岐阜県
その3
2018年6月訪問
六厩側の洞内を堪能しました。三尾河側の坑口 も確認したいのですが、閉塞しているので尾根 越えをしないとなりません。 てなことで、崩壊箇所を避ける形で回り込んで 登攀。それ程苦も無く登ることが可能です。 眼下に見えるは今にも消え入りそうな六厩側の 坑門… |
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鞍部に到着です。 良い感じに植生も少なく空いています。 で、中央になんか棒?が… |
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…棒、ですね。 電信棒だったんでしょうか。 隧道内を通さずに尾根越えをする電線はよく 見かけます。 |
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登り易かった六厩側と違い、三尾河側は背丈を 越える笹で覆われており、降りるのに苦労しまし た。 が、どうにか降りてきた場所は…側溝? |
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側溝に見えたのはどうやら隧道の坑門だった ようです。 雨水を流す樋も併用しているようですね。 |
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おお!坑門です! 三尾河側は完全な姿で残っておりました。 |
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軽岡隧道、三尾河側の坑口。 こちらの法面崩壊は限定的で、両側の石積みも視認できるほどです。 こんなに綺麗に残っているとは思いませんでした。ただ、内部は… |
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坑門はやはり荒粒入りの初期型のコンクリートですねえ。中にはやはり木筋が? こうして見ると、本当にオーソドックスな造りです。 |
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元々こんな荒面のままの坑門なんでしょうか。 或は覆っていたものが剥離したんでしょうか。 |
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六厩側で見た迫石もどきのコンクリ装飾です が、この荒面の坑門の下になっているように見え ます。 やはり完成形がこれなんでしょうか。 …なんだかなあ… |
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で、興味深いのが、坑門の扁額の位置にある この4本のボルト。 コレ、明らかに扁額がありましたよね… 木製だったのか、跡形もなく消え去っています。 或は嵌め込むまでには至らなかったのか…その 真相は謎のままです。 |
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そしてさっきから見えている洞内… 盛大に土砂が流れ込んでいます。 |
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坑門からの土砂流入は全く無く、本当に内部の 穴からの土砂のみです。 |
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夥しい土砂の量です。 こんなに流入させる穴はさぞかしデカいんだろう な、と思っていると… |
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穴、こんだけです。 まぢでか。こんなちっさい穴からこんだけの量 がどうやって入って来るんだ… さすがの真砂土ということでしょうか。 |
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その大量土砂の向こうは… おお!意外な延長の空間が残されております。 そして右側も崩壊してますな… |
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うーむ… 一見して現行のコンクリ隧道とはかけ離れた お姿を晒しております。 まずコンクリが超薄い…。もう軽く塗り固めただ け、みたいな雰囲気です。 そしてまたもや驚愕の欠片が… |
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木筋コンクリート ですな。 鉄筋の姿はなく、見えるのは木の欠片のみ。 一応焼きを入れて腐食を防止しているみたい ですが… コンクリアーチに改修時期は不明ですが、やは り鉄が不足する時期だったんでしょうか。 |
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広いですね!意外な程広い空間が三尾河側に も残されていました。 |
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右側にも穴が開いていますが、ここは土砂の 流出はそれ程ではないようです。 |
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振り返り。ぬおおおお…凄い放出量です。 定点カメラで放出前から追いかけたかった!って思えるほどです。すごい勢いで積もっていくんでしょうね… |
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床面から。 いやあ延長ありますねえ。90mと地図から計算 しましたが、実際はもっと長いのかもしれません。 |
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そんな洞内もやはりこの状態に… でかい瓦礫も転がりますが大半は真砂土で す。 |
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ここも完全閉塞です。 で、この崩土、すぐ裏側は六厩側の崩落地点 と一致するのではないでしょうか。 感じ的にこの間に空間があるようには思えませ ん。 |
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こちらもしつこく掘れ上がり確認。 やはり完全に埋まっています。 |
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最深部より振り返り。 六厩側とそっくりですな。 |
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さらっさらの真砂土。 本当に水っ気が全くありません。 |
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戻って来ました。 木筋が飛び出す崩壊箇所。 |
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埋まり方は六厩側よりはマシですが、それでも これだけの破損でここまで土砂が流出することに 驚きです。 |
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三尾河側の坑口。 土砂の流入はまだ殆どありません。 |
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往時の荷馬車道の姿をまだ想像できる三尾河 側。少し先で笹の壁に遮られています。 |
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空積み谷積みの翼壁。 今もしっかり機能しています。 |
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笹の壁の向こうにしっかり道筋が残されていま した。 さすがにここを辿っていくのは…残念ですが 諦めます。 |
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三尾河側もしっかり堪能しました。 六厩側に戻ります。 |
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六厩側に無事帰ってきました。 着いた時には気付かなかった遺構が左手に。 |
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階段付きの石積み構造物です。 | |
上には僅かながらに遺構が残されています。 旧道倶楽部様によると、辻堂があったそうで す。今は移設されて別の場所にあるようですね。 |
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帰り道。 行きしなに気になっていた山手の道筋、そこに 登ってみました。 これは少し上って、旧々道を見下ろしています。 旧々道の脇、結構な広場があります。林業用 の伐採木集積搬出場所でしょうか。 おろろんさんが言うには、茶屋があったかも? おおお、なるほど… |
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目を凝らして道筋を辿っていくと、このような はっきりした道筋が出てきます。 |
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明らかに人道。そこそこの角度で登っていき… | |
人道ならではの角度でターンします。 この道は…旧々々道なんでしょうか。 荷馬車以前の峠越えの人道? |
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一回ターンした道は、軽岡隧道とは逆方向に 緩やかに登っていきます。 この道の正体は…? 追っかけてみれば良かったですねえ。 機会があればもう一度訪れてみようかな、と 思います。 以上、 完 |