その3
2010年6月、2012年1月、2016年1月訪問
九度山発電所現存第5号隧道の呑口。 ここから振り返ると… |
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すぐにこの坑門がお出迎えです。 そう。九度山発電所現存第4号隧道です。 どうやらこの辺りで隧道が連続するようです。 |
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第5号隧道よりもおでこの広い隧道です。 巻厚は4層の欠円アーチ。その辺りは変わりません。 |
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よく見ると少々ヒビが入ってます。 シェッドぎみの隧道、やはり右下向きに荷重がかかっているようですね。 |
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内部です。 奥は素掘りになっていますね。右側のカベはモルタル補修されています。 |
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振り返り。 ここをかつては大量の水が流れていたんですね…今では想像し難いですな。 |
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半分ぐらいが素掘りのようです。 |
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振り返り。岩盤に食い込んでいる煉瓦アーチ。 |
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素掘り箇所と煉瓦箇所の違いはなんなんでしょうねえ。 |
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第4隧道は素掘りのままの坑門のようです。 ので、崩壊が進んでいる感じがします。 そして、次の隧道がうっすら見えてます。 |
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はい、これが 九度山発電所現存第3号隧道 です。 完全に素掘りの隧道になってしまいました。 |
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素掘りではあるものの綺麗に整形されており、すぐにでも現役仕様が可能な感じです。 |
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振り返り。開渠部分はやはり堆積物が多いですな。 |
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うむ。安定感半端ないですな。 |
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短い第3隧道、すぐに呑口に到達です。 |
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第3隧道の呑口です。こちらはかなり武骨なイメージですな。 |
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連続します。 すぐに九度山発電所現存第2隧道が現れます。次から次に出てくるので、写真撮ってないシーンが ちょこちょこ出てきます。ここは坑門撮ってませんねえ… |
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ここが最も短い隧道ですな。 第5号から第2号にかけて順に延長が短くなっている印象です。 |
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第2隧道呑口。外に何か構造物が見えますね… |
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第2隧道呑口はついに高野線の線路敷きに並行するようになってしまいます。 車窓からこの穴を発見できる方は相当な穴マニアです(笑) |
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際どい場所に位置する導水路。往時は車窓からも水の流れを視認できたことでしょう。 |
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部分的に煉瓦の側壁が現れます。 本当にここだけで、他はコンクリ製です。こういうパターンでは、暗渠が潜んでいるのではないかと疑います が、水路の山側には何もありません。 |
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そして!遂に現れました。これが例の物件です。 |
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「こんにちは」隧道こと、九度山発電所現存第1号隧道!その吐口です。 やはり見事なフォルムですな。 この導水路の中で最も重要視された隧道と言えるでしょう。 巻厚3層の欠円アーチに要石付き。笠石部には櫛歯の装飾があります。 呑口と全く同じフォルムです。 |
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内部はすぐに素掘りとなります。 他の5本の隧道との違いは、まず延長が非常にありそう。そして、深い…深いんです。 まさかの長靴オーバー。それを示すように刺された1本の棒。先人の残した確たる証です。 長靴ではあそこまでしか行けません。 …ということを事前に知っておったので、私はいそいそとウェーダーに履き替えます。 |
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いざ入洞… 先人の調査通り、ずぶり、と泥濘独特の感触が足に伝わります。 それと同時に水深は長靴レベルをぎりっぎりオーバーする絶妙ぶり。 こちらが下流であることを考えると、進めば進むほど水深は浅くなるはずですが果たして… |
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振り返り。ここまで入ってきました。 ここまで来ると、泥濘は少なくなり、床の感触がはっきりしてきます。 |
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ああ…陸地が遠のく… |
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ちょっと分かりにくいですが、やはり膝までは 濡れます。 最大水深はこの付近だと思いますが… |
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ざぶ…ざぶ… やはり長いな…奥にうっすらと光は感じますが、どうやらこの隧道は曲がっている模様です。 それに、深くはならないものの水深があまり変わりません。 |
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振り返り。満面の水を湛えていますなあ。 |
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洞内の口径がいびつになってきました。 それとともに、左に大きく曲がっている模様です。 |
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この辺りから水深が浅くなってきます。 そして大きく左に。 |
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おお!出ました、煉瓦アーチ。 部分的な支保工的な感じですが欠円アーチがあります。 |
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側壁もしっかり煉瓦です。 それにしても、巻厚がやたら多い? |
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………かなり乱雑ですな… 岩盤の状態に合わせて巻厚を調整しているのはいいんですが、もう並べてるだけみたいな印象です。 一番多い所で4層。その上の隙間には適当に煉瓦が寝かせて置かれてます。 |
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しかしながらこうして見ると綺麗な欠円アーチを描いています。 それと、さっきから見えている奥の明かりも気になります。…そして黒いカタマリも… |
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振り返り。 ここから右に折れる導水路の流れ。 |
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煉瓦アーチが途切れ、どうやら呑口が近いようです。 その前に群がる黒いカタマリ… |
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やはりのこうもりさんです。 季節柄、冬眠中と思われます。 お騒がせしてすみません。 |
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鼻が菊の花のような形をしていることから キクガシラコウモリというそうですが、これは 一回り小さいコキクガシラコウモリと思われま す。 |
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煉瓦アーチを振り返り。 煉瓦アーチとこうもりさんのコラボです。 |
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深い睡眠中のこうもりさんを過ぎると、一気に奥が明るくなります。 そろそろですな。 |
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ここにきて残留物が。金の微糖、レモンウォーター、ネスカフェサンタマルタ、UCCコーヒーとバラエティに富んでいます。 特に金の微糖なんか新しいと思いますが… どこからやってきたんでしょうか…?取り敢えずぽい捨ては止めましょう。 |
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おおおおお… ついにきました!これこそがまさしくあの「こんにちは」の"窓"に間違いない! |
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第1隧道呑口のフラッシュなしバージョン。おかしな光景になっております。 |
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フラッシュ! なるほど、こうなっておりましたか。 半分だけ壁を作って、転落防止にしているようです。 |
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振り返り。 ここから煉瓦アーチまでは結構洞内がうねうねと迷走しています。 どのタイミングで右に折れるか判断が難しかったのかもしれません。 |
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第1号隧道の呑口坑門。 数年前から指を銜えて見上げていましたが、ついに眼前に捉えることに成功しました。 |
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なかなか良い感じです。 完全閉塞されていなくて良かったです。 |
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はい! 「こんにちは」 遂に達成! なんだか2階の窓から普通に眺めている感覚です。 ちなみに中央の車は私のです。 |
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ここから先は一体どのような水路になっていたんでしょうか。 岩盤が削られた結果、こうなったんでしょうかねえ。 ここから先、取水口までは未確認です。 よそ様のサイトでは、煉瓦構造物が一部残っているそうです。それも含めて残された遺構はないか。 大師15号橋梁の行方と共に追及していこうと思います。 取り敢えず 完 |