(仮)神谷トンネル


高野山森林鉄道(和歌山県)


後半戦

   

 町道から派生したダート林道。。。その林道を
入ってすぐ、植林地帯を回りこんで道は続いて
おるのですが、問題は視線の真ん中です。。。
明らかに何かある!
 上写真から少し左手を見ると、植林が途切れる
空間が存在しました。まるで軌道跡でもあるかの
ような直線の植林なし空間が。。。

 
 少し入って振り返り。
 ねえ、道筋に植林がないですよねえ。。。
 左上にさっきの林道が通っています。
 !!!
 で、でたあ!!!

 こ、こいつは間違いない、穴が開いとります。
 。。。。。。。。。。。。

 ほら穴のようです。。。

 口が斜め上に開いています。
 これは、両側の山肌が崩れ、天井部分も崩れ
ていってる過程の有様と推測されます。
 もともとは、もう少し手前からトンネルがあった
可能性があります。
 トンネル真ん前から振り返り。
 やはり、植林のある平面から少し上ってしまっ
ています。
 写真中央奥らへんに林道の道筋が見えます。
林道は植林を巻いて、ちょうど写真左上付近を
通過しています。
 で、トンネルですが、斜め下に潜りこんだ状態
で存在します。
 脆い地質の上、長年の風雨で入り口付近は
崩され続け、土砂が溜まり続けた結果ではない
でしょうか。
 どこが平面か写真では判別しかねると思いま
すが。。。一応洞床に降り立ちました。

 。。。。。。。。。。。。。

 いきなり。。。先がナイ???
 ありゃあ。。。完全に埋ってしまっています。
 入洞からもう5mぐらいしか洞内が生き残って
おりません。
 平面ぎりぎりまで入って振り返り。
 こうして見るとれっきとした廃トンネルに見え
ますねえ。
 (仮)神谷トンネルの姿。。。それは片側のみ
その雰囲気を残しておりました。。。
 
 。。。。。。。。。。。。

 しかしながら、こっち方面に穴が開いているの
はいささか想定外です。調査済みの資料では、
この方向だとちと不自然な気がします。。。
 。。。。。。。この更地は、なんと、トンネルの
真上です。ダート林道から辿れるのですが、こ
んなにきれいさっぱり天井は更地になっていま
した。
 で、憂慮されるべき反対側坑口は。。。
 。。。。。。。まあ、想像通りの結果といいます
か。。。更地の斜面を下って、反対側坑口付近
を探ってみましたが。。。ものの見事に消え去っ
ておりました。
 振り返ると、はっきりと残る旧道の道筋。。。
 やはりここで間違いないようです。
 ダート林道に沿って下部をなぞります。
 こんなにはっきりした道筋も残ります。
 しかしながら。。。
 途中、左手に広場的な場所もあったりします
が、その広場から先は一気に道筋が終息し、
辿る事が困難になります。
 ついでに上部を常に走るダート林道はどんどん
高野山から離脱するルートをとることになるた
め、この林鉄が高野山に向かう事はできないと
判断し、追跡を断念しました。。。
 現在のところ、支線なのでは?という考えし
か浮かびません。
 よって、神谷トンネルは支線トンネルというこ
とになってしまいますが。。。
 で、トンネル前に戻ってきました。
 トンネルを潜ってしまうと高野山に行けないし
インクライン方面にも行けない感じがします。
 写真の位置は、右にトンネル、左がダート林道
を経由して、高野森脇林道(高野山方面)です。
 
 。。。。。。。。

 よく見ると、真っ直ぐにも道筋があるような。。。
 ちょっと進むと。。。やはりなんか道っぽい。。。
 この方向はインクラインに向かう方向と一致
します。
 
 !!!!!!!!!

 上写真の位置からほんの数歩先です。。。
 道筋の斜め左寄りに。。。橋台。。。まさしく
石積みの橋台が姿を現しました!
 これは事前情報では得られなかった発見
です!!!
 反対側から見ますと。。。
 。。。。。。。。見事な残りっぷり。。。
 
 橋梁を乗せる凹みまで、はっきりと確認できま
す。崩れた様子も全く見られず、ほぼ完全な状
態で残っているのではないでしょうか。
 視線を右に移しますと。。。
 !!

 またしてもナニかあります。。。あれは橋脚の
ようです。コンクリート製だと思いますがはっきり
と橋脚の姿を捉えることができました。
 真横から橋台と橋脚の位置関係を見ます。
 そのかつてあったであろう橋梁の姿を想像す
るに充分な残され方。。。素晴らしい。
 橋台の下にも土台となる石積みを備えます。
かなりしっかりと施工されていますね。
 橋脚の方もかなりしっかり施工されています。
見た感じそんなに古いものではない気がします
が、サイズ的にも軌道橋梁跡と考えて間違い
ないと思います。

 そしてこの先は。。。?
 先にはもう一本橋脚が!
 土台部分が見えませんが、斜面にうまく施工
されています。
 2本目橋脚から先を見ますと。。。まだあります
ねえ。。。3本目が見えます。
 3本目も同様に斜め刺しで存在します。
 山肌の斜面に軌道を通すために施工された
橋脚のようですねえ。。。
 3本目の先には橋台がありました。
 左下を斜面の中に隠しつつもはっきりとその
姿を残しています。

 橋梁は、両側の橋台に挟まった3本の橋台に
よって成り立っていました。
 結構な長さです。
 橋台を登ると、予想通り高野森脇林道に出て
来ました。前半戦で林道と軌道跡にずれがある
と感じていたあの場所でした。
 林道から覗き込むと、軌道の橋台が見えまし
た。まさかこんな遺構が残っているとは思って
いませんでした。。。
 おおよそこういうルートで軌道が這わされてい
たのではないでしょうか。
 元々車の位置は小高い山があって、そこを
巻く形で橋梁を斜面に這わせて、奥の林道に
到達していたのではないでしょうか。
 こう考えると、インクライン〜高野山の道筋が
繋がり、事前調査による軌道のふくらみにも
一致します。
 ただ、やっぱり神谷トンネルの存在が気になり
ます。本当に支線用のトンネルだったのでしょ
うか。。。
 今までの調査は全て私の客観的な雰囲気の
みで行われていますので、全く違うルートであっ
た可能性は充分あります。
 
 少しずつこの軌道は調査を深めていこうと思い
ます。