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意外と平和な第三隧道吐口を抜け、先に進み
ます。
程なくして…何か発見があった様です。 |
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むむむ???
瓦礫で埋まっていますが…これは… |
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こ、これは…
横断橋
ではないでしょうか。
沢水を潜らせるほど大きな沢ではない場合、
導水路では横断橋を設けているのをよく見かけ
ます。
沢水も導水路に合流させたら合理的かとも思い
ましたが、やはり枯れ木や葉っぱ、瓦礫も混入
してしまうので、宜しくないんでしょうねえ。 |
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これを、
第一横断橋
と致します。
横断橋の両ヘリは階段状の煉瓦積み。
流路は煉瓦アーチが露出しています。
下り面はコンクリで補強されています。 |
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振り返り。
こんな感じで横断橋に接続しております。
で、この横断橋、内部を確認することができま
せんでした。
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第一横断橋の目と鼻の先に、もう一橋見えて
おります。
おお!あれは状態が良さそうです。 |
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こちらを
第二横断橋
と致します。
いい感じですね!良い状態を保っております。
巻厚3層の煉瓦欠円アーチの横断橋です。
ご丁寧に水路のヘリを歩く階段付きです。 |
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内部です。
側壁はコンクリですな。
で!アーチ部分が流路に合わせてカーブして
おります。
いいっすね!かなり綺麗です。 |
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もう一枚。
うーん、何度見てもいいラインです。
いやあ、芸が細かい! |
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横断溝上部の流路です。
やはりこういうことになってしまいますね…
だから横断溝は必要、と… |
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吐口側です。
いいですね!ほぼ往時の姿を留めている感じ
です。 |
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続けざまに2つの横断橋を発見し、気を良くして
先に進みます。 |
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さあ、問題の地点がやって参りました。
先人の方たちが記す、
「山ずれ」
その地点にやってきたようです。
なんだかわからない状況になっております。
取り敢えずこのあたりは基礎の石積みは残っ
てます。
導水路壁面のみ押し出されてしまった模様で
す。 |
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導水路の流路と、山側のコンクリ壁と石積み
は生き残っているようです。
外側が全部なくなってますねえ。 |
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下方にコンクリの壁が寝ております。
こやつらが押し出された導水路の谷川のカベ
でしょうねえ。 |
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さあ、この辺りから全く読めなくなってきます。
進めば進む程、倒壊煉瓦の壁がどんどん下方
に移動していきます。
そして不思議なことに導水路の土台であろう
石積みもどんどん下がっていきます。
なんだこれ??? |
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このヒトカタマリも元の水路の高さからそこそこ
下がった位置にあります。
しかも導水路の床面と山側の石積みが綺麗に
引っ付いた状態です。
これが…山ずれか!
ここからWikipediaの知識です。
土砂災害には、
斜面崩壊(山崩れ、崖崩れ、土砂崩れ、岩崩れ
など)、地すべり、土石流があります。
その中でこれは地辷りジスベリにあたるのでは
ないかと思います。
傾斜5度~20度程度の緩い斜面で、地下の特
定の層(すべり面)を境にして、土塊が形状を
保ちながらずれる。1日当たり10㎜に満たない
くらいのゆっくりとした速さで移動し、数日以上動
き続ける、とあります。
また、継続性、再発性があり、始めゆっくりと
動いていたものが一転して早くなったり、停止し
たあと再び動いたりすることがある。
また、日本では3種の地すべり地帯が知られて
おり、その内の1種が、断層運動による破砕帯や
過去の造山運動による結晶片岩が分布する中
央構造線沿いの徳島県・愛媛県である。
結構説得力がありますね!1日1㎝だったとし
て、毎日ずれれば3m65㎝もずれます。
地震等の突発的な地すべりではなく、中央構
造線特有の地すべりが、導水路が廃止された
後、ゆっくりと起こって行った結果というのが最も
妥当な見解に思えます。
そしてその地すべりは現在進行形かもしれま
せん。 |
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暫く瓦礫塗れで判然としなかった水路が突然
現れます。
この間に明石谷という沢があるみたいですが、
地すべりの影響で消失している模様です。
もう少し詳しく調べると、煉瓦橋か鉄橋がボロ
ボロの状態で見つかるかもしれません。 |
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どうです。完璧な姿ではありませんか。
山側石積み、コンクリ壁、床面、谷側コンクリ
覆い煉瓦壁。水路の体をきっちり残しています。
が!
実はここは本来の水路の位置ではございませ
ん。本来の導水路はもう少し山側です。
そんなバカな…
訪問した時は地すべりの存在を認識できず、
大混乱に陥りました。 |
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振り返り。
今辿って来た目線の先に水路はなく、忽然と
姿を現します。
全く以て不可解です。 |
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このような状態の水路がそこそこの距離続き
ます。 |
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そして!決定的な状況に出くわします。 |
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これです。
最初これを見た時は一同パニックでした。
下流に向けて水路が駆け上がっている!?
そんなバカな…
次に、水路がコンクリの支柱で浮かせていた
のが、支柱が折れてここに倒れ込んだ…などい
ろいろ考えましたが、まさか地すべりとは…
(いや、これも仮説に過ぎないんですが…)
なんせ石積みの基礎ごとまるまるずれた状態
になっているんです。こんなの今まで見たことが
ありません。
いやあ自然の力を思い知らされます。 |
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上から見てみます。
…あの水路がある部分は地すべりでずれた…
なんて誰が思うでしょうか?
水路がこちらから向こうに流れる方向であった
なら、こういう傾斜水路なんだ…と思いこんでし
まうかもしれません。 |
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水路がずれるのを防ぐ鉄筋入りのつっかえ棒
です。まさか土塊ごとずれるなんて思ってなかっ
たんでしょうねえ。
アンカーですべり面より下につっかえ棒を打ち
込んでいたとしても、このつっかえ棒が圧力に
耐えられないでしょうね。どっちにしても地すべり
に対応するのは至難の業でしょうか。 |
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水路の下にも石積みが。
これもまとめてずれていったというのでしょう
か???
俄かには信じられません。 |
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正常な水路から振り返り。
そこにはただ木の生えた傾斜地が広がるのみ
です。
…うーむ… |
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これが元の位置の水路。
…ここから手前がずれたんですねえ。
どれだけ見てももやもやは尽きません。
先に進みましょう。
すぐ先にはもう次の発見された構造物がある
ようです。 |
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地すべり地帯を回避した水路橋。
何事もなかったかのようにそこにあります。 |
竹谷水路橋(第四水路橋)
明石谷水路橋がひょっとしたらあったかもしれませんが、地すべり地帯に位置し存在を確認できないのでノーカウントです。
隣の竹谷水路橋は皮肉なぐらい綺麗な状態で遺されておりました。 |
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振り返り。
完璧な断面図です。
橋台は切石とイギリス積み煉瓦を混在させ、
基礎は石積みとなっています。
丁寧な造りですねえ。 |
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上部水槽方面。
こっちも完璧な断面図です。 |
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うん?沢から鉄のパイプが伸びています。 |
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地味に沢水を補給する鉄パイプの導水管が
ありました。パイプなら異物が入りにくいでしょう
しね。 |
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いやあ、良い廃景ですなあ。
あそこからほんの十数m先ではあんな地すべ
りがあったというのに… |
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構造物が盛り沢山でなかなか前に進みませ
ん。しかし、この先も次から次へとバラエティに
富んだ構造物が現れます。
以降 その5 に続く! |