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電動機式のトロッコが通らなかった、と聞いて
いましたが、想像以上に広い空間を有する不動
坂トンネル。
見た感じ拡幅はそんな難しい地質には思え
ませんのにねえ。 |
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反対側までやって参りました。
こちらも土砂の流入はあるものの、まだ3割
程度開口しています。 |
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今来た洞内を振り返ります。
対岸の坑口は、光が僅かに届くほどしか開口
していないことが分かります。 |
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(季節違い写真)
反対側に出ました。
軌道の行く先が完全に途絶えていることが
一目で分かります。ここが終点なんでしょうか。 |
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今出てきた坑口を振り返り。。。
対岸の光は殆ど認識できません。
崩落も激しいので、いつ両側とも閉塞して
しまっても不思議ではありません。 |
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トンネルを出て右手を見ると、お堂があります。
その先には舗装された道も見えます。
。。。ってことは。。。
こっちから来ればよかったんかーい!!!
と一人で突っ込みを入れてしまいました。。。
あの苦労は何やったんや。。。 |
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。。。気を取り直して。。。
こちら側の坑口は、どうやら右側を中心に
崩落しているようです。
天井部分も結構崩れているため、このような
状態になっています。
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さらに引けばこんな感じです。
実際の坑口はもっと下方にあったはずです。 |
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坑口の反対方向は、こんな感じで行き止まり
になります。
一見して終点なのですが。。。
実は、まだ先に手押し牛曳き用の軌道が続い
ていたようなんです。
えっ?どこへ?という感じですが、この写真で
いえば、丸太の転がっている先にトンネルが
あったそうなのです。いわゆる2号トンネルです。
実は1回目の探索ではその情報を知らずに、
ここが終点だと思っていました。
しかし追調査では確かに存在したと。。。確か
にその方向は何か窪んでいますし、埋められて
いるトンネルが存在しても不思議ではありませ
ん。 |
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とりあえず、一旦石畳の道に脱出しました。
車道ではないようです。(しかしながら一応
この場所まで車で入ることは可能です。)
あの杭2本の石畳道の先は、南海高野線の
極楽橋駅まで続いています。
高野山ケーブルを使わずに歩く人用に整備
されています。
この石畳の道を「不動坂」というそうです。 |
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反対方向です。急勾配の登りの石畳道で、
ここも人道のようなんですが。。。
何と驚きです。ここから先は県道なんです。
県道118号(高野橋本線)として現役です。石畳
県道なんてのはあんまり聞きませんねえ。
この県道118号線は、名前の通り橋本市まで
の路線ですが。。。実情はブツ切り路線でいたる
ところでブツ切れになっています。あの神谷トン
ネルで紹介した地図にもこの路線の切れ端が
登場します。 |
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お堂の全景です。
このお堂は「清不動堂」(きよめふどうどう)と
いうそうです。正式には「外不動堂」(そとのふど
うどう)という名称らしいです。
その真新しい概観通り、昔はここに建っていた
わけではありません。
現在の石畳の不動坂は新設で、かつては
四十七曲りの九十九折りの坂を持つ旧不動坂
が存在しました。その旧不動坂にあったお堂を
現在の地に移設したそうです。
トロッコ軌道のまん前に移設できたのは、ここ
が荷降ろしの場所ではなく、第2トンネルで先に
向かっていた証拠ではないでしょうか。
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バス専用道と県道118号線分岐地点の看板から、地図を確認しましょう。
現在地は清不動堂です。右手へは極楽橋駅。左手へは女人堂を通過して高野山に入ります。 |
もう少し詳細に見るとこんな感じでしょうか。第2トンネルは、ちょうど県道(不動坂)の下をくぐる形で存在したのでは
ないでしょうか。 |
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先ほどの県道側の写真から斜め右を見ます
と。。。少し入り込めそうな空間が広がっていま
す。
早速入ってみましょう。 |
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右手には名も知れぬ小川が流れており、すぐ
左手上を不動坂が登っていきます。
この真っ直ぐのが軌道跡では線形的におかし
いので、どこか不動坂の下から出てくる可能性
があります。
しかし不動坂のポジションがあまりに低いの
で、トンネルは埋められている可能性も非常に
高い状況ではありますが。。。 |
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(季節チェンジ!
8月の探索を融合しております)
暫く進んで、ふと左手を見ますと。。。
!!!
何かある! |
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急いで駆け上ります。
んんん???
なんか様子が変です。トンネルではないのか
なあ?上部の分厚いコンクリは不動坂の道
部分のようですが。。。 |
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うおおおお。。。
道路下に空間が。。。かなり珍しい状況です。
手前には木製の杭と有刺鉄線を張って封鎖
していた形跡があります。
これは間違いないのではないでしょうか。 |
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。。。軌道はどうやら、上部の道に対して斜め
に刺さっているようです。意外と奥行きがありま
す。 |
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上の写真を見ますと、結構奥深いのではない
か、と思わるかも知れませんが、実際はこんな
程度です。
軌道の下部が埋まってしまっているというより
かは、軌道上部が不動坂によって削られてし
まっていると考えるのが自然ではないでしょう
か。
しかし、なんで埋めてしまわなかったので
しょうか。これだけのスペースなら、上部の道の
安全上埋める方が無難な気がしますが。。。 |
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内部からの映像です。
うーん、この空間だけ残す意味を図りかねま
す。。。
(カーソルオンでフラッシュなし映像です。) |
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側面の石組みは、上部の道路整備の際に
施工されたものと思われます。
軌道トンネルはその殆どが素掘りですから。。。 |
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不動坂トンネルはともかく、2号トンネルがその
姿を辛うじて残していてくれたことが嬉しかった
です。
この後、軌道は川沿いに上流に向かっていた
そうですが、この先は堰堤もあり、追跡は困難
です。
また、このトンネル跡からすぐの道筋も非常に
曖昧です。これ以上の探索は断念します。
しかしながら、兎にも角にもこれまで高野山
森林鉄道トンネルは計10本確認しました。
他にもあの辺が怪しいなどの情報をいくつか
貰っていますので、全容を是非解明し、この
シリーズを継続させたいと思います。 |