道と旧
隧道2本が記載されています。しかしそこは最
早朽ち逝く過程を辿る廃道となりつつある場所
でありました。。。
 和歌山県新宮市は、現隧道である「越路隧道
」を抜ける国道168号線のちょうど真上を通る形
で存在する旧国道に、それはあります。

 写真は新宮市側から狭路を登って来たところ
 アスファルトはココで途絶え、四輪を拒むオー
ラを発しています。
 脇で朽ちているトラックには「〒」マークが。。
。なぜ???
 現役「越路隧道」竣工は1964年とこれまた古
く、2008年という未来を見越して突かれたので
は当然ないのでしょう。現在「新越路トンネル」
が3代目トンネルとして未来を背負うために、現
在も工事途上であります。
 3代に亘るトンネルが存在する場所。。。そう
、兵庫県の鐘ヶ坂トンネルが有名ですが、和歌
山にもあったんです。
 旧道は(もうすぐ旧旧道)現役を退いて既に
44年もの歳月を過ごしています。国道。。。だっ
たんだとは思いますが、ダートです。。。
 こんなにも往時の姿を垣間見させる国道を
よととは知りません。今もこうして完全なる廃道
とならずに生き永らえているのは、新宮市街が
近い事が大きいのでしょうか。
 前の写真を道なりに左に流れると、そのぽっ
かり開けた口がすぐそこに迫っていました。
 1936年(昭和11年)竣工だという記録を確認
しております。
 立派です。改修が入っているのかもしれませ
んが、当時の最高の技術を駆使して造られた
のではないでしょうか。同路線上にある、志古
1号2号隧道とは気合が違います。
 扁額もばっちり確認できました。
 しかし、「越路」とは読み辛いな。。。

 内部は素掘りでした。よく見る光景です。
 しかし、この隧道すっごい「鳴く」んですよ。
 キーだかキャーだか、サルの群れが向こう側
にでもいるのかと思いました。
 でも「鳴き」の大元を探ると、隧道の横手、水
が流れ出ている付近から聞こえます。
 他の隧道でも「鳴き」隧道はありますが、これ
だけ複数から、大音量で聞こえる隧道は初め
てです。こ、怖い。。。
 水の流れが隧道内で反響して聞こえるのか
な、と勝手に推理してます。
 素掘り地帯では「鳴き」はありません。石積み
アーチから聞こえてきます。
 コンクリ噴き付けはなく、むき出しです。
 反対側、北側坑口です。迫石と傘石、帯石の
装飾はありますが、拘りは見られません。
 地図ではこの先にもう1つ隧道が存在するら
しいので、先に進みます。
 路面は、舗装はないものの多少のガレ程度
で、4輪でも進入は出来そうです。
 でました!やはり地図は正確っすねえ。
 さっきの「旧越路隧道」に比べて明らかに
短く、造りも簡易そのもの。この隧道に関する
資料はよととは確認できておりません。
 ので、便宜上この隧道の名前を「旧越路第二
隧道」と致しました。
 本当に最低限の造りですね。アーチもすごく
薄く感じます。でも排水用の側溝はあります。
 反対側、北側坑口です。薄いアーチと岩面の
隙間は細かい石で埋めているという、なんとも
はや。。。な状態です。仮にも国道として使われ
ていたのなら、こりゃないでしょうに。
 結局、初代隧道は、先の「越路隧道」であっ
て、あとの隧道はおまけのような存在なので
しょうか。2代目は現在活躍中ですが、老化が
進んでいる「越路隧道」、そして、現在作成中
の「新越路トンネル」(仮名称)と3代にわたる
隧道を拝める貴重な場所でございました。