2019年4月訪問
逢坂隧道…? 関西圏でこの手の趣味をしていると何気に聞き覚えの ある隧道名称です。別に大阪府と被っているからではな く、あるんですよ、和歌山県に逢坂隧道が… そのイメージがあったんで、ちょっと不思議な感覚でし た。 しかし!隧道の歴史はコチラが断然古い! 高知県は四万十市と黒潮町の境、前身が中村街道で ある国道56号線にそれはあります。 初代の逢坂隧道は明治29年。二代目が昭和37年。で、 現役の三代目は平成4年と、大正を挟んで4つの時代を 跨いでいます。 初代逢坂隧道はもちろんレポに値する立派な物件で すが、ここは敢えて短命に終わった二代目隧道に焦点 を当てたいと思います。 |
|
アプローチは四万十市側からになります。 結論から、黒潮町側は埋没しているそうです。 |
|
ご覧の通り、右側が3代目現役逢坂トンネルです。 で、さらにご覧の通り左側の懐かしい追い越し禁止の 橙帯の付いた旧道… 分かりやすい状態で旧道が残っていました。 |
|
廃されて27年ほど経過していますが、センターライン がくっきりと残っています。 で、何かの設備小屋が… |
|
小屋の後ろからは様相が一変。 すっかり廃化完了といったところです。 目線の先に堆ウズタカく盛り土されていますが、あそこ に坑門が埋まっている模様です。 |
|
辛うじて残っておりました。 扁額はバッチリ。隙間も僅かながらに開いております。 |
|
少しお手入れさせて頂きました。 立派な扁額が人知れず隧道と共に眠っていました。 |
|
…しかし、これは… 入る、入れないの問題ではない気が… しかし、これがまた入洞された方がいるんですよねえ… まぢか… 先人がいるなら逝かない道はない… 状況をよく確認、必要な分だけ瓦礫をどかしていざ 入洞! ズズズ…ううっ、狭!… |
|
おおお…何とか入れました。 最初に入った人、やはりすげえ… |
|
洞内は…うをっ!?広い… 予想以上の大空間が広がっておりました。 こりゃあすごい… |
|
振り返り。 てんこ盛りで埋め戻されています。 |
|
埋め戻した土砂が雨水と共に両サイドから流入して いる模様です。 |
|
照明設備もそのまま残されています。 しかし驚くほど普通に車道トンネル感…(笑) 今でも点灯できそうな雰囲気です。 |
|
床面の土砂がなくなりました。 外からの流入だけのようです。 |
|
中央線も薄っすらと残されています。 しかしこれはさすがに狭いな… 現代の交通事情に合わない感じです。だから3代目 トンネルが作られたんですねえ。 |
|
そして…終わりが近づいて参りました。 やはりこのパターン… |
|
こちら側も埋め戻し。 ブロックを積んでいることで土砂の流入は制限されて います。 |
|
完全閉塞を確認する為にもう少し奥に… | |
うーむ…最早人間業ではどうにもならない隙間に… 人間業?… 人間業でない何かがいる…? |
|
むむむ…確かになんかいます。 このあまりにもでかすぎる巣に一匹だけ… |
|
!ハクビシンですね!! 漢字では白鼻芯と書く通り、額から鼻にかけて白い線 があるのが特徴です。 日本国内で唯一のジャコウネコ科の哺乳類です。 イタチ科や、タヌキが分類されるイヌ科でもないんで すよねえ。 |
|
可愛らしいですねえ。 驚かせてしまってすみません。 |
|
最深部から振り返り。 おろろんさんもちゃっかり入洞しておりました。 |
|
両側が埋め戻されてしまったために、こんな大空間が 人知れず残ってしまうことになりました。 こういった廃トンネルが全国に眠っているんでしょう ねえ。 |
|
現役で使われていたもおかしくないような雰囲気の二代目逢坂トンネル。 その道の重要性から、現在の交通事情に合わなかったんでしょうねえ。 今後もハクビシンの巣穴としての余生を送ることになりそうです。(こうもりさんは居なかった、かな?) |